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手を出せない、子どもの友達関係の悩み

子どもが産まれて、ついこの間まで何もかもを手伝ってあげていたような気がする。
あの子は食べるのも出すのも、服を着たり脱いだりするにも、何もかも世話してやらなきゃ生きていけない存在だったのに。成長過程のあれやこれや。生活の様子、どこもかしこも気を配って助けてやっていたはずの長男は気がつけばもう8歳。
まだ声をかけないと時間割は合わせないし、風呂は入らないし、ご飯も用意してあげないといけない。
けれど、よくよく考えてみたら、ここ数年は長男が自分で取り組んでいる事が格段に増えている。小学校入学からは特に。保育所と違って連絡や先生とのコミュニケーションがガクッと減り、本人に尋ねても解らない事も多い。
それでも、なんとかなっているって事は、きっと子どもが自分でなんとかしているんだろう。
もちろん、まだまだ完全に手を離せるわけじゃないけど、段々とこうやって手を出してあげられる場面は減っていくんだろうなぁと思うと少し寂しい。
渦中では負担だと思っていたくせに。

長男が「最近学童が楽しくない。仲良い子たちがみんな鬼ごっこするから」と言う。長男は鬼ごっこをしたくない。
『そう伝えたら?』と助言したら
「聞いてくれさえしないよ」
そうか。難しいね。私はその場にいないから、本当のところは解らない。結局は長男ががどうにか対処していくしかない。ここで『カーチャン行ってみんなに言うたろか?』って言えたらどんなに楽だろう。本当にその場に行って『ちょっと!うちの子鬼ごっこしたないねん!別の遊びしようや』って言い出したら…アタマ沸いてる母だろう笑
友だちおらんくなるわww

実は、1年生の頃も長男は友達関係で悩んでいた。自分から声をかけるのが苦手な長男。そして時々は1人の時間が欲しいタイプ。ぼんやりと1人の時間を過ごしたり、声かけされた時だけに応えていたら、いつの間にか周りにはグループができてしまい、取り残されてしまったようだった。学童渋りが始まり、本人の話と気持ちを聞く→聞いた話を先生に伝えるという私の伝書鳩生活がしばらく続いた。1人で浮いているもの同士で仕方なく過ごしたり、人懐っこい女子が頻繁に声をかけて相手してくれたり、という時期を経て、なんとか1年を終えた。
学年が変わるとまた学童のメンバー編成も変わり、コロナ騒ぎでバタバタして、今は仲良く遊べる固定メンバーができたようだ。昨年度のイメージを背負ったままでしかもコロナでさぞ大変やろうとせっせと早めの迎えに行っていた私は長男から「なぁ、お迎え早すぎるんやけど」とキレられてしまうという理不尽な目にあった。
だってさ、去年もコロナの時も「学童つまんねえ、早く家に帰りてえ」つってたやん??なぁ、最近までそうやったやん??
と思いつつ、一方であの長男に友だちができて楽しんでいるという事実は大変に私を喜ばせた。

で、その友だちと意見が合わなくてつまらん。そしてその合わん意見を表明すらできてないと言うのだ。おぅ、長男よ。そう言う事はな、
これからの人生でかなり頻繁にあるぞ。
て言うか、人間関係ってのはそればっかりや。

まず、本当はアサーションっていうか?まぁ、自分の意見や気持ちを人に伝えられるようになるのが必要なわけで。
でも、それって結構難しい事やと思うんよね。だって私でもまだうまくできないし。
そりゃそれができるに越した事はないよ?でも、難しいよね?自分でも難しい事、子どもにやれってのは酷だなぁと思った。
しかも相手は複数いるんよ?仲良しグループ4〜5人の中で1人「俺鬼ごっこしたくないー」って言うのって勇気いるやろ。
少なくとも、ごく親しい私やべったりの保育所の先生にだって気持ちを話せない息子である。やっと今年できた友だち複数に…ハードル高いーーー。
アサーションの練習は今までどおりやるとしても(と言っても、私が我慢強く長男が語り出すのを待つだけである。でも、これが大事だと思っている。気持ちを表明して受け止められたって必要な経験ちゃうかな)、今使うのはその技じゃないなぁと。

そこで私は、長男にある質問をした。
「仲良しの子たちと遊ぶ事」と
「自分の好きな遊びをする事」
比べてみたらどっちが君にとって大事?
難しい質問なのは解ってるよ。だけど、それを考えてみたら、君が次にどうするかが決まるかもしれない。

長男は、自分の目の前にある不都合がサッと去っていって、自分にとって楽しい事が起こる事を期待していたと思う。ママが先生か誰かに話してくれて、問題がなくなるとか。私だって、嫌なことがサーっとなくなって楽しい事だけやって生きていけたらいいなって思うもん。もい40前だけど、まだまだそんな夢みたいなこと考えてるよ。
だけど、たいてい起こらない。そんな事はそう簡単に起こらない。何もしない人には特に起こらない。残念だけどね。

一方で、何かしらの課題がある時、母の介入を嫌がるようにもなってきた長男である。自分でやりたい、という強い気持ちがあるわけではなさそうだけど、「母に侵入されたくない」という確固たる思いはありそうだ。
大きくなったんだなって思う。全部やってあげなきゃいけなかったのに。それってもう本当に遠い昔なんやなぁ…

しかし、突然そんな無茶な二択を迫られて長男は「ポカン」と言った。いや、ほんまに言った笑 比喩じゃない。ポケモンのせいはちょっとある。
難しかったよね。そりゃそうや。
そこで、私は自分の話もしてみることにした。

今年度、私はずっと問題を抱えている。パワハラ気質な上司からのパワハラ的な関わりだ。怒鳴られたり、指示を覆されて“誰がそんな事言った!”って全然違う事を言われたり、“いつでも異動させてやるぞ”って脅されたりしたこともあるから多分パワハラだと思う。上の人がウヤムヤにするけど。
で、そんな諸々を生々しく息子に話すわけにもいかないから、
『今、ママのお仕事のところにすごい嫌なオッサンがいるんや』
と話してみた。長男ゲラゲラ。簡単に言えばそういう事やからな。
そのオッサンは意地悪で怒鳴ったりするという説明を加えておいた。
母は、仕事は好きだからやりたいと思う。けど、オッサンが意地悪したり怒鳴ったりするから仕事に行くのが嫌になる。オッサンがいなくなって、お仕事を続けられるのが1番母にとって嬉しい事だ。けれど、
『君が来年のクラスは○○君と××君と一緒がいいって言ったってそうはならないでしょう?先生が決めちゃうから。ママも同じでオッサンおらんくして欲しいって言ってもそれはお仕事の偉い人が決めるんや。だからママには決められへん。オッサンには辞めて欲しいと思うけど、お仕事を辞めるかどうかを決めるのは自分だけやろ。他の人が決められへんやろ』
長男は注意散漫さを十二分に発揮しながらもなんとなく聞いていた。いや、もっと真剣に聞いて?
『それと同じでさ、ママが仕事を辞めるかどうかを決めるのも自分なんよ。つまり、ママはとにかくオッサンと一緒にいたくないからお仕事辞めますって決める事はできるの。でも、お仕事やめたら、好きな仕事はできんくなる。お金ももらえへんくなる。でも、オッサンとは会わんで良くなる。どっちがいいかなーって考えてるねん』
ここで、母も迷いの渦中にあるときいて長男は意外そうであった。
そうやで。大人も迷ってんねん。迷う事だらけや。もうなんも考えんとチョコだけ食べて寝たい時もいっぱいあるわ。
『でもなー、お金は欲しいなーって思ってるねん。まだまだ君と一緒にしたいゲームもあるし。遊びに行きたいしな。そしたら、オッサンを我慢してお仕事続けようかなって思う。どっちにしようかなってママもずっと迷ってるねん』
なんでも思い通りにはいかない。むしろ人生はうまくいかないことだらけだ。
『でも、その中でも、自分で選べる事があるねん。だから、今の君も選べる事もあるから考えてみたらどうかなって思ったんや』

反応はなかった。
ちょっと難しかったかな。まだ8歳。自分で選択していくことには慣れてないだろう。
今回の件では、別に彼が何かを選ばなくてもいいと思っている。選べなくても、選ばなくてもなんでもいい。もちろん、えらんでもいい。私は頑張って口出ししないようにじっと耐える…多分耐える…耐えれる………?
彼が選べなくても、選ぶってことについて一瞬でも考えたり、してくれたらいいなと思う。今はそれだけで十分だ。
これから先、選ばなきゃいけない事がたくさんある。捨てなきゃいけないものもたくさんある。守ってもらえるうちに守られるのはいい事だと思う。けれど、いつかは自分の足で歩かなきゃいけない。そう。いつかは私が助けてあげられなくなるんだ。
もどかしいけれど、私は私で、長男は長男だ。別々だって事を肝に銘じる。

あーぁ、寂しいなー。切ないな、もどかしいな、ムズムズするし、つい口も手も出してしまいたくなる。だけど止まれ!!私止まれ!!そういうの本当にうっとおしいから。
止まろう。
言い聞かせる。

ちょっと離れたところでいつでも見てる。困ったらいつだって助けてあげたい気持ちでいっぱいだ。でも、我慢するね。君のことを信じてる。

子ども服やポケモン・プリキュアの食玩を買います。あと、ねるねるねるね。