初めての相続相談：誰に頼めばいい？士業の役割を徹底解説！
東京都江戸川区船堀、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一（@kirigayajun）です。
はじめに
相続が発生したり、将来の相続対策を考えたりしたとき、多くの方が最初に直面するのが「誰に相談すればいいのか？」という問題です。
相続手続きは複雑で、様々な専門家が関わる可能性があります。
そこで今回は、初めて相続手続きを行う方でも、誰に何を相談すればよいかが分かるよう、士業（専門家）の役割を簡単に解説していきます。
相続手続きに関わる士業の役割
相続手続きは、大きく分けて「財産の分割」と「名義変更」や「税務申告」などに分類されます。
それぞれの手続きには専門的な知識が必要で、適切な専門家に相談することが重要です。
弁護士
相続争い（遺産分割協議）の代理:
相続人間で争いが生じている場合、弁護士が間に入って代理人として交渉を行います。
遺産分割の際に揉めてしまう場合や、裁判に発展しそうな場合は弁護士に相談することが最適です。
法的アドバイス:
複雑な相続問題に対する法的な見解を求めたいときに、弁護士が法的な助言を提供します。
私の体験だと、相続の相談ですでに紛争性を帯びている場合は、弁護士に相談したほうがいいことをアドバイスしています。
司法書士が関与してしまうと、かえって紛争になってしまうこともあるからです。
司法書士
相続登記（不動産の名義変更）:
亡くなった方が所有していた不動産の名義を、相続人の名義に変更する手続きを行います。
相続登記は法的に必須となっており、これを怠ると将来的にトラブルになることもあるため、司法書士への相談が必要です。
私の事務所でも「相続登記」を軸とした相談を多く受けています。
遺産分割協議書の作成:
相続人が遺産を分割する際に合意した内容を文書化する遺産分割協議書を作成します。
自分の場合ですが、不動産がある場合は司法書士が遺産分割協議書を作成することが多いですが、不動産がない場合は、行政書士として対応することもあります。
その他の名義変更（預貯金、株式など）:
預金口座や証券などの名義変更の手続きも司法書士（場合によっては行政書士）がサポートします。
当事務所では、遺産承継業務が絡む場合は司法書士で対応することになります。
税理士
相続税の申告・納税:
遺産の総額が一定の基準を超えると、相続税が発生します。この相続税の計算や申告、納税に関しては税理士が専門家です。
財産の評価や控除の活用など、税務対策が必要な場合は税理士に相談しましょう。
当事務所では、相続登記のとき、相続税が発生しそうな場合、税理士に相談することを勧めています。
生前贈与の税務相談:
将来の相続税を減らすために生前に贈与を行う際、税理士が適切なアドバイスを行い、贈与税や相続税の負担を軽減する方法を提案します。
行政書士
書類作成のサポート:
行政書士は遺言書や相続に関連する書類の作成をサポートします。
また、自動車や株式などの名義変更手続きも行います。
遺言書の作成サポート:
遺言書の作成をサポートし、相続がスムーズに進むように準備します。
なお、当事務所では司法書士・行政書士両方あるため、臨機応変に使い分けて対応しております。
社会保険労務士
年金手続き:
被相続人が年金を受け取っていた場合、未支給年金の受け取りや遺族年金の手続きなど、社会保険労務士が年金に関する相続手続きをサポートします。
生前相続対策の相談
相続が発生する前に、生前のうちから相続対策を考えておくことはとても重要です。
この「生前相続対策」を行うことで、相続税対策や争いを未然に防ぐことができます。
具体的には、以下のような士業に相談するのが効果的です。
司法書士:
生前贈与や遺言書の作成、家族信託の手続きなど、将来の相続を見据えた法的な対策を相談できます。
税金が絡む場合は、税理士と協力しながら対応することもあります。
税理士:
生前贈与の際の税務対策や、将来の相続税負担を軽減するためのプランを立てることができます。
弁護士:
相続が揉めそうな場合や、複雑な家族関係が絡んでいる場合は、弁護士に相談することで、争いを防ぐ対策を立てることが可能です。
相続開始後の相談
すでに相続が発生している場合、早めに適切な専門家に相談することが重要です。
相続手続きには期限があるものがあり、これを逃すと不利益を被る可能性があるため、迅速な対応が求められます。
以下のようなケースに応じて、適切な士業に相談しましょう。
不動産の名義変更が必要な場合:
司法書士に相談し、相続登記の手続きを進めます。
これを行わないと、将来的に不動産の売却や処分ができなくなることがあります。
相続税が心配な場合:
遺産の総額が一定額を超えると、相続税の申告が必要になります。
相続税の申告期限は相続開始から10ヶ月以内ですので、税理士に早めに相談することが大切です。
遺産分割で揉めている場合:
相続人間で意見が分かれてしまった場合、弁護士に相談して法的に解決策を見つけることができます。
まとめ
相続手続きは初めて経験する方にとって、非常に複雑で戸惑うことも多いでしょう。
しかし、相続に必要な書類を事前に用意しておくことで、手続きがスムーズに進むようになります。
特に戸籍謄本や固定資産税納税通知書など、重要な書類は早めに準備することをお勧めします。
もし、書類が揃っていなくても、まずはお気軽にご相談ください。相続手続きを安心して進めるためのサポートをいたします。
この内容が少しでも参考になれば幸いです。
詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。