COSMOMiRROR[コズモミラー]地球征服決行前夜 002／映像脚本

○地球の大気圏外
　　　ワタルが浮かんでいる。
ワタル「クソ！　なんだ、この大気圏てヤツは！　生身で行ったら燃えちま
　うのか！　あ～クソ！　出直すしかないか！」
　　　空中で掌を広げ、コズモミラー(ＣＳＭ)を出す。
ワタル「(地球を見下ろし)アイル・ビー・バック！」
　　　そう言って、コズモミラーの中へ消える。

○ワタルの部屋・内
　　　ベッドに寝ているワタルが目を開け、上半身を起こす。
ワタル「なんだ、今のは夢か!?　まさか、トウルがオレの夢までコントロー
　ルしてるのか？　ていうことは、オレの脳にまで入り込んで来たってこと
　なのか!?　クソ！」
　　　と叫び、ベッドから出て、コズモミラーを出す。
ワタル「トウル、起きろ！　トウル！」
トウル「(ＣＳＭの中に現れ)なんだ？　今、何時だ？」
ワタル「まだ夜中だ」
トウル「あ～！？　(上半身を起こす)」
ワタル「え？　ベッドの中か？」
トウル「当たり前だ！　夜中だろ！」
ワタル「ベッドの中で、寝たままコズモミラーを出せるのか？」
トウル「そっちか！　ていうか、どこでも、どんな体勢でも出せるよ。まさ
　か、そんなことも知らないのか？」
ワタル「子供のころ、母親に寝ながら出しちゃダメって言われたから…」
トウル「それは、躾のためだろ。大人になったら自然にわかるだろ？」
ワタル「親の言うことは絶対だからな」
トウル「それはその通りだ。しかし、色々学んで行くうちに、わかってくる
　んだけどな、フツーは…」
ワタル「それは、暗にオレがバカだって言ってるのか!?」
トウル「じゃない、じゃない、そうじゃない！」
ワタル「なんだ、そのどっかの歌詞みたいな否定は?　図星ってことだな」
トウル「違うって！」
ワタル「もういい！」
トウル「待て待て！　こんな時間に呼び出した理由は？」
ワタル「あ、そうだ！　トウル、まさかオレの夢を操っているのか？」
トウル「はぁ？　そんなこと出来るわけないだろ！」
ワタル「だよなぁ…」
トウル「こうやって、違う星のワタルとコズモミラーで話してること自体、
　本当は不可能なことなんだぞ」
ワタル「だよなぁ…」
トウル「だから、どうしたんだよ？　変な夢でも見たのか？」
ワタル「ああ…」
トウル「どんな？」
ワタル「トウルに気づかれないように、夜中のうちに地球へ行ったんだ」
トウル「夢でか？」
ワタル「ああ。でも、大気圏てヤツに阻まれて、地球まで行けなかったん
　だ」
トウル「それは、いい夢を見たな」
ワタル「生身のまま大気圏に突入したら、燃えちまうことくらいは知ってる
　よ！」
トウル「へぇ」
ワタル「だから、バカにすんなよ！」
トウル「だから、してないって！」
ワタル「まぁいいや。ただの夢ってことだな」
トウル「いや、ワタルもわかってるんだよ。地球征服なんかしちゃいけない
　って。だから、そんな夢を見たんだよ」
ワタル「そうかなぁ…」
トウル「そうだよ！　だって、コズモミラーには大気圏なんて関係ないだ
　ろ。行きたいと思ったところへ連れて行って来れるんだから」
ワタル「あ、そっか！　な～んだ、そうだよなぁ～」
トウル「ヤバい！　言っちゃいけないことを言っちゃったよ」
ワタル「じゃあな！」
トウル「おい、まだ切るな！　ワタル！」
ワタル「(ＣＳＭを切り)よし、朝になったら出発だ！」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）