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"F.lli Giacometti(フラテッリジャコメッティ)" -FG276 QUILT STRAP LOAFER-大好きな靴がきました
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とっても好い靴が入荷しました。
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ロングウィング、フルブローグのメダリオンにキルトとストラップがついたこの靴は、英国のクラブシューズに由来するとされるクラシックな一足。
本来ならばゴルフの様相に合わせるクラシックでカントリーな一足ですが、セミスクエアのトゥに2.5cmの高いヒール、美しいブラックのカーフはドレッシーさに加えてモードな印象すら覚えます。
バックルに革巻きがしてあるところや、タンに微妙な癖づけがしてあるところなんかはジャコメッティらしい丁寧な仕事で好感がもてる。
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偶然にもMIUMIUの25SSコレクションでフィーチャーされていたChurch'sの"Shanghi"と似たモデル。
1929年、上海が英国の半植民地時代だった当時、発売されていたモデルらしい。当時新品で買われ、履き込まれた後にチャーチの工場に修理に持ち込まれ、その履きこまれた風合いを気に入ったチャーチが、ダメージ加工を施してリリースしたのが"Shanghi"らしい。
当時はイタリアのピッティでも大流行してかなり憧れの的だったそうな。
ちなみにそちらはコンビカラーのもの。
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この靴を私は某T社のフランス靴として見たことがあり、認識していたけど、深掘りしていくといろんなバックボーンがある靴だということがわかりました。
ちなみにGiacomettiではフランス木型の"TANINO"を用いているから僕の認識と近いかもしれない。
ただ、ルーツも濃く辿ってきた道も紆余曲折なこの靴が今自分の手元にあること自体がとても面白く感じる靴でもある。
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エレガントでドレッシーでモードでクラシックな靴です。
英国生まれのスタイルに上海を挟んで、フランチメゾンの木型で、イタリアで丁寧に製作されて日本に渡った靴。
この靴がもはやどこに所属するべき靴なのかはわかりませんが、だからこそどんなスタイルにも合わせられる余地がある、そんなところが好きな靴。
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クラシカルなコーデュロイパンツを模して作った極太のコーデュロイパンツに合わせてみると、なんともクラシックなのかモダンなのか捉え所がないけれど落ち着いて見えますね。
なんだ、お前日本の舗装された道路にも十分合いそうな靴じゃん。
それどころかぴったりな靴…?
いや、芝生の上でも雰囲気ありそうだし、ヒールが高いからちょっと砂利道でも汚れづらいかも…
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そんなこんなで私はタンと色違いで持つほど好きな靴です。