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物書きナレーターの朗読解釈「ごんぎつね(1)」第1回

自分のスタエフで青空文庫を朗読してみました。

堀井美香さんの本に感化された結果がこれです。
スマホ録音なので、リップノイズも生活音もペーパーノイズもあります。

noteで音源を出してもよかったのですが、いかんせんノイズ処理するのが面倒くさいっていうのが大きくて青空文庫系はスタエフでやろうと思っています。

実はこれにはもうひとつ理由があります。
それは「私の解釈でどう読むか」を文章でアウトプットしたかったからです。
朗読検定2級では、課題作品を読む際に必要な「表現計画案」を立てる問題があります。これは、実技課題に連動しているのですが、ものすごく分かりやすく言うと…「今から読む原稿メモを文章でプレゼンしろ」というものが出されます。(あぁコワイコワイ…)

朗読論は幾数多。「私はこうだけどこの人はこう」というのがよくあります。
なので「これが正解です!」と念押しする気はありません。
肩を抜いて「ふーん」という感じで読んでくだされば幸いです。

ということで「物書きナレーターの朗読解釈」、はじまりはじまり~!
今回は「ごんぎつね」を取り上げます。

「ごんぎつね」は、全六章構成となっています。
スタエフでは、章構成に合わせて朗読をしていく予定です。

では早速中身に入ります。

 これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。
 むかしは、私たちの村のちかくの、中山というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。

一番最初の部分。
ここで注目してほしいのが「これは、私が小さいときに~」の一文です。
地の文で「私」と出てきているので、ごんぎつねという物語はその集落で伝承されている噺というのが分かります。

地の文というのは、物語の登場人物が語り手として綴っているのもあれば、天の声的な誰か(それは十中八九作者本人なんですが…)が綴っているパターンもあります。
ごんぎつねの場合、「茂平さんから聞いたお話」という前置きから物語がスタートしています。つまりこれは「混じりっけのない集落の伝承話」ということが考えられます。
何らかの話題について知りたいとき、一番信頼できる情報はその当事者の話ですよね?話を聞けば聞くほどツボにハマるといいますか、当事者たちが持っている情報というのは、ググった結果に勝るくらい密度が濃いものです。

しかし、語っているのはあくまで「私」であり、茂平さんではありません。それどころか、文中に「伝承話」というワードは一個も出てきません。
何故その推論が成り立つのでしょうか?

答えは、次の文で「むかしは、私たちの村の近くに~」とあるから。
この文で「私」及び「茂平さん」が住んでいるのが、ごんぎつねで展開される舞台であることが示唆されます。読み進めてみると、その村は物語のキーパーソンである「兵十」がいるわけなのですが、それはまた次の機会に…

地の文を読む基本フォーマット

・人伝感(誰かからの情報が大前提。この場合は「茂平」)
・相手に語りかけるように(一方的に読まない。むしろ、聞き手に物語を教える感じにする)

…というところでしょうか。

本当は(1)全部いけるかなと思ったんですが、あまりにもボリュームがありすぎてどうにもならないので小出しで解説していければなぁと思います。
これ、何もネタにするものがなかったら書こう。そうしよう。

次回は、主人公・ごんの登場あたりを見ていきます。
お目汚し失礼しました。

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