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遺言だけじゃない!今から始める生前相続対策

東京都江戸川区船堀、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。


はじめに

「遺言」「家族信託」「任意後見」といった生前相続対策の選択肢があるのはご存知の方も多いでしょう。

ですが、これら以外にも役立つ手段はあります。

親の財産や暮らしをどう管理していくか悩んでいる方に向けて、今回は他にできる生前相続対策についてご紹介します。

以前紹介したことと重複しますが、重要なので再度書くところもあります。

生前贈与:財産をスムーズに引き継ぐための準備

生前贈与は、生前に財産を親から子供や孫へ移すことで、相続税を減らすことができる対策です。

生前に渡した財産については、一定の条件を満たすことで相続税が軽減される仕組みです。

以下のようなポイントが役立ちます。

・年間110万円の基礎控除

日本では年間110万円までの贈与について贈与税がかかりません。

ですから、計画的に毎年110万円ずつ子供や孫に財産を贈与していくことで、相続税対策ができます。

この対策を立てるときは、必ず税理士とかのアドバイスを受けて行ってください。

・教育資金や住宅取得資金の贈与

特に教育資金や住宅取得資金を目的に贈与すると、一定の範囲で贈与税が非課税となる制度が用意されています。

このような非課税枠を活用して、子供世代への財産移転をスムーズに行うことができます。

生命保険の活用:遺族の生活を支える方法

生命保険は、相続税対策としても活用されています。

生命保険金は、相続財産として計算される場合もありますが、非課税枠もあるため、適切に設計することで負担を軽減できます。

・法定相続人1人あたり500万円の非課税枠

生命保険金のうち、法定相続人1人あたり500万円までは相続税がかからない仕組みです。

たとえば法定相続人が2人いる場合、合計1,000万円までが非課税となります。

これにより、残された家族が安心して生活できるようにすることが可能です。

・死亡保険金で相続税の納税資金を準備

不動産などの相続財産が多い場合、納税資金の準備が困難になることがあります。

生命保険金を使うことで、納税資金として活用でき、相続手続きもスムーズになります。

小規模宅地等の特例:自宅の相続税負担を軽減

小規模宅地等の特例は、相続税の対象となる宅地の評価額を減額できる制度です。

親が自宅を所有している場合、亡くなった後もその自宅をそのまま家族が住み続けることを希望する場合が多いです。

特例を利用することで、自宅の相続税評価額が最大で80%減額されます。

・特例の条件と申請方法

この特例を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

たとえば、相続開始直前から一定期間以上、その宅地を親族が使用していることなどが条件となります。

また、相続税申告書に必要書類を添えて提出する必要があるため、税理士などの専門家に相談するとスムーズです。

生前対策の専門家の活用:計画的な対策を進めるために

生前相続対策は複数の選択肢がありますが、どの方法が自分たちに最適か分からない場合も多いでしょう。

そんなときには、専門家に相談することで、適切な計画を立てることができます。

・多角的な視点で対策を検討

生前贈与や生命保険、特例の活用を含め、相続税を抑えるための最適な組み合わせを見つけるには、多角的な視点が必要です。

専門家と相談しながら、複数の対策を組み合わせて進めていきましょう。

・家族で話し合う時間を設ける

生前対策を進めるうえで重要なのが家族間での意思疎通です。

親が元気なうちに家族全員で話し合う時間を設け、互いの意向を理解しながら対策を進めることが、より良い生前相続対策につながります。

まとめ

生前相続対策は、相続税を抑えるだけでなく、親の財産を守り、家族の将来を支えるための重要な準備です。

「遺言」「家族信託」「任意後見」の他にも、「生前贈与」や「生命保険の活用」「小規模宅地等の特例」など、さまざまな方法があります。

親と家族が安心して生活を送れるよう、早めに準備を始めることが大切です。

専門家と連携しながら、生前相続対策を着実に進めていきましょう。

この内容が少しでも参考になれば幸いです。

詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。

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