ヒルデガルトの小径|くるはらきみ|ヒルデガルトを辿って
中世の修道女ヒルデガルトは、あまりに偉大で、遠い存在のように思える。しかし、くるはらきみの、丁寧に紡がれた作品の一つ一つが、ヒルデガルトと私たちが、遥かな時間を超えて、創作と自然という悠久の糸でつながっていることを教えてくれる。
その存在の大きさに身をすくませる必要はない。一歩ずつ着実に、身近な場所から、ヒルデガルトを辿って。
作家が描き出したのは、自然の恵みをいっぱいに享受しながら、仕事に精を出すヒルデガルトたちの日常。湯気が立っているのは煮詰めた果実の鍋だろうか。