
網代幸介|STORY|DAY 4
★
|
A HAPPY TEA-PARTY
|
★
ソーダが住む国では、ロロと言う名の神さまの置物がだれの家でもひとつはあります。このロロとよばれる神さまのお話は、はるか昔までさかのぼります。
人々が国をつくりはじめたころのこと。人々は家をたくさんたてるひつようがありましたから、森から多くの木を切りたおし、はだかにしてしまいました。動物たちは森をおわれることになりました。ウサギは神さまにお願いをしました。「どうかもう一度森で暮らせるようにしてください。それから今までと同じ、優しい心をもちつづけられるように強い力をおあたえください。」
すると互いに寄り添っていた動物たちはどんどんひとつの大きなかたまりとなり、そして神さまに生まれ変わりました。それがロロです。人々は心がよわいですから、いつもケンカをしたり、ぬすみをはたらいたり、自分のことばかり考えたりします。するとロロが地の割れ目からあわられて人々をしかりつけるのです。
ロロはこの国に暮らすものたちに優しさと強い心を与えてくださる全能の神さまです。
*
「やったぞ!今日一番の大物だ!」ヘンリーは弓のようにしなった竿を握りしめ歓声をあげました。それは昼下がりのことでした。この時間は魚はほとんど釣れることはありませんでしたから、ソーダも他の釣り人たちも魚がかかったことをさぞ驚きました。
しかし、一人ご機嫌ななめなのはフィッシュヘッドでした。フィッシュヘッドは魚のカシラの妖精でしたから、彼女にとって同族を釣る行為などもってのほかでした。彼女はこのボートに乗ってしまったことをとても後悔していました。
「さあさあ、お嬢さん方、今夜は焼き魚がいいカシラ?それとも煮物がいいカシラ?」無神経なヘンリーの振る舞いに彼女は顔を真っ赤にして言いました。「こっちが先に煮物になってしまいそうだわ。」
*
|
*
|
*
作品名|ロロ
アクリル・板
制作年|2020年(新作)
作品サイズ|14cm ×21cm
額込みサイズ|25.7cm ×32cm
*マット部分は布張りになっています
*
作品名|フィッシング
アクリル・板
制作年|2020年(新作)
作品サイズ|14cm ×21cm
額込みサイズ|25.7cm ×32cm
*マット部分は布張りになっています
*