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"SADE(シャーデー)" - PT-01/PT-06 22AW- 特別で日常


SADE

SADEから、毎シーズン話題に上がるパンツ。
ブランドの存在を印象づけた2本だし、
これからもブランドを代表するプロダクトとしてしばらくの間定番になってくれそうな2本。
ついでに言うなら、もう1本ずつしか残ってない2本

PT-01


PT-01はSADEの始まりのパンツ。
1stシーズンにセットアップの組下としてデビューした。
フランスのヴィンテージビスポークスラックスからディティールを拝借した1本だが、こんな強烈なディティールでオーダーしたのはどんな紳士なんだろうか。
おそらくは、日常着としてではなく特別な日のためのものだったんじゃないかと妄想してしまう。そうでなくても、その人のための特別な1本だったはずだ。
ただ、誰かにとって特別だったであろうソレを、日常着として履くことを提案をするSADEの目線は鋭くて、セミフレアの裾が長いところも、ウェスマンの太い特異なディティールにサイドアジャスターもみんなもう違和感なく履いてくれている。


初めは違和感があるかもしれないけれど、慣れるとサイドアジャスターでぎゅっと絞って自然にウェスト位置が上にきて、すらっと足が長く見えるセミフレアのトラウザーズは想像以上に毎日手に取ってしまう。

鮮烈な印象が、慣れも相まって日常に溶け込んでいく過程にも面白さがある。


PT-06は、逆に日常的なものに特別な要素を掛け合わせた一本。

サイドスナップのジャージは、バスケットボール用のウォームアップパンツに由来している。
裾幅の広いバスケ用の短パンと厚みのあるバスケットシューズの上からはいて、ベンチから出場する際にクイックに脱ぐことができる機能性。

バスケ用かどうかはさておいて、ジャージは部屋着としても日常的にはくし、ファッションとしてもだいぶ浸透した。
中学生の頃にバスケ部(ずっとベンチ)だった僕からすると、スナップのディティールも親しみがあって、古着で買ったアディダスのバスケジャージをよく街着としてはいていたのも思い出す。

スーツに用いるような、雑に扱いづらい(本当はそんなこともないけれど)生地を用いてサイドスナップジャージを作るSADE
ジャケットと合わせて、少し砕けたスーツとしても着られる。

もちろん、普段のシャツやジャケットに合わせても、カジュアルなのかドレスなのか曖昧な一本は、かっちりしたものに合わせればドレスダウンに、古着なんかに合わせればドレスアップとして見える。

日常的なものから、少し特別なものになる一本。




SADEというブランド。
コンセプトは
「正道なものを邪道に、邪道なものを正道に」
「STRANGE/CLASSIC」

この2本がこのブランドを代表する作品になっているのは、
ブランドのメッセージを体現しているからではないだろうか。

SADE



菊池健斗



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