親友とのSMバー ① 誘い
仁絵からの久々の連絡をもらって、私は浮かれていました。
中学〜高校時代、何度もカラオケに行ったり、一緒に勉強したり…
お互いの恋愛の相談、辛いことも楽しいこともいつも一緒。
あの頃は幸せだったと思う。
他県の別々の大学に通って疎遠になって、お互い就職して…
会うのは4年振りくらいになるだろうか。
友達を作るのが苦手な私にとって、仁絵の様な親友ができたのは奇跡に近い。
でも…疎遠になった今は、電話でもろくに本心を話せてない気がする。
そんな中で久々に仁絵から「会おう」と連絡をもらって。
私はあの頃みたいに笑えるだろうか😌
心を躍らせながらお店に向かっていました。
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LINEに書いてあった住所に着くと、そこは一部の界隈では有名なSMバーだということでした。
たまにストリップショーとかもやっていて、女性客も多いのだとか。
仁絵はそのお店の常連でした。
私(久々に会えるのに、なぜこんなお店で待ち合わせなのだろう?…)
少し疑問に思ったものの、今の私にとって仁絵と会えることが何より嬉しくて、何の迷いもなくお店のドアを開けて中に入ります。
……
わぁ、、、
私(すごい…)
店内に入った私の目にまず飛び込んできた光景。
それは…
ステージの上で縛られた、黒髪の女性の姿。
顔はマスクで見えないけど、目はトロンとしていて、スタッフの女性に身体を預けるその様子は、日常の不安なんて全て些細なことだと思えるほど衝撃的でした。
受付を済ませて、会員規約に目を通します。
このバーは会員制。紹介でないと入れない。
仁絵からもらった紹介状を手渡し、登録を終えます。
私の「ランク」は「D」
優良客として認められれば、ランクが上がっていくらしい。
目に入ったのは、とある規約。
•当店では、ゲストとキャストの境界線を設定せず、だれでもゲストであり誰でもキャストである。
•ここで知り得た他キャストやゲストの個人情報の流布など、悪質な違反があった場合罰則があります
•「くじ引き」により、特定の状況下で選ばれたゲストは「キャスト」に昇格できるチャンスがあります。
ランクが下がる場合もあって、その場合は罰則?もあるとの事。
早速、クジ?を一枚引くように促されます。
何に使うんだろう…
案内された席に着き、再びステージの方に視線を向けます。
華麗なショーに見惚れていると、ふいに誰かに肩を叩かれます。
仁絵「真琴ちゃん?久しぶり!」
振り向くと、、
学生時代の頃と変わらない、無邪気な笑顔を私に見せてくれる親友の姿でした。
仁絵「ごめんね、真琴。急に呼び出して。来てくれて嬉しいよ(*´꒳`*)」
私「うん、私も。その笑顔、変わってないね!」
私「せっかくの再会なのに、なんでこんなお店なの?笑」
仁絵「……私、このお店の雰囲気、好きなんだよね。嫌なことも全部忘れられる。」
仁絵「真琴にも味わってほしくて。最近特に元気ないでしょ? 会ってなくてもわかるよ。」
たまに電話で会話するだけの関係になって4年。
最近はまともに悩みを打ち明けたこともないはずなのに…
(私が悩んでいたこと、わかってくれてたのかな…)
私「確かにこういうお店って初めてだし、何だか新鮮で楽しいよ。」
作り笑顔だったかもしれないけど、仁絵の笑顔に精一杯応えようとして、今の私にできる表情を向けてお礼を伝えます。
仁絵「今日は私が奢るから。何飲む?」
私「じゃあ…カシスオレンジで🍹」
仁絵「真琴とお酒飲むの初めてだね!」
そんな会話をしながらショーを眺めます。
気付いたら先ほどの女性は縄を解かれていて、服を着てステージから降りていくところでした。
ステージの女性「次は女王様による鞭の調教ショーになります」
私「わぁ、、鞭だって。すごいね。」
仁絵「うん。呼ばれたから行くね。ゆっくり見ててね」
……えっ?
呼ばれたから?
先にステージに立っている女王様?の方へ向かって歩いていったのは、まさかの私の親友である仁絵でした。
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