アメリカーノな朝
アメリカーノ
Wikipediaによると、’エスプレッソをお湯で薄めて飲むアメリカ人を侮辱する由来があった’ という。
イタリア人ですら、エスプレッソをストレートに飲まない。彼らは、たくさんの砂糖を入れて甘くして飲む。どっちもどっちだと思う。
エスプレッソは、苦くて酸味がある。
ちょっと味見程度なら、キーーンとした苦味と酸味が口の中を駆け巡って頭が冴えると思う。
エスプレッソを味見した後のわたしの顔が、目を見開いて驚いたような感じになるからだ。
甘くしてない直のエスプレッソはゴクゴク飲めるものでは、ない。わたしは、飲めない。
コーヒー屋さんに勤めて、
コーヒーに関する知らなかったことを知る。
一所懸命バリスタが、エスプレッソマシーンと日々闘っていることを知っているだろうか。
お店の味、美味しいエスプレッソを使った飲み物(ラテなど)をお客さんに自信を持って飲んでもらうため、エスプレッソマシーンで、日々味を、濃さを、酸味を調整している。
だから、バリスタは、(わたしの知っている限り)毎日たくさんのエスプレッソを飲む。
日々キーンっとしたものが口や頭を駆け巡っているのだ。何杯と飲む。
エスプレッソマシーンは繊細な機械で、毎日の天気や使う豆によって、いろいろ調整しないと美味しいエスプレッソが抽出されないのだ。
人によって、人の味覚じゃないと調整できない努力の賜物を、毎日わたし達は飲んでいるのだ。
裏方として働くまで知らなかったこと。
バリスタの身体の中は、きっとカフェインだらけ。そんな彼らがいないと、朝から美味しいドリンクは飲めない。
わたしは、エスプレッソが苦手だ。
でも美味しいエスプレッソの飲み方は知っている。
それが、アメリカーノ。
お湯を入れることによって、濃厚な苦味や酸味は、本当に薄まり、豆の持つ甘さが出てくるのだ。
コーヒーと何が違うのかというと、
アメリカーノの方が、口に入った時のガツンとした苦味がすぐに甘みに変わって、爽やかに飲めるのだ。コーヒーも美味しい。だけどそれ以上に、ハマったものがアメリカーノ。
特にこの時期は、アイスアメリカーノを味わってほしい。この飲みやすさをすぐに感じることができると思う。
わたしの休日は、コーヒーか、アイスアメリカーノで始まる。アメリカ人がお湯を入れなかったら飲めなかった飲み物。バリスタたちの努力を少しでも美味しく感じれると思う。
そんなことを考えながら、朝を楽しむ。
コーヒー屋さんで過ごす朝から、有意義な一日が始まる。