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木の下で待ち合わせ
あの木の下で会おう。
13:00が待ち遠しいよ。
こんにちは!きりぎりすです。
お忙しい日々の貴重な時間をありがとうございます。
昔から待ち合わせには目立つ建物が使われますね。
渋谷のハチ公とか,
○○駅前とか。
私も待ち合わせをする時には
何時にどこどこという感じで
念入りに計画する民です。
また,これを約束する時に
どういう手段を使いますか?
LINEとかインスタでしょうか。
時々メールや電話もしますが,
基本的にはSNSですよね。
ビジネスの場で大事かもしれないのが
リマインドとか,
即レスとは
よく言いますが,
今回はそんな待ち合わせに関する記事です。
あの木で会おう
雲は重いけれど,太陽は輝いていたあの日。
ドイツのおばあちゃんと昼食を食べていました。
そこにおばあちゃんへ,一本の電話が鳴ります。
「日本から来ているなら,是非このイベントに参加しないか」
大音量であるがゆえに
はっきりと内容が聞き取れる電話を
盗み聞きしつつ,
サラダを食べていました。
最初はおばあちゃん
「きりぎりすに聞いて,考えさせるね」
と答えていました。
私もその詳細が分からなかったので
電話が終わってからおばあちゃんに詳しく尋ねる気満々。
それから別の話に花が咲いて数分後,
再び電話越しの相手が
「その日本人はイベントに来るかな?」と聞きます。
私とおばあちゃんは特に会話をした訳ではないけれど
目と目で話していたのでしょうか。
おばあちゃんは
「行くと思うよ」と答えていました。
私も行く気満々でしたが,
電話を切った後に答えるつもりも満々だったから
驚きましたよ。
でも驚きを通り越して面白かったです。
私はイベント会場に辿り着けるか不安だったため,
おばあちゃんと待ち合わせをして
そこから一緒に向かうことにしました。
おばあちゃんから
「また後で時間と場所は連絡するね」
と言ってもらえたから
安心して帰宅しました。
おばあちゃんとはSNSで繋がっていますから,
何の問題もありません。
その夜に来た通知。
開いてみると,
「13:00にあの木の下で。おやすみなさい」
と書かれていました。
「あの木の下」?
一瞬は驚きましたが,
一瞬で楽しみに変わりました。
小説か物語の未知な案内人が発する
冒頭のセリフかと思いましたけれど,
ワクワクし始めたのです。
なぜなら
こういう曖昧な待ち合わせをした経験が
思い出されたから。
一週間越しの約束
学生時代の話にはなりますけれど,
ある素敵な人とデートをすることになったのです。
それはそれは楽しみでした。
とても優しくて,優しさをコネて固めて人間の形にしたら
この人になるんだろうなと
本気で思うくらいには盲目でした。
しかし,
当時なにかに追われていて
初めての食事の時に
「一週間後の正午に映画館のチケット売り場で」
と約束して以来,連絡できていなかったのです。
それを思い出したのは前日の夜中1時を過ぎていました。
でもそれが逆に面白くなって,
もしも居たら一緒に観ればいいし,
居なかったら一人で観ればいい!
と思って,
待ち合わせ場所に向かったんです。
すると,その人はすでにそこにいて
「本当に来てくれた。忘れているかもしれないと思った。」
と言ってくれました。
私にとって素敵すぎて,
今書いていてもノスタルジーに
心臓の筋肉を支配されるような感覚ですけれども
そんな話は置いておいて。
結局おばあちゃんとは会えたの?
やはり,
二度あることは三度あるのでしょうか。
まあまだ一度しかなかったわけですけれども。
結論を申し上げますと,
その時間にその場所に「私が」たどり着けなかったから
そこでは会えませんでした。
別の木だと勘違いしたのです。
すぐにおばあちゃんにメッセージを送信しましたが,
これは文字を打って返信するのに時間がかかります。
集合時間をとっくに過ぎていましたので,
電話をかけることにしました。
出ない。
メッセージにも既読が付かない。
電話にも出ない。
さすがに不安になりましたが,
それ以上待つよりも
本来の目的であるイベント会場に向かう方が
得策かとひらめいたのです。
これはgute Idee。
ナイスなアイデアでした。
不安だったイベント会場まで
人々について行くと
おばあちゃんが既にいたのです!
しわくちゃの手で
私の手を握ってくれながら
「今日は来ないかと思った」
と言いつつ,
「あなたの席は確保してあるわ」
と椅子にかかっている小さな上着を手に取りながら
笑顔を向けてくれるではありませんか。
私はこれを見て,
あのノスタルジーをふいに思い出しました。
あ!
これは余談であり大切な話ですが,
おばあちゃんは携帯を持ってきていませんでした!
忘れてしまったというわけではなく,
家に置いてきたそうです!!
なんて可愛いの!好き。
Am Ende
やはりロマンチック好きな私,
待ち合わせは運命的な雰囲気が好きです。
今は便利ですから,
たとえ電車が遅延しようと
寝坊しようと
プランが変わろうと
携帯一つでどこでも情報を共有できる。
そりゃ,普段はこっち派ですよ。
ちゃんとリマインドをして
直前には携帯の通知を気にする。
けれど,何か特別なことが起きる時は
大抵普段とは違うことをしています。
それが不安の要素になるけれど,
もし達成されたらその喜びは通常の5乗じゃ済まないです。
今日の素敵言葉!!
あの日あの時あの場所で君に会えなかったら
もうその通り。
私の場合は一応待ち合わせてはいるんだけどね!
西野カナの『if』も同じくらい好きだけど
短くまとめられなかった。
彼女が世界の中心だった私のために
あの曲の一部分だけを切り抜くことがどうしても出来なかった…!
よもや!!!不甲斐ない!!!
最後まで読んでくださり,誠にありがとうございます。
では,またお会いしましょう!
Auf Wiedersehen!