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小さな会社も要注意!取締役の相続と登記変更を徹底解説
東京都江戸川区船堀、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
はじめに
中小零細企業を家族で経営していると、日々の業務が忙しく、経営の細かい手続きは後回しになりがちです。
しかし、特に経営者や取締役が亡くなった場合、速やかに対応しなければならない法的な手続きがあります。
それが「登記の変更」です。
このブログでは、相続が発生した際に会社登記を変更する重要性についてわかりやすく解説します。
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経営者が亡くなったら登記変更は必須
家族経営で取締役が1名もしくは2名しかいない中小零細企業の場合、もし取締役が亡くなっても事業自体は続けられることが多いでしょう。
しかし、取締役が亡くなった際に登記の変更を忘れてしまうと、法的なトラブルに発展する可能性があるのです。
法人登記簿には、会社の基本的な情報(本店所在地、取締役、代表取締役など)が記載されています。
この情報が最新の状態でない場合、対外的な信用に影響を及ぼし、懈怠になると過料の対象になることもあります。
登記変更をしなかった場合のリスク
過料のリスク
登記の変更を怠ると、法務局から過料(罰金のようなもの)を課される場合があります。
これは、登記内容が実際の状況と異なり、他の利害関係者に誤解を与える恐れがあるためです。
信用問題
金融機関や取引先にとって、登記内容は会社の信用を判断する重要な材料です。
取締役が亡くなった後も変更手続きをしていないと、「この会社はしっかり管理がされていないのではないか?」という疑念を抱かれる可能性があります。
事業承継が進まない
亡くなった取締役が登記簿に残ったままだと、新しい取締役や代表取締役の権限が不明確になります。
これにより、銀行取引や契約締結などの業務に支障が出ることも少なくありません。
登記変更の手続き方法
経営者や役員が亡くなった際には、以下の手順で登記の変更を行います。
株主総会で後任を決定する
会社の定款(会社の基本ルールを定めた書類)や会社法に従い、株主総会で後任の取締役を決定します。
家族経営の場合、後継者として配偶者や子どもを選任するケースが多いでしょう。
代表取締役も選任するする場合は定款の定めに従って行う必要があります。
必要書類を準備する
登記変更に必要な書類は、会社の状況や変更内容により異なりますが、以下が一般的です。(取締役会非設置会社を想定します)
詳細は司法書士に確認してください。(主だったものを紹介します)
株主総会議事録(後任が決まったことを記載)
代表取締役を選定した議事録(株主総会議事録もしくは互選書)
就任承諾書(新たに選ばれた取締役がその職に就く意思を示す書類)
印鑑届出書(変更があれば)
定款(取締役の互選で選定した場合)
取締役の死亡を証する書面(戸籍謄本等)
株主リスト
その他法務局が求める書類
法務局へ登記申請
必要書類を揃えたら、会社の本店所在地を管轄する法務局へ登記変更を申請します。
登記が完了すると、新たな取締役や代表取締役が正式に登記簿に反映されます。
生前にできる事業承継対策
経営者や役員が亡くなった際にスムーズに事業が引き継げるよう、以下のような対策を生前に行っておくことが重要です。
家族で話し合いを持つ
事業承継を誰にするのか、どのような形で行うのかについて家族で話し合う機会を持ちましょう。
家族経営の中小零細企業では、この話し合いが特に重要です。
遺言書やエンディングノートを作成する
経営者が自分の意思で後継者を決め、遺言書やエンディングノートにその旨を書き記すことは、残された家族にとって大きな助けとなります。
定款の見直し
定款には、取締役が亡くなった際の後継者の決定方法や、その期間を明記しておくと、スムーズな事業承継が行えます。
必要に応じて、司法書士と相談し、定款の変更を検討してください。
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まとめ
家族経営の中小零細企業にとって、経営者や役員の死亡による登記変更は、重要でありながら見過ごされがちな手続きです。
会社の信用を守り、事業の継続を円滑にするために、登記変更を確実に行いましょう。
また、日頃から生前相続対策や事業承継について考え、必要な準備を進めておくことで、突然の事態にも備えることができます。
わからない点があれば、司法書士や専門家に相談して適切なサポートを受けましょう。
専門家と連携しながら、生前相続対策を着実に進めていきましょう。
この内容が少しでも参考になれば幸いです。
詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。