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宅配便日記003-2 VS駐禁監視員

 みなさんこんにちは、DJメアリです。

 というわけで、宅配便日記003の後半をお送りします。

 くっそ~!!

 あのババアにやられたと、タナカさんは、フロントガラスに貼られた駐禁キップを見たときそう思い、怒りが込み上げて来ました。

 そのときの配達先は、野球好きで、大の巨人ファンのお客さんのところでした。

 タナカさんも野球好きで、関西出身の大の阪神ファンなので、そこへ配達に行くたびに、野球関連のことが話題になります。

 そして、その日は、前日の試合が伝統の阪神巨人戦だったので、つい盛り上がって話し込んでしまい、といっても、四、五分だったそうなんですが、トラックに戻ってみると、フロントガラスに駐禁キップが貼られていたという訳なんです。

 配達に行く前に、しっかり周りを見回して、パトロール員が来ていないことを確認したそうなので、二、三分でキップを切ったことになり、そんな早業キップ切りは、あのおばさんパトロール員しかいないんです。

 タナカさんは、駐禁キップを剥がしながら、「違反金を払うしかないんだよな~」と、やり場のない怒りを抑えるしかありませんでした。

 とはいえ、そのやり場のない怒りのもう一つの原因は、駐車違反によって一点減点される上に、罰金は自腹だからなんです。

 トラックを停めて、荷物を配達しなければいけないのに、罰金自腹!?
なんか割り切れませんよね。

 でも、これが宅配業界の実態なんです。

 可哀想ですね~、お気の毒ですね~、他人事ですね~…いや、つい本音が…いやいや、失礼しました。

 話を戻しましょう。

 何故、おばさんパトロール員は、電光石火の早業でキップを切るのでしょうか?

 いつも逢うと挨拶を交わす、おじさんパトロール員がいるんですが、その方にそれとなく聞いてみたところ、おばさんパトロール員の夫のトラックドライバーが浮気をして、おばさんが、その相手の家に押し掛け、髪の毛を掴んで土下座させたらしいんです。

 それを見ていた夫は、妻のことが怖くなり、家を出て行ってしまいました。

 でも、土下座までさせられた相手の女性は、すっかり気持ちが冷めてしまい、おばさんの夫を、二度と家には入れなかったそうです。

 それを聞いたおばさんパトロール員が、手を叩いて大喜びしたのは、間違いないでしょう。

 そして、その延長線上に、トラックを目の敵にして、早業キップ切りを繰り返しているのかどうかは、おじさんパトロール員もわからないと言っていました。

 ですが、少なからず影響しているのは、確かだと思います。

 まぁ、そんなこんなで、まだやり場のない怒りが冷めきらないタナカさんを始め、全国の宅配便スタッフたちは、駐禁パトロール員を警戒しながら、お客様の笑顔に逢えるのを楽しみに、今日も元気に街中を走り回っています。

 なるほど~!

 私も、宅配便スタッフだったころ、毎日、そんなスリリングなバトルをやっていましたね~。

 って、助手だから、バトルなんてしてませんでしたね~。

 というわけで、お別れに、メアリからあなたへ歌をお届けします。

 近ごろ巷で噂のシンガーが歌います。

 では、たっぷり聴いてくださいね~、バイバ~イ!


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