あなたの自筆証書遺言を確実に守る!法務局の保管制度を活用しよう
東京都江戸川区船堀から、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
はじめに
遺言書は、あなたの意思を明確に伝えるために非常に重要ですが、保管場所に悩む方も多いでしょう。
紛失や改ざんのリスクがあるため、保管方法がとても大切です。
そこで登場したのが「自筆証書遺言書保管制度」です。
前回の記事では「自筆証書遺言書保管制度」の概略を紹介しました。
今回は、この制度のポイントと利用方法について詳しくご紹介します。
自筆証書遺言書保管制度の趣旨
自筆証書遺言書保管制度は、遺言書の紛失や改ざんを防ぎ、遺言者の意思を確実に実現するために導入された制度です。
遺言書を法務局で安全に保管することで、遺言者の安心感を高め、相続人も遺言書の内容を確実に確認できるようになります。
この制度は、遺言者が生前に安心して遺言書を残すための大切なサポートとなります。
自筆証書遺言書保管制度の利用方法
この制度を利用するための手順は簡単で、以下のステップを踏むことで誰でも利用できます。
まずは自分で遺言書を作成し、それを法務局に預けることで、確実な保管が可能です。
遺言書の作成
遺言書は遺言者が自筆で作成し、署名と日付を記入する必要があります。
遺言書の内容は、遺言者の意思を明確に示すものでなければなりません。
必要書類の準備
遺言書とともに、本人確認書類(写真付き)を用意します。
これらの書類が揃っていないと、保管手続きができないため、事前にしっかり準備しましょう。
事前予約
法務局への保管申請は、電話かインターネットで事前に予約が必要です。
予約がないと手続きができないため、早めの予約を心掛けてください。
法務局への訪問
予約した日に法務局を訪れ、遺言書と本人確認書類を提出します。
法務局では、遺言書の内容は確認せず、封をしたまま保管されます。
実際に遺言者本人が出向く必要があるため、誰かが代わっていくとか、入院中とかであるとこの制度は利用できません。
保管証の受取
遺言書を提出後、法務局から「保管証」を受け取ります。
この保管証は、遺言書が法務局で保管されている証拠となります。
保管費用の支払い
保管費用は1件につき3,900円がかかります。支払いは法務局で行い、これで手続きは完了です。
自筆証書遺言書保管制度のメリットとデメリット
この制度を利用することで、遺言書の保管に関する安心感が得られますが、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。
メリット
法務局で安全に保管される
法務局での保管により、火事や災害、紛失や改ざんのリスクが大幅に軽減されます。
家族にも安心して遺言書の存在を伝えられます。
遺言の確実な実行
遺言書が適切に保管されていれば、相続人に確実に伝わり、遺言者の意思通りに遺産が分配されます。
検認手続が不要
法務局で保管された自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認手続が不要となり、手続きがスムーズに進みます。
デメリット
費用がかかる
保管手数料として3,900円がかかりますが、安全を確保するための投資と考えれば決して高くはありません。
内容変更の手間
遺言書の内容を変更する場合は、新しい遺言書を作成し、再度法務局に提出する必要があります。
この手間をどう考えるかがポイントです。
あわせて、法務局では遺言書が有効かどうかは判断しないので、自分で遺言書が法的に問題ないかを確認する必要があります。
まとめ
自筆証書遺言書保管制度は、遺言書を安全に保管し、遺言者の意思を確実に実現するための重要な制度です。
法務局に保管することで、紛失や改ざんのリスクを低減し、相続手続きが円滑に進むようになります。
制度を理解し、上手に活用することで、家族に安心を提供することができるでしょう。
自筆証書遺言書を作成し、この制度を利用して、大切な遺言書を確実に守りましょう。
詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。