ボイス化のゆくえに呆然。「第9回 シンデレラガール総選挙」速報講評
「アイドルマスター シンデレラガールズ」内の投票イベント「第9回 アイドルマスター シンデレラガール総選挙」の結果が発表されました。以下、当然ネタバレありのテキストになります。
シンデレラガール総選挙は毎年一回行なわれるもので、上位入賞したアイドルは総選挙記念CDへの参加が約束されます。この副賞はCD参加というところがポイントで、CDに参加してドラマや歌収録を行なうには当然声優さんが必要です。つまり、その時点で声がついていないアイドルは総選挙入賞の時点でボイス化が確定するため、シンデレラガール総選挙は「純然たる人気投票」と「新ボイス獲得戦争」というふたつの面がありました。
なので、声を獲得したアイドル、投票をしなくてもある程度活躍が見込まれるアイドルに関しては、少し票がほかに流れる傾向があります。もちろん、とっくに声がついていても、常に上位に居続ける高垣楓さんのような特殊ケースも、存在するのですが。
そして、この総選挙での得票数が、今後のコンテンツ展開の参考にされるであろうことは言うまでもありません。様々な目標とモチベーションを持ったプロデューサーたちによって、し烈な選挙戦が行なわれる大イベントが「シンデレラガール総選挙」なのです。
今年に関しては、「シンデレラガール総選挙」と併行して「ボイスアイドルオーディション」が行なわれました。担当に声をつけようという動きは「ボイスアイドルオーディション」に向かうため、今年の総選挙は少し人気投票的な色が強くなることが予想されていました。
投票結果の華やかの演出はゲーム内で見て頂くとして、まずは結果をテキストでまとめます。
第9回シンデレラガールズ総選挙
1位：北条加蓮 16926974票
2位：鷺沢文香 9951829票
3位：一ノ瀬志希 8425856票
4位：神谷奈緒 7158651票
5位：高垣楓 6808312票
6位：高森藍子 6751992票
7位：佐久間まゆ 6549846票
8位：新田美波 6262878票
9位：緒方智絵里 6126259票
10位：速水奏 5920697票
「第9回総選挙」に関してはやはり意外性の少ない、ある意味順当すぎるものになりました。個人的にもベスト10の顔ぶれが埋まっていく中で、あ、これ今年は加蓮だ（少なくとも2位は固い）と思いました。
少しだけ意外だったのは2位の鷺沢文香の躍進です。ここ数回の総選挙では10位以内をキープしていた鷺沢さんですが、2位はもちろん最高位です。これは個人的な感覚ですが、人気キャラクターに声がついていくにつれて、「担当アイドルに声をつけたい」という投票行動は少しずつ落ち着きを見せているように思います。
一方、鷺沢文香役のM・A・Oさんに関しては、「シンデレラガールズ」関連ライブ出演の機会があまりありません。自分の記憶にあるのは、2014年にお台場であった「We're the friends!」リリース記念イベントぐらいです。ですから、CDに参加して、その流れでなんとかM・A・Oさんにイベントやライブに参加してもらって、歌声やトークを聞きたい……という担当プロデューサーの想いの圧力は、毎年上がっているのではないでしょうか。
「シンデレラガールズ」の象徴たるニュージェネに関しては、みんな彼女たちが大好きで、ある程度上位にいてくれないと困る、と考える浮動票がとても多いのではないかと思います。なので今回は、そういった危機感を持つきっかけになる中間発表がないことも結果に影響を与えたのではないでしょうか。
▼
一方、個人的に衝撃的だったのが「ボイスアイドルオーディション」でした。こちらも簡単に結果のみ。
同時開催・ボイスアイドルオーディション（３人はボイス化決定）
第1位:辻野あかり
第2位:砂塚あきら
第3位:桐生つかさ
昨年「シンデレラガールズ」＆「デレステ」に追加されて話題となった7人のアイドルの内、声なしだった辻野あかりと砂塚あきらが、ある意味極めて順当に声を獲得しました。
では、何が衝撃だったかというと、個人的には「辻野あかりに投票しよう！」「砂塚あきらに声をつけよう！」という投票運動を、それほど頻繁には見かけなかったのです。個人的には浅利七海、松本紗理奈、桐生つかさといったアイドルが強いのではないかなと思っていましたし、僕自身はナターリアとのユニット、ソル・カマルが見たいという理由でライラさんに投票しました。
ところが結果は、新アイドルの辻野あかり・砂塚あきらによるワンツーフィニッシュでした。おそらく、自分の観測はどうしても古くからの濃いプロデューサーにリーチしがちで、「シンデレラガールズ」というドームクラスのメジャーコンテンツには、僕が思っている以上に広く新しい層のプロデューサーがちゃんといた、という証左ではないかと考えています。「たべるんごのうた」発の一連のムーブメントも大きかったでしょう。
「りあむに声がついたら次はあかりとあきらだよね」という自然な思考の流れ、そしてこれから一緒に歴史を作っていく、自分と一緒に歩むアイドルがほしい、という欲求を持つ人が予想以上に多かったのではないでしょうか。おそらく、今回「デレステ」が投票の場のひとつになったことも影響はあるでしょう。僕らの予想は従来の「シンデレラガールズ」での投票行動に基づいたものになりがちだからです。
それにしても、ボイスオーディションの4位以下、公開してくれないのでしょうか？ ライラさんと浅利七海にどれぐらい票が入ったのかだけでも、知りたいところなのですが。
【文：中里キリ】