見出し画像

あつまれどうぶつの森:「じゅういちがつの島」

あつまれどうぶつの森が発売されて、早4か月。本当に早いな。
発売日から変わらず、島での生活を楽しんでいます。私のペースで。

InstagramやTwitterを見ていると、自分の島のテーマやコンセプトをとても素敵に紹介している方がたくさんいます。
ストーリーを語っていたり、ガイドブック風だったり、町のパンフレットっぽいのもあって、これも「作品」だなぁと思った。
それを見るのが楽しくて、深夜の時間帯がガリガリ削られていたね。
そして、ちょっと羨ましくもあった。
 
私も島のコンセプトというかテーマみたいなものをとりあえず誰かに言いたい!(できれば素敵に!)
 
しかし私は、知っている。
私にそんな技術はないと。ああ、知ってるさ。
なので、持たざる者の手段のひとつである「文字を書き文章にしてなんとかする」を今回もやってみることにしました。
 
たぶん長くなるので、お時間のある方よ、お付き合いくださいよ!

ーーーーーーー

「じゅういちがつの島」
まずこの島に灯台を建てたいと思った。
そしてその灯台に恐竜、この世界に残された最後の一匹(一頭?)の恐竜が訪れてほしいと思った。
何を言っているかって?
これは私の好きなアメリカのSF作家、レイ・ブラッドベリの短編小説「霧笛」の話です。
たぶんこの世界で一番好きな物語なので(暫定)、灯台と恐竜はマスト!で島をつくっていくことに決めました。

■島のスポット

●孤独岬の灯台(「霧笛」from短編集「太陽の黄金の林檎」)

画像2

孤独岬にある灯台の、灯台守2人の会話で物語は進みます。
老灯台守マックダンが昨年見たという怪物が、きっと今年も、今夜あたりにまたこの灯台をおとずれる瞬間を静かに待っています。
彼が見た「怪物」とは、この世界に残された最後の首長竜。絶滅の直前、最後の走者だと。(マックダンの独断と偏見)
この恐竜は、灯台を仲間だと思って「海の底の底」からはるばる会いに来ているのだと。
 
この話について書けと言われれば、たぶん気づいたら6000文字とかいってそうなのでやめておくけれど、ロンサムジョージの背負っていた孤独と、最後の一匹の恐竜の孤独が重なって、あまりの切なさ、悲しさ、救いのなさに打ちのめされた。以来ずっと、打ちのめされたまま。
 
ここは、マックダンと(いちおう)主人公であるジョニーが詰めている灯台です。灯台守の小屋も併設しています。(自宅も兼ねているので私の趣味やら倉庫的な使用やらで散らかっています)
「夜もすがら、君のかたわらにあるからっぽのベッド」もあります。

画像14

小屋の前にあるスツールに腰かけて、灯台を見上げてみてください。
海の底から、もうこの世界のどこにも存在しない仲間を求めてやって来た孤独な恐竜と出会えるはずです。
(本当はフタバが良かったんだけど、首の形的にブラキオを設置。頭の形が違うんだよな… しかし、これでいいッ!!)
これは寒い11月の夜、7時15分過ぎの話。
だから11月の島。
彼は今でも「けして帰らぬものの帰りを、いつも待っている」でしょう。

●カーニバル(from「何かが道をやってくる」など多数)

カーニバル

ブラッドベリの多くの作品に書かれている「カーニバル」。
「何かが道をやってくる」という長編はカーニバルが舞台になっているし、「ダークカーニバル」という短編集も出している。もちろん様々な短編にも舞台やスパイス、比喩として登場する。

線路に乗ってやってくる、魔法の一団。
回転木馬や見世物小屋、怪しげな手品師や屋台がならび、奥にはサーカスがあったりもする。
夏の熱気と闇夜のライト、胡散臭い幻想と狂気じみた空気でつくられる独特な空間を、子供のころのレイ・ブラッドベリは愛していました。
カーニバルのショーマン(的な人)である全身に入れ墨の入った「ミスターエレクトリコ」という電気人間と出会ったことで、彼は将来小説家になることを確信しました。

画像4

ここには狂った感じと怪しい感じと回転木馬と運命の人(ミスターエレクトリコ)を。だいぶ無理してる!! でも、雰囲気でひとつよろしく!

別の巨匠のオマージュにもご出演いただきました。ハロー ジョージ!

●線路

画像5

サーカスをつれてきてくれる線路、そして旅立ちを暗示する線路。
当然、線路沿いに歩けば死体があります。(別の巨匠オマージュ)

●駅(「歓迎と別離」from短編集「太陽の黄金の林檎」)

画像6

永遠の12歳、ウィリーの話。
これは別に精神的にヤバい奴ってことではなくて、彼の体が12歳で成長を止めてしまったということ。
いつまでたっても12歳の体の彼は、まわりの人がそのことに不審を感じ始めると、生きづらさからその町を出て、別の土地で新しい家族を探します。
賢くて礼儀正しい(中身は成人なので当然と言えば当然)彼は、子供のいない、子供を欲しがっている夫婦を見つけては数年間「息子」として暮らす。そしてまた必ず、次の家族を探すために町を出る。
 
5つ目の町、5組目の夫婦との別れの朝、もう20年以上繰り返しているこの旅の新たな始まりの駅と彼の持っていた旅行鞄です。
放浪を続ける彼に唯一寄り添い続けた大切な鞄です。持ち出しはご遠慮ください!

●トマス・ウルフの墓
(「永遠と地球の間」from短編集「とうに夜半は過ぎて」)

画像7

未来の世界の大富豪(老人)が、金に物をいわせてタイムマシンをつくり、過去の世界から偉大なる作家トマス・ウルフをつれてきて物を書かせるというおはなし。
宇宙を見たことのないトマス・ウルフに、実際宇宙をみせて文章を書かせてみたら、どんなに素晴らしい作品ができあがるんだろう……という、純粋なるファンの夢とも言える作品です。

大好きな作家(作品を作る人。物書きに限らず)を亡くしたことがある人ならば、共感する瞬間があるのではないでしょうか。
今なら、この時代の技術なら、社会なら、システムだったら!
彼らはもっと素晴らしい作品をつくれるに違いない!
今、この世界のすべてを使いたいように使って、自由に作った作品を見たい、聞きたい、感じたい!という気持ち。
 
作品を書き、過去に戻り、歴史を変えないように予定どおり静かに亡くなったトマス・ウルフの墓前には、毎夜、途切れることなく空から花束が降りてきたそうです。

●ロケットの見える丘

画像8

「天の光はすべて星」という作品の表紙、別の巨匠のオマージュです。
あの表紙(新しい方)が好きで …えへへ。

●化石発掘現場

画像23

ブラッドベリは恐竜が好きで、「恐竜物語」という短編もまとめているほど。
なので作りました、発掘現場!
火星には触れないけれど、恐竜は何億年も昔に足元にいたんだ。

■ブラッドベリハウス(サブ1のおうち)

画像9

レイ・ブラッドベリをテーマにした展示施設です。

●レイ・ブラッドベリの部屋

画像10

最初のお部屋はブラッドベリの書斎です。
めちゃくちゃ汚いというか、物が散乱してるというか、足の踏み場のないタイプの部屋です。ちょっと… こんな感じ…

画像1

他の写真とかもなかなかなんですけども、本と映画とおもちゃの大好きなおじいちゃんのお部屋です。らしいっちゃあらしいので、私は好き。
このままだとただ家具を置いてある倉庫なので、展示室のロープ的な家具を待っているよ!(未だ見たことないけど)

●作品のお部屋1(左) 「草原」from「刺青の男」

草原

舞台はアフリカの草原ですが、アメリカの家族のはなしです。
 
VRとプロジェクションマッピングでできたような子供部屋が舞台。
リアルな映像が部屋の壁に映し出され、本当にその場所にいるように感じるという、まさにナウ!な技術のお部屋に夢中の子供たち。
その名もピーターとウェンディ。(示唆的!)
掃除洗濯はもちろん、遊んだり、絵を描くようなことすらもマシンにたよりきった生活に、最初は満足していた両親もしだいに疑問を抱くようになります。
それは、ドリーミーでファンタジーな映像世界を楽しんでいると思っていた子供たちが、いつの間にかアフリカの草原ばかりを映し出していることが分かった時に決定的となりました。
子供部屋には獣と食い散らかされた獲物の臭いが漂っています。
両親は子供部屋から機械をはずし、「普通」の生活に戻ることに決めました。
 
ここはピーターとウェンディがピクニックしてるアフリカの草原です。
本来の「ピーターパン」という物語を知っているとなんとも示唆的!(二回目)

●作品のお部屋2(右) 「優しく雨ぞ降りしきる」from 「火星年代記」

画像12

火星がテーマの連作長編に書かれた、地球が舞台の物語。

カリフォルニア郊外のこの一軒家は、すべてが自動化されている。
今朝もAIが自動的に目覚ましを鳴らし、トーストを焼き、コーヒーを入れてくれる。
その間にも掃除洗濯がおこなわれ、家じゅうでマシンたちが住人たちを送り出す準備を整えている。
しかし、機械が動き、走り回るこの家に、今は誰もいない。
残されているのは、壁に焼き付いた
芝を刈る男
花をつむ女
そしてボールで遊ぶ3人の子供の影だけ。

廃墟と化したカリフォルニアで、唯一倒壊しなかったこの家の
最後の朝を残しました。

●作品のお部屋3(2F) 「万華鏡」from「刺青の男」

画像24

世界で一番美しい物語だと思っています。(暫定)

突然爆発した宇宙船。
投げ出された宇宙飛行士たちが、ばらばらに宇宙を落ち続けるところから物語は始まり、そして終わります。
かろうじてつながっている無線機でお互いの存在を確認しあいながら、やがてそれぞれがそれぞれの最後をむかえる。
あるものは孤独と恐怖に狂い、あるものは流星群とともに流されてゆく。

それだけと言えばそれだけなのだけれど、主人公の最後が美しいったら。(溜息)

フーコはレシピをくれませんでしたが、友人の協力により宇宙飛行士(アストロノーツ)を大量にゲットできました。(大感謝)

聞こえるか、ホリス…?

●作品のお部屋3(地下) 「雷のような音」from「太陽の黄金の林檎」

画像13

タイムマシンを使った旅行会社が主催する、恐竜のハンティングツアーに参加した男の物語です。
ハンティングといっても、事前に死ぬ直前の恐竜を調べて、その死に場所で銃を打ち込んで殺し、時間も場所も同じくすることで極力未来の世界が過去の世界に干渉しないようにしてある、いってみれば体験ツアーであり安全です!というもの。 ……ってことは、なんですけどね(笑)
過去に干渉することは固く禁じられているので、物を持って帰れない、未来の物を残せないのはもちろん、決まった道(地面から浮いている!)以外歩けない、印のついている恐竜以外殺してはいけないなど厳しい約束の元、運営が可能となっています。すごいね!

タイムマシン、バタフライエフェクトなど、いい感じなワード盛りでクラシックSF好きとしてはたまらないものがありますね。

ここでは、ティラノザウルスに追われて逃げる参加者体験ができます。
足跡をよく見ると、金色の蝶を1匹踏みつぶしてしまったようですね…

●レイのお墓

画像15

命日にお参りしたかったので、ハウスの裏にブラッドベリのお墓もつくってみました。
お盆とお彼岸にもおまいりするか。

■文化施設(サブ2のおうち)

文化施設

島に文化施設が足りないので、設置することにしました。

●図書館

画像17

ブラッドベリは図書館が大好きで、図書館存続のための活動をおこなったりもしていました。
彼の死後、愛用していたタイプライターがウォーキガンの公共図書館などに寄贈されたと聞いたので、こちらの図書館にも寄贈をお願いしました。

●映画館

画像18

ブラッドベリは映画も大好き。全米最大級の映画サークルの運営に関わっていた(設立メンバーだっけ?)とのことだし、ハリウッドのスタジオに忍び込んでいたりしていたとのことなので、設置決定。
ああ、あなたが来る頃には、映画は終わっているかもしれませんね。

●プラネタリウム(2F)

画像19

宇宙や星に向ける目を持つことを目的に設置されました。
プラネタリウム解放待ちだよ!(え、今回もあるよね?)

●音楽ホール

画像20

室内楽団用の小さな音楽ホールです。
カルテット+ピアノとハープくらいがちょうどいいですね。
いつかここで「カノン」を聴きたいものです。(永遠の夢)

●カフェ

画像21

映画やプラネタリウムを見たあと!
良い音楽を聴いたあと!
本を借りたあとにはカフェでしょう。
もっと美味しいものが欲しいなぁ。
しかしこの壁紙、天才すぎない? かわいい…

■その他

●自然
無人島感も残したかったので、野放図に花を。
私自身はめちゃくちゃ花が咲いているとか、木が生えているとか、草が生えているとかが嫌いというか怖い人間なので、農薬を散布したいところをぐっと我慢。

●どうぶつ
あまり彼らの邪魔をしないように島をつくったりしたい。
ので、住み分けてはいます。
あとみんなめちゃくちゃかわいいです。
ブルースはもちろん、レムとかリアーナとかモニカとか! もう!

●私

画像22

レイ・ブラッドベリという作家の残した欠片を集めたり組み替えたり、勝手に置き換えたり、なんだかめちゃくちゃ楽しくこの島をつくったりメンテナンスしたりしています。
いつまでもこの島を見守っていけるようにマシーンの体を手に入れましたし!
ちょこちょこ壊れてしまっているけれど、もう直してくれる人がいないので、だましだましやっていきます。

ーーーーーー

今のところ、以上です!
完成したり、気が向いたりしたら追記したり修正したりするかも。
長かったでしょ。
読んでくれてありがとうね!

いただいたサポートは、現在ですとシルバニアの赤ちゃんかマウントレーニアのクリーミーラテになり、私がそうとう幸せになります♥