ポケモンカードバブルが崩壊しない理由と、ポケモンカードの今後の将来性について
どうもきありもです。
僕は、ポケモンカードの転売はせず、ほそぼそと趣味でポケモンカードを10年ほど集めており、デッキを組んでプレーもしています。
(大会に出るレベルではなく、趣味程度に遊ぶ程度です。好きなカードはウッウロボです)
そんな中、ここ2年ほど、ポケモンカードがこれまで見たことないように高騰しています。中にはポケモンカードバブルだ、というお話もちらほら聞こえてくるようになりました。
たしかに、たかだか数十円のカードが今や数百万円もするさまをみると、あたかも、昔発生した不動産バブルのような印象を受けるかもしれません。
また、高額資産を保有する人を見せ、妬みや僻みを含む言葉を投げかけたくなるかもしれません。
実際、「将来的に価値が下がる」という可能性は当然否定しませんし、そのように考えるに至る思考自体も尊重いたします。
ただ、ポケモンカードが「バブル」であるという点については少し疑問が残ります。
もし、ポケモンカードの値段はバブルで高騰しているだけだ、いつか崩壊して紙屑のようになる、と思っているのであればぜひこのNoteを一度読んでもらいたいと思っています。
そのうえで、ポケモンカードに興味を持っていただけるのであれば、ぜひ一度対戦してください。(友達が少ないので。。。)
少し助長になりましたが、ポケモンカードが、いわゆる「バブル」と異なる理由について、つらつらと書かせていただければと思います。
『バブル』って何?
そもそも、バブルってなんなのでしょうか?
いろんな人がバブルという言葉を使っています。また、この言葉は日本だけではなく海外でもよく「バブル」という言葉を使います。
ただ、実は正確な定義がつけられた言葉ではありません。
非常に不正確な言葉であって、たとえば「基本的価値から乖離している状態」と表現するかたもいます。
このNoteでは一般的なバブルのイメージに近い定義である「のちに崩壊する、大幅な価格上昇の動き」をバブルの定義として説明をしていこうと思います。
定義に従えば、今のポケモンカードの状態は『バブル』ではない。
先の定義に従うと、実はポケモンカードの今の高騰はバブルではなくなってしまいます。
なぜなら、現時点において、リーリエをはじめとするTOPレアの相場は依然として高騰を続けているからです。
一方、最近でいうとクレイバーストに封入されていたナンジャモのSARが当初は30万円の値段をつけていたものが、現時点では10数万円まで値下がりしているというものもあります。しかし、ナンジャモSARの値下がりはあくまでも、価格が安定していない最初期において高額に設定されていたカードが売れていたにすぎず、「のちに崩壊する大幅な価格上昇の動き」は存在していません。
それゆえ、ナンジャモSARについては単に、初期の混沌化における価格設定の誤差と評価すべきであり、当該価格変動がバブル変動として評価すべきでないということは定義から明らかだと思います。
定義が間違っているのではないか?
こんなことを書くとよく言われるのが「定義が間違っている」「やはりバブルの定義は実価格との乖離なんだ」といわれる方がいらっしゃいます。
正直その通りだと思います。バブルという言葉自体普遍的な意味を持つものではなく、個人の視点によって大きく意味を変えるものであり、バブルの定義というのは常に見直されるべきだと思います。
ただ、一言申し添えるのであれば、「実価格との乖離」というのは結果論であって、事象を正しく表現しきれていないのではないかということです。
実価格とは何なのか、カードの価格自体は10数円なのでそれが実価格なのか、いつの時点の価格が実価格なのか。
例えば、上記の定義に従えばナンジャモSARが30万円で売れた時点では、30万円が市場価格となり、実価格との乖離が0になります。
もちろん、1か月後の価格を参考にするなどの反論がありえますが、その定義であっても結果からでしか、バブルという事象を分析することができず、結果として、価格下落が起こっていない現在において「バブル」かどうかを判断するのは個人的な主観に依拠してしまうことになります。
以上、バブルという言葉は非常に多義的で定義づけが難しい言葉です。
それゆえ、冒頭で一般的なバブルのイメージに近いバブルという定義づけを行わせていただきました。すこし、議論が横にずれましたが、現時点で価格の大幅な下落が発生していないポケモンカードについてはバブルと表現するのは時期尚早ではないかと考えています。
それでは、いつかポケモンカードに価格崩壊(バブル)はくるのか?
と、ここまで、つらつらとポケモンカードの現状は「バブル」ではないと書いてきましたが、「少し屁理屈っぽくない?」「結局価格崩壊するかしないか、わからない」「でも、価格崩壊したらバブルなんでしょ?」と思われた方が多いのかなと思います。
まったくその通りだと思います。
なので、ここからは過去に発生したバブルとポケモンカードの状況を比較し、価格崩壊が起こりにくい状況であることを説明させていただければと思います。
価格崩壊はいつ発生するのか
過去に発生した日本のバブル、ITバブルだけではなく、最近は中国でも株式市場でのバブル崩壊など様々なバブルが発生しています。
そんな中、バブルはいつ発生するのか、ということを聞いた場合、正確にお答えすることは正直できません。
ただ、バブルが発生するためには少なくとも次の要因が必要であると考えています。
①市場性(対象となる物の取引が自由に行えるかどうか)
②貨幣・信用の総量(ユーザー数、信用取引(いわゆる借金の可否)、関与ユーザーの総資産)
③投機目的(販売益を目的とする強さ)
④政府・技術的要因
これだけ見ても、ピンとこないと思いますので、この要素が存在するとなぜ最終的に大幅な価格下落を伴うバブルが成立するのか説明します。
価格の上昇が発生した一番の原因はメルカリ
まず、ポケモンカードの価格を語るにあたってメルカリというサイトは避けて通れないと考えています。
ポケモンカードの歴史を紐解くと、これまで、ヤフオクやカードショップでの買取などを経由して一般ユーザーはポケモンカードを現金に換えてきました。
ただ、カードショップの買い取り額は一概にショップでの販売価格よりもかなり低く、特に傷などについてもカードショップの一存で大きく値下げされる場合などポケモンカードユーザーにとって心地の良いものではありませんでした。
(営利目的で運営している以上カードショップとして必要な対応であることには間違いありませんし、イベントなどを開催してユーザーのすそ野を広げるカードショップの存在を否定しているわけではありません。ただ、メルカリができるまで、カードの買取においてカードショップが優位に立っていたという事実はあったと思います)。
しかし、メルカリの登場によって、状況が大きく変わります。
それは、個人間でのポケモンカードの売買が可能となったという点です。
これは何を意味するかというと、「容易に買い手」が見つけやすくなったということです。
カードショップのみがカードを購入できる場であるとすると、基本的にカードの価格はカードショップが決定できるものになります。
ただ、カードショップよりも若干安く、ただカードショップの買取価格よりも高い金額でポケモンカードを自由に売れる場が作られれば、それにともないポケモンカードの個人間の取引は活発になります。
加えて、ポケモンカードは一定期間が経過すると生産が中止されることになりますので、買い占めが発生したり、人気のカードの供給不足などが発生するなどした結果、需要が高まりポケモンカードの価格が状況することになります。
投機目的のユーザーの増加
加えて、投機目的(売却目的のみを目的としてポケモンカード購入を行うこと)のユーザーが増えたことも価格上昇の要因としてあげることができます。
現在もですが、ネットでのポケモンカード転売で一定の利益をあげるユーザーが存在しており、そのユーザーをまねて自分も利益を上げようと関g萎えるユーザーがここ数年実際に増えていると実感します。
それは新弾発売前のヨドバシカメラの並び状況、ポケモンオンラインストアにおける抽選販売の当たりにくさ等を見ても明らかかなと思います。
投機目的のユーザーが増える結果、何が発生するのか。
高値のカードが売れやすくなる、という事象が発生します。
先述のとおり、ポケモンカードを問わず投資・投機界隈に新規に参入するユーザーはカードの価値を判断する能力が乏しく、多少の高値、多少の傷があっても投資・投機対象の物を購入する傾向にあります。(しかも結構な資金を持っている)
それゆえ、カードの売買がカードの売買を呼び、よりカードの値段があがっていくという事象が発生します。
以上、ポケモンカード市場に参入するユーザーが増加し、その中に一定数転売を目的とするユーザーが存在する結果、市場での資金総量が増加し、カード価格の上昇につながることになります。
なぜポケモンカードの価格下落が発生しにくいといえるのか。
過去、多くのバブルに共通する点があります。
それは、”国の政策”または”信用取引”が大きく関係している点です。
たとえば、日本の80年代90年代バブルでは、日本政府がそれまでの経済施策の方針を大きく転換した結果、土地や建物の取引は停滞することになり、売り手ばかりがいて値下がりするー方になりました。
一方、当時の日本では、多くの方(個人だけではなく企業も)がキャッシュではなく、ローンを組んで土地や建物の不動産を購入していました。
つまり、多くの方が借金を返すために早急に不動産を売却する必要があり、少しでも損をしないために不動産を売り急ぐという状況が発生したのです。
結果、ひどい買い手市場になり、不動産の価格が大きく下落し、それにともない個人の破産、企業の倒産が相次ぎ、結果、経済状況が著しく悪くった、というのが日本のバブルの簡単な説明です(必要であれば別に説明します)
また、最近よくある株式市場における暴騰後の暴落も、必ずしも国の政策が関与しているわけではありませんが似たような事例があります。
たとえば、最近の株価暴落で有名な銘柄として、アースインフィニティがあります。こちらの銘柄も信用取引(信用買い残)がかなり増えた後、株価が急落し、結果的に、信用買いの方が売り急ごうとした結果、株価が7割ほど下落するという結果になりました。
ポケモンカードと信用取引について
では、ポケモンカードについて少し見てみましょう。
全ユーザーの中でポケモンカードを購入するために借金をするユーザーはどの程度いるでしょうか?
おそらく、ほとんどいないかと思います。
理由として①ポケモンカードはただの趣味にすぎない②信用取引(レバレッジ)が存在していないということが考えられます。
また、ポケモンカードはこれまで生産中止後に再販されることはなく、希少性が棄損される可能性も非常に低いものになります。
それゆえ、ポケモンカードの価格は、ほかのバブルの事案のように価格下落に伴う売り急ぎという事象が発生する要素がほとんどなく、短期間で崩落するような価格破壊が起こりにくい環境が存在している都営ます。
※繰り返し申しておりますが、新弾発売直後のカード価格はバブルの対象外です。
以上からポケモンカードの価格下落は非常に発生しにくい状況であると考えています。
ポケモンカードはいつ下落するのか?
ポケモンカードは安泰か?
ポケモンカードの価格下落が起こる要素が低いとしても、これは、ポケモンカードの価格が維持され続けるというわけではありません。
ポケモンの人気がどこまで続くか
現在のポケモンカードの価格はリーリエ人気等を筆頭としたSM(サンムーン)・BW(ブラックホワイト)世代(現在30代)の資金に支えられていると考えています。
しかし、30代の方々はこれから結婚するなどポケカ市場への資金の流入が比較的少なくなっていくと考えます。
それゆえ、次世代のポケカファン(ソードシールド、ヴァイオレットスカーレット)世代がどこまでポケカ市場に資金を入れるかどうかによって今後のカード価格が変わってくるのではないかなと思います。
(ただ、TOPレア自体の価格はコレクター人気から下がらないのではないかなと思います)
国による規制の可能性
また、個人的に少し気になっているのが、ポケカのオリパに対する規制です。
ツイッター界隈をみますと、個人またはカードショップによるオリパ詐欺等が不定期に発生しています。
オリパ自体は現在の刑法上の賭博罪に該当しないと考えておりますが、市場が大きくなるにつれて景表法の適用の厳格化等、国による施策・方針の転換が入りオリパが規制される可能性は少なくないと思います。
個人的な見解にはなりますが、オリパはカード価格の上昇の一端をになっているのではないかなと考えています。
その理由としてオリパの利益率を上げるためにはカード買取時点よりもオリパ販売時点でのカードの価格を上昇させておく必要があるためです。
それゆえ、カードショップとしてはカード価格を維持または上昇させるインセンティブが働きます。
一方、市場におけるカードの価格との乖離が発生してしまうと、それはそれでカードショップの運営上、適切ではないため、カードショップとしても頭を悩ますポイントなのではないかなと思います。
まとめ
以上、ポケモンカードの価格が崩壊しない理由をつらつらと書きました。
このNoteの目的は、ポケモンカードへの投機をあおるものではなく、ただ、ポケモンカードに興味を持っている人がいて、ポケカバブルという言葉が怖くてポケモンカード購入をためらっている人を後押しするためのものです。
できたら、ポケカを購入していただき、仲良くなった人と対戦出来れば、この記事の誉れだなぁと思いました。
ご質問やコメント等ありましたらいつでもいただければと思います。
最後に
今見ると、「ポケモンカードバブルが崩壊しない」というタイトルはこのNoteで定義付けたバブルとは合わない定義を使ってしまっているなぁと思いました。その点はご容赦ください。
また、こういう話を書いてほしい、というリクエストや乾燥いただけると大変よろこびます。
これからもよろしくお願いします。
参考文献:バブルの歴史