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網代幸介|STORY|DAY 2
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A HAPPY TEA-PARTY
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ソーダは大きなおおかみに食べられてしまう夢をみました。それはそれは恐ろしい夢でした。ベットのシーツは汗でびっしょり。「ああ、夢でよかった・・・」しかし、それ以上の悪夢がふたたび頭をよぎりました。
空になったポテトチップスの袋を目にしてしまったからです。ソーダはダイエットの真っ最中でした。あれだけ、就寝前には食べてはいけないと誓いを立てたはずなのに・・・無意識のうちにそれを食べてしまっていたのです。その罪悪感といったらもうなんのその。おおかみの夢はあっというまにどこかへすっとんでしまいました。
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骨のジャックは、エルダーさんが注いでくれた紅茶をたいそう気にいりました。そして何杯もおかわりをしました。けれどいくら飲んでもみたされることはありませんでした。のんだつもりの紅茶は背骨をつたって流れおち、床のじゅうたんを真っ赤に染めました。それから樽のなかのワインみたいに部屋一面がひたひたになりました。
エルダー家では客人のカップを空にしてはならないという家訓がありましたから、おしゃべりの最中でもエルダーさんはカップの紅茶を切らすことはありませんでした。紅茶は滝のように窓から流れ落ちました。二人がようやく気がついた時には、エルダーの家は琥珀色の湖に上にぷかぷかと浮いていました。
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作品名|就寝前の魔のチップス
アクリル・板
制作年|2020年(新作)
作品サイズ|14cm ×21cm
額込みサイズ|25.7cm ×32cm
*マット部分は布張りになっています
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作品名|いくら飲んでも満たされない
アクリル・板
制作年|2020年(新作)
作品サイズ|14cm ×21cm
額込みサイズ|25.7cm ×32cm
*マット部分は布張りになっています
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