見出し画像

初めての相続手続きでも安心!遺産分割協議の基礎知識

東京都江戸川区船堀から、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。


はじめに

相続手続きの中でも特に重要で、かつ揉め事が起こりやすいステップが「遺産分割協議」です。

初めて相続を経験する方にとって、遺産分割協議のイメージはつきにくいかもしれませんが、この手続きがスムーズに進まないと、相続全体が滞ることになります。

今回は遺産分割協議の基本を押さえつつ、なぜ揉めることが多いのか、どう対処すべきかについて解説します。

遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは、亡くなった方の遺産を相続人全員でどのように分けるかを話し合い、合意を得るプロセスです。

遺言書がない場合や、遺言があっても一部の財産が指定されていない場合、相続人全員で遺産を分ける方法を決めなければなりません。

協議の結果は「遺産分割協議書」という書類にまとめられ、この書類は後の相続登記や預貯金の解約などに必要となります。

なぜ遺産分割協議が必要なのか?

遺産分割協議書は、相続人全員が合意した内容を正式に記録したものであり、これがないと相続手続きが進められません。

例えば、亡くなった方が所有していた不動産を売却する場合、遺産分割協議書がなければその不動産が誰のものであるか証明できず、売却手続きを進めることができません。

また、口約束だけで協議を終わらせてしまうと、後々「言った」「言わない」といったトラブルが発生する可能性があります。

そのため、遺産分割協議書を作成し、書面として残しておくことが非常に重要です。

遺産分割協議書の基本内容

遺産分割協議書には、以下の内容を記載します。

  • 被相続人の情報: 氏名、住所、生年月日、死亡日

  • 相続人の情報: 氏名、住所、生年月日、被相続人との続柄

  • 遺産の詳細: 不動産、預貯金、株式、自動車などのプラス財産および借金などのマイナス財産

  • 分割方法: 各相続人がどの財産を取得するか

  • 作成日

  • 相続人全員の署名・押印: 実印が必要であり、印鑑証明書も添付する

遺産分割協議が揉める原因と対処法

遺産分割協議は、相続人全員の意見が一致すればスムーズに進みますが、しばしば意見の対立から揉めることがあります。

例えば、実家の不動産をめぐる争いや、現金や預貯金の分配での不公平感などが原因となり得ます。

これらの問題は、相続人間の人間関係や感情が絡むことで、さらに複雑化します。

対処法: 家庭裁判所での調停や審判

相続人間での話し合いがどうしてもまとまらない場合、家庭裁判所での「遺産分割調停」を申請することができます。

調停では、中立的な調停委員が間に入り、相続人全員の意見を調整して解決を図ります。

それでも解決できない場合は、家庭裁判所が最終的な分割方法を決定する「審判」に移行します。

審判の結果には法的拘束力があり、相続人全員が従わなければなりません。

専門家への相談がカギ

遺産分割協議は、感情が絡む難しい手続きであり、時には家庭裁判所での調停や審判が必要になることもあります。

このような場合、司法書士や弁護士といった専門家に相談することで、スムーズに解決できる可能性が高まります。

協議がスムーズに進めば、相続登記やその他の手続きも早く進むため、問題が大きくなる前に専門家に相談することが大切です。

まとめ

遺産分割協議は相続手続きの中で避けて通れない重要なステップですが、揉め事も起こりやすい場面です。

しかし、協議内容をしっかりと文書に残し、必要に応じて家庭裁判所や専門家の力を借りることで、トラブルを最小限に抑えることができます。

初めて相続手続きを行う方も、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

この内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。


いいなと思ったら応援しよう!