道端の採算度外視
昨夜、東京からバスで帰った。
乗車直後から窓に水滴が短く走り始め、発車するときにはしっかり「雨!」になっていた。
これが行きの車内であれば、1日の予定を考えて雨を恨みつつため息をつくところだけれど、帰りの車内じゃあ気楽。
たぶん地元は降っていないだろうし! 雨の東京も悪くないよねー♪くらいの気分で窓に頭を寄せていた。
同時刻に発車したいくつかのバスが同じ道をゆく。
八重洲口を出てぐるりと回り、高架下をくぐりお堀の方へ。
その高架下をぬけたところだった。
「バカじゃないの?」
思わず声に出してしまった。
丸の内の木々に飾られたたくさんのイルミネーション。
その細かな光を、窓を埋めつつある雨粒が反射し、にじませ、この車内にとんでもなく美しい景色を発生させていたのだ。
まさに
「街の灯が水に滲んでゆく」
バスに乗って移動しているだけの、ちょっとふてくされた人間(私)なんかに、そんなに簡単に美しさの極みみたいなものを見せちゃっていいの?!
もっともったいぶってよ!!の、「バカじゃないの?」だと思う。
道端の「ご自由にお持ちください」が採算度外視な美しさっていう反則技をくらい、気持ちよく打ちのめされた気分で帰路についた。
東京、恐るべし。
やっぱりそのうち住みたいわ。
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