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40代が知っておくべき!相続財産をスムーズに管理する方法

東京都江戸川区船堀、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。


はじめに

相続が発生した後、初めて相続手続きを経験する方からよく聞かれるのが「財産を引き継いだ後、どうやって管理したらいいのか?」という質問です。相続放棄や限定承認といった選択肢がある中、相続財産の管理に頭を悩ませている方も多いでしょう。

今回は、相続財産を引き継いだ後の基本的な管理方法や、その前提となる相続放棄や限定承認について、わかりやすく解説します。

相続放棄と限定承認の基本を知っておく

まず、相続財産を引き継ぐ前に知っておきたいのが「相続放棄」や「限定承認」という選択肢です。

相続放棄

相続放棄とは、財産だけでなく借金や負債も引き継ぎたくない場合に利用する制度です。

相続放棄をすることで、相続人としての権利を完全に放棄することになります。

放棄を行うためには、相続が発生してから3ヶ月以内に家庭裁判所へ申請する必要があります。

たとえば、私が対応したケースでは、相続人が借金の多い財産を放棄するために、申請手続きを進めました。

その結果、負債を背負うリスクを避け、家族が安心できる選択をすることができました。

また、先順位の相続人が全員相続放棄したため、次順位の方が相続人になった件も対応しました。

限定承認

限定承認は、相続人が遺産を相続するけれども、相続財産を超える負債があった場合、その負債の範囲を遺産に限るという制度です。

負債の額が不明な場合に、借金よりも財産が多ければ利益を得られることがありますが、手続きが複雑なため、利用されることは少ないです。

相続財産の管理方法

相続財産を引き継いだ場合、次に大事なのは、その財産をどう管理していくかです。

具体的には、不動産、現金や預貯金、有価証券などが財産に含まれることが多いでしょう。

それぞれの財産について、どのように管理すればよいかを見ていきます。

不動産の管理

不動産を相続した場合、まず最初にするべきは「相続登記」です。

これは、不動産の所有者が亡くなった際に、その不動産の名義を新しい相続人に変更する手続きです。

私が担当した事例では、被相続人の名義のまま放置されていた不動産が、相続人が手続きを失念ため困っているというのがありました。

相続登記を早めに行うことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。

意外と相続登記は自分でするといいながら、優先順位が低いためが、相当期間放置して、その後「相続登記申請義務化」がスタートするのでどうしようかという相談も来ています。

また、相続した不動産の管理は、物件を維持するためのコスト(固定資産税や修繕費)も考慮する必要があります。

売却を検討する場合は、仲介業者や不動産業者に相談し、適切な価格で売ることを目指しましょう。

現金や預貯金の管理

現金や預貯金の管理は、金融機関で名義変更の手続きを行い、その後相続人の口座に移します。

相続人が複数いる場合、誰がどれだけ受け取るかを話し合い(遺産分割協議)で決定します。

相続手続きに慣れていない方からよく聞かれるのが、「銀行がなかなか手続きを進めてくれない」という声です。

金融機関は慎重に対応するため、必要な書類が多くなります。

戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人全員の同意書などを用意し、しっかりと手続きを進めましょう。

また、金融機関によって相続手続きの方法が異なっています。

何か統一基準みたいなものを金融機関同士で作ってもらいたいです。

有価証券の管理

株式や投資信託などの有価証券を相続する場合は、証券会社で名義変更の手続きを行います。

これも相続人が複数いる場合、遺産分割協議が必要となります。

例えば、ある家族が株式を相続した際、相続人間で意見が分かれ、分割協議が難航したケースがありました。

最終的には司法書士が各相続人の間に入り、全員が納得できる形で合意に至り、相続手続きが無事に完了しました。

揉め事がおきてしまうと弁護士が対応しないといけなくなるため、ある程度生前から対策することも大事だと感じた事案もあります。

このように、遺産分割協議を慎重に進めることが大切です。

負債の管理

被相続人が負債を抱えていた場合、その管理も重要です。

負債は、相続財産から返済することになります。相続財産を超える負債がある場合、先ほど説明した「限定承認」や「相続放棄」を利用することが考えられます。

私の事務所に相談に来られた方でも、亡くなった親が多額の借金を抱えていたケースがありました。

こうした場合、早めに負債の全容を把握し、適切な対策を講じることが重要です。


まとめ

相続財産を引き継いだ後、その管理には様々な側面があります。

不動産、現金、株式、負債など、それぞれの財産について適切な手続きを行い、トラブルを防ぐことが大切です。

また、相続放棄や限定承認といった選択肢を事前に理解しておくことで、不要な負担を避けることができます。

特に初めて相続手続きを行う方にとっては、複雑な手続きに戸惑うことも多いでしょう。

そんな時は、専門家に相談しながら進めることで、スムーズな手続きを実現することができます。

相続財産の管理についてお悩みの方は、ぜひ一度、司法書士にご相談ください。適切なアドバイスで、あなたの相続手続きをサポートします。

この内容が少しでも参考になれば幸いです。

詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。

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