2022年J2てきとーレビュー#16 第19節 ベガルタ仙台vs栃木SC
こんにちは、キリーです。今回は先日の「仙台vs栃木」の試合をレビューしていきます。レビュー初心者で「てきとー」にやっておりますのでご理解の程よろしくお願いします。それでは始めます。
スターティングメンバー
まずは仙台のスタメンです。久しぶりの無得点に終わった前節岡山戦から3人の変更。⑲皆川選手と㉜鎌田選手は久々の先発です。ベンチには負傷離脱していた⑭石原選手と⑨中山選手が戻ってきました。
目下2連勝中と好調な栃木は前節町田戦から先発の変更は無し。ベンチにも攻撃的なメンバーが揃います。
試合経過~耐え忍んだ先にある歓喜~
はっきり言いましょう。とんでもなく悪い日でした。これまでにも悪い日というのは存在しました。開幕の緊張感が抜けていない新潟戦、研究され何もできなかった東京V戦。連戦最後の大遠征に暑さにやられた長崎戦…。東京V戦はともかく残りの2試合はどこか割り切った姿勢があり、見ているサポーターに「今はこうしたい。」というチームタスクが伝わってきました。翻って今回の栃木戦。「自分達のやりたいことはこれ!」という事前作戦に固執し大半の時間をこれでもかと栃木に主導権を握られ続けました。それでは何故こんなに栃木に圧倒されてしまったのか。てきとーに見ていきましょう。
まず栃木の守備は5-2-3のブロックを組みます。仙台のCBに㉙矢野選手と⑨瀬沼選手がつきボランチへのコースを消しつつアタックしてきます。この試合では⑤若狭選手が仙台のビルドアップに参加していたので㉓植田選手が若狭選手につき同じ動きをします。おそらく㊶内田選手がビルドアップに参加するならうまくスライドしていたのでしょう。今回は内田選手が高い位置をとろうとしたので③黒崎選手が見ます。そしてサイドやボランチ腋を突破されそうな時はWGの選手とボランチの選手がお互いにフォローに入りあい安易な突破を許さないという守備でした。この基本の守備に栃木の各選手が素早い寄せとハードワーク、プレスバックを惜しまなかったので仙台にとってより強固な守備となりました。
そんな強固な守備を披露した栃木に対する前半の仙台の攻撃。意図は上下動することで生じるWGの前後のスペースに攻撃の起点を作り前進したいというものでしょう。3バックの相手には間違っていない、むしろオーソドックスな攻撃の狙いと言えるでしょう。しかし前述したようにビルドアップ隊のほとんどが栃木攻撃陣のアタックを受けている状況なので、そのスペースには基本ロングボールでしか届きません。地上戦で届けようにも㊹中島選手と㉜鎌田選手のポジショニングが被ってしまい、サイドでの数的優位を作り出せぬままスペースにボールを蹴りこむ状況になってしまいました。また前線の選手がサイドに流れがちな展開になってしまったので、中央に蹴りこんでセカンドボールを回収して突っ込むという無理矢理な手段にも出れません。さらに㊿遠藤選手が攻撃を組み立てようと自由に動くと右サイドに⑤若狭選手しかおらず、右からは進めないシチュエーションも散見されました。またこの日は仙台だとこの季節にしては暑すぎるような陽気で選手のパス精度の悪さからも消耗が激しいことが伺えます。
攻撃でどん詰まった仙台は栃木の攻撃にもやられます。栃木の攻撃はサイドにボールを集める→クロスから長身の選手がシュートが基本のデザインのようでした。サイドに㉙矢野選手が流れボールキープし、攻撃参加したWGの選手にパスからのクロスならおそらく怖さを感じなかったでしょう。しかしこのサイドに流れて起点になる動きを⑨瀬沼選手も行うため、必ずゴール前には長身FWのどちらかが陣取る形になっているのです。クロスも高確率でその選手に届かせようとしますし、仙台の守備がWGの選手へのケアがおろそかになっていることを看破されるとクロスと逆サイドのWGの選手もより高い位置を取るようになり二次、三次攻撃とつながっていきました。
しかし栃木にゴールは許しません。まずシンプルなクロスならば⑬平岡選手と⑳キムテヒョン選手の前には無力同然。簡単に跳ね返してしまいます。またミドルシュートにも積極的にブロックしにいきGKに仕事をさせません。後は栃木の選手に決定力が無かったことが助かりました。シュートを打てば入りそうな場面でパスを選択していた時が見られ、その分仙台守備陣が整う時間が生まれたりして難を逃れました。
さて良いこと1つもなかったものの無失点で前半を終えた仙台。ハーフタイムに㊷富樫選手→㉖加藤選手の交代をします。加藤選手は右サイドに、㊿遠藤選手はトップ下に入ります。まずは守備の整備。誰がつくかあいまいだった栃木のWG(特に㉚福森選手)のケアを明確にします。また遠藤選手と⑲皆川選手が縦関係を作ることで栃木の3CBとボランチとのパスコースに制限をかけボールの前進をサイドからのみに限定させます。この布陣だと両チームのボランチ同士の勝負になります。おそらく栃木の今回考え得るのボランチの層と仙台のボランチの層だと仙台の方が有意になれると考えこの布陣ししたのでしょう。
次に攻撃については、引き続き遠藤選手がフリーマンとして攻撃の方向性を指揮します。前半と違うのは、加藤選手がサイドに入ったことで両サイドから攻撃を通す環境が整ったことで栃木の守備を広げさせることに成功しました。その結果㊶内田選手が走りこむスペースも生まれ急激に攻撃が上手く進むようになりました。
56分のCKは㊶内田選手のクロスを栃木守備陣がCKに逃げたところからでした。CKのボールはクリアされますが、こぼれ球に㊹中島選手が反応。持ち込んで速いグラウンダーのクロスを入れると⑤若狭選手触ってコースを変えてゴール!辛い辛い時間を乗り越え仙台が先制します。
その後も㊿遠藤選手を筆頭に㉖加藤選手、⑲皆川選手が栃木ゴールに襲いかかりますが①川田選手の好セーブに阻まられ追加点を上げられません。
栃木も攻撃的な交代カードを切りますが仙台も消耗の激しい選手の交代をして守備の強度を保ちます。クロスの質もシンプルなものが多いので仙台CBが適格に跳ね返していきます。
ウノゼロで終われるかと思った矢先の85分、交代で入った⑩森選手のフワッとしたクロスに㉙矢野選手が⑬平岡選手の上から叩き込んで同点に追いつかれてしまいます。これは矢野選手が敵ながら天晴のゴールでした。その前からクロスが多く平岡選手も⑳キムテヒョン選手もヘディングでのクリアに追われていました。再三再四のクロス対応中に間合いを開けてからの滞空時間の長いジャンプとヘディングの強さにはベテランならではの技術と年齢を感じさせないガッツを感じます。仙台としてはその前から続いていたクロスの多さに対するチェック、連戦の疲労管理を改めて考え直さないといけないと思わされる失点でした。
その直後に㉑トカチ選手のあわや逆転ゴールという場面を作られた時には「この試合はダメなまま終わってしまうのか…」という雰囲気が醸し出され始めました。しかしここはユアスタ。切羽詰まった状況下でホームチームに劇的な展開をこれまで提供してきました。この日もそうです。
88分、左サイドで人数をかけた攻撃から獲得したCK。先制点と同じくCKのボールはうまく合わせられません。しかし栃木守備陣のクリアボールが⑲皆川選手の元へ。これを落ち着いて蹴りこんでゴール。勝ち越し点を土壇場で奪います。ゴールパフォーマンス後の皆川選手の脚の攣り具合からもピッチレベルの暑さと消耗度を再確認させられます。
試合はこのまま仙台が何もさせず2-1で勝利しました。
まとめ
自分達がやりたいことを優先するあまり栃木の術中に嵌ってしまった仙台。最後のところでやらせないものの、いつゴールを許してもおかしくないくらい守備も攻撃も絶不調。後半に入り㉖加藤選手の投入により本来の連動した速さのある攻撃を繰り出します。その攻撃中に獲得したCKの流れから先制。その後も攻撃を続けつつ栃木の攻撃を耐えますがついに決壊。終盤だということもありこのまま終わりかと思われましたが、またもCKの流れから⑲皆川選手が蹴りこんで勝ち越し。勝利を手繰り寄せました。
個人的MVP:㉖加藤千尋選手&⑲皆川佑介選手
まずは加藤選手。今期は便利屋的な起用法によりなかなか自分の強みを生かせない場面が多いです。しかしこの試合ではゴールへの姿勢を見せ、㊿遠藤選手の動きに呼応したボールの呼び込みをみせ停滞しがちだった右サイドからの攻撃を復活させました。これにより栃木守備陣の集中がばらけたので他の選手のチャンスクリエイトを創出する原動力にもなりました。
次に皆川選手。ヒーローインタビューでは「やっと仙台の一員になれた。」との発現がありました。おそらく皆川選手の選手としての理想像はチームを勝たせるゴールを量産するFWなのでしょう。確かにFWとしてのゴールの少なさはストライカーとして考えさせれてしまいます。しかし我々サポーターは見ています。サボらずに相手DFにチェックしに行くところ、常にゴール前ではシュート出来るようにポジションを細かく調整し動き直しているところ、時にはつぶれ役に徹するところ…。フォアザチームを貫き与えれた指名をこれまで全うしてきたからこそ、ユアスタはあなたがヒーローとなるシナリオを作り、あのクリアボールがあなたの前に現れ、サポーターは歓喜し、チームメイトはあなたが脚が攣っているというのに大きな祝福をしたのです。これからもパッと見では伝わりにくいかもしれないあなたの頑張りを伝えられるように私も頑張ります。
以上、「仙台vs栃木」のてきとーレビューでした。劇的な展開だったのでその日は放心状態になっちゃいました。悪い展開でもすぐに修正して、魅力ある攻撃を遺憾なく発揮する試合が多くなってほしいですね。さて次は桃太郎シリーズ(?)のラスボスである千葉戦。ほぼ兄弟のフクアリでの開催ですがその前に天皇杯が水曜日に控えます。中2日でターンオーバーが予想されますが、その相手がHonda FC。ジャイキリ数日本一のチームが被ジャイキリ数1位タイのベガルタとの試合です。天皇杯は良いイメージがあまりないので心配するサポーターが大半でしょう。私もそうです。しかし今の仙台は誰が出ても良い状態なので選手・監督を信じましょう。試合は天皇杯で放送されず見れないのでてきとーレビューもお休み…といきたいところでしたが視聴できる環境なので頑張って「てきとー」にレビューします。お楽しみに。それでは、また。
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