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"F.lli Giacometti/フラテッリ ジャコメッティ"FG373 CHELSEA BOOTS 誰が為のクラシック


F .lli GIacometti


以前、
「どう履けばいいかわからないほどクラシックな靴」
も紹介したけれど、
「親しまれているけど、実は超クラシックな靴」

も入っております。

オーソドックスなスタイルのチェルシーブーツ、サイドゴアブーツの方が通りはいいか。

サイドゴアブーツはそもそもは英国発祥。
1830年代中盤にイギリス・ロンドンの靴屋が、当時即位したばかりのヴィクトリア女王のために、脱ぎ履きが容易でフィット感の得やすいブーツを作るべく採り入れたのが始まり。
ヴィクトリア女王の夫であるアルバート公が、イギリス議会で用いたことからアルバートブーツとも呼ばれる。

その後、乗馬の際にも履かれたりしながら普及していき、60年代ごろには、ヴィヴィアン・ウェストウッドやセックス・ピストルズ、さらにはビートルズに愛用され、ロンドンはチェルシー地区を中心にカルチャーに乗って一般的になった。

議会の作りに英国式を参照している日本でも、内閣の組閣時なんかに燕尾服に合わせて履かれていたりします。

そんなこんなで、そもそもはめちゃんこにクラシック。
そんなところに敬意を表してか、敵意を込めてか、はたまた履きやすさと、一足でどんな席にも行けてしまう気軽さを評価されてか、大勢に中指を立てるヒップなカルチャー側の解釈もできる。


どちらかと言うと後者側のマインドの持ち主ではありますが、ファッションとしてはその両方に敬意を払いたい自分、そしてクラシックもカジュアルな遊びやモードもなんでも取り入れたいkirettoにはぴったりな一足。

そのため、靴屋がやるような普遍的すぎる一足ながら、オーダーしてみた。




ラストは、今は亡き名門ブランドである、タニノクリスチーの職人を抱えるジャコメッティの工房だからこそできる"TANINO"

少しスクエア気味のトゥと高目のヒールがエレガントで美しい。



引っ張って履けるプルストラップが完全に内側に収納されるのもジャコメッティの美学を感じる。



1枚の革に折り目をつけ、整形して行く細やかで精度の高い仕事をしてこそ成立する一足です。
サイドゴア、チェルシーブーツはいろんな形がいろんなブランドからリリースされていますが、ジャコメッティの、この木型のチェルシーが艶っぽさでは一等賞だと思っています。



オーソドックスだからこそ、より洗練された一足を求めたくなります。
チェルシーブーツを履いたことがない人も、手持ちのブーツをアップデートしたい人にも自信を持っておすすめできる一足。

F .lli GIacometti




菊池健斗



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