仕事の貴賎
いわゆる水商売というモノはかなり歴史があるらしい。
水商売といっても広義に亘るものだから、対面でお酒の相手をするだけの間接的な類から、男女の行為の相手をする直接的なものまである。
ほぼベースにあるのは本能を満たすためのモノであることか。
よく穢らわしいという観念で捉えられるものでもあって、時代の流れからして昔よりはかなり市民権を得たとはいえ日陰に位置するものでもある。
そうそうしょっちゅうではないが、自身もお世話になったこともあり、安くない授業料を払いながら、表に出ない「世の中の真実」の一片を垣間見てきたものだ。
そういう世界で働く人には何某か理由があることが大半で、中には好きで勤める人もいるかもしれないが、純粋に生きるための手段にしている気がする。
そういう意味では、会社勤めとマインドは変わらない。
気を遣って、言いたくもないお世辞を口にするのも全く同じである。
だから、その世界の住民を見下すことはない。というよりも見下す意味が分からないのだ。
職業に貴賎があるとするなら、この世界の仕事が賤しいのではない。
人の汗水流して稼いだカネをピンハネする方がよほど賤しい。
だからわざわざ胸は張らなくていいけど、卑下はしないでほしい。
人を喜ばせる仕事であることに変わりはないのだから。