【歌詞和訳】A Whiter Shade of Pale/Procol Harum

天界より愛を込めて。こんにちは。きらすけです。
今回はプロコル・ハルムの「A Whiter Shade of Pale(青い影)」を自分なりに訳してみました。

オルガンの柔らかな音色が特徴的な優しい雰囲気の曲です。クラシックっぽい和音も感じさせつつ、叙情的な詞や綺麗なメロディーで聞きやすく仕上がっています。歌手の荒井由実さんが大きく影響を受けた曲としても有名で、コラボした演奏もあります。
歌詞は結構難解で書いた本人もよくわかってないとか言う噂もありますが、できる限りストーリー的なのが伝わるように訳しました。結構向こうの文化的な部分も多いのですが、僕の拙い知識でわかる範囲で解説をつけてあります。

↓↓↓以下動画↓↓↓

↓↓↓以下和訳↓↓↓

A Whiter shade of pale(青ざめた影のさす)

We skip the light fandango
(僕たちは楽しくファンダンゴを踊っていた)
Turns cartwheels 'cross the floor
(どたばたと床を転げ回って)

I was feeling kind of seasick
(船酔いみたいに気持ち悪くなった)

The crowd called out for more
(皆がもっともっと、と囃し立て)

The room was humming harder
(部屋はいっそう騒がしくなっていった)

As the ceiling flew away
(天井なんか抜けちゃうんじゃないかってくらいさ)

When we called out for another drink
(もう一杯、と思って呼んだ時)

The waiter brought a tray
(ちょうどウェイターがトレイを持ってきた)


And so it was that later
(それはその直後のことだった)

As the miller told his tale
(カンタベリーへ巡礼に向かう粉屋の話をした途端)

That her face at first just ghostly
(彼女の顔には幽霊のように)

Turned a whiter shade of pale
(あっという間に青白い影がさした)



She said, "There is no reason
(彼女は言う、「理由なんて無いのよ)

And the truth is plain to see."
(真実は見ての通りよ」と)

That I wandered through my playing cards
(僕はどうしていいのやらわからなかった)
Would not let her be
(とにかく、彼女にそうはさせたくなかった)
One of sixteen vestal virgins Who were leaving for the coast
(彼女はまるで沖に流されたヴェスタの巫女の、新しい1人みたいだ)

And although my eyes were open
(僕は目を開いていたけれど)

They might just as well've been closed
(何も見えてなかったも同然だった)


And so it was later
(そう、あれはその直後のことだった)

As the miller told his tale
(粉屋の下賎な話を聞いて)

That her face at first just ghostly
(彼女の顔はあっという間に)
Turned a whiter shade of pale
(幽霊のような青白い影に覆われてしまったんだ)

邦題は基本「青い影」となっていますが、有名な話の通りこれでは完全な訳とは言えないので、今回は「青ざめた影のさす」という余韻を残す題にしてみました。
ファンダンゴはクイーンのボヘミアン・ラプソディの和訳にも出てきた(といいつつよく見ると言及してなかった)フラメンコ的なノリノリのダンスミュージックの1種です。
なんとなく場面設定的に船で行われている馬鹿騒ぎのパーティとそこで踊っている2人、みたいな感じですね。実際どういうことなの?というのはよく分からんのでその辺は詳しい人に聞いてください。
As the miller…のところは他の方の訳でも出ていたようにカンタベリー物語の一部から取られているようです。(カンタベリー物語と粉屋の話についてはこちらをどうぞ:カンタベリー物語(Wikipedia)ざっくり言うと、巡礼に向かう中でたまたま出会った人が話しているという設定の中で、粉屋の人が不倫の話をしているという話です) どうやらそこから察するに、この2人は女性の浮気をめぐって気まずい状態になっているようです。
Vestal virgins、ヴェスタの巫女は古代ローマにいた巫女さん(及びそれをモチーフとしたオペラ)のことです。これもまた詳しいことはこちらを:ヴェスタの処女(Wikipedia)こちらも大雑把に説明すると、神聖な職業とされているこの巫女さんが罪を犯して罰を受けている様子を浮気してしまった女性と重ねている表現のようです。ただ、Wikipedia及びほかの文献も色々調べましたが、「沖に流された」及び「16」という記述はよく分かりませんでした。(この巫女たちに与えられる罰と言えば生き埋め、という事実はあったようなのですが…)なので、作詞者の記憶違いなどではないかと思います。
また、この「16」については、インターネット上の和訳では人数だとか、いやいや年齢だとか様々な意見が飛び交っています。僕もありったけの文法の知識をフル活用して考えてみましたが、どうにもどっちにも取れそう(どっちかというなら人数か?しかしOne of(数字)(物)という表現はあまり聞かない)ということで言葉を濁しました。伝わればいいのです。大暴論。
少なくとも確実にわかる、Who were leaving…より流されているのは複数人いること、この場で言及されているのは彼女(浮気したらしい女性)であること、ヴェスタの巫女の性質などからこの訳にしました。難しかったです。

曲調の割に歌詞ではけっこう大変なことが起こってます。早く仲直りできるといいですね。

というわけでプロコル・ハルム「A Whiter Shade of Pale」の訳でした。おそまつさまでした。

【2024/04/01追記】
コメントにて「Turns cartwheels 'cross the floor」部分の英語歌詞の転記が間違っているとのご指摘を頂いたので修正しました。また、それに伴い和訳歌詞も少し修正しました。
ご指摘ありがとうございました。

【2024/06/02追記】
「I was feeling kind of seasick」の部分の訳について、より的確なものに修正しました。



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