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【馬券データ分析】人気先行馬

こんにちは、キラリです。

今回は「人気先行馬」という考え方について、データとともにご紹介します。

「人気先行馬」というのは一般的な用語ではなく、私がそのように呼んでいるだけなのですが

「前走で人気よりも着順が悪かった馬」のことを指します。

(前走で実力よりも"人気が先行"してしまった馬、という意味でそう呼んでいます。)


結論

結論から言いますと、「前走で人気よりも着順が悪かった馬」(=人気先行馬)は回収率が高いです。

また、この条件は非常にシンプルな条件であるため、データのサンプル数も十分に得られて、毎年安定して回収率を改善してくれる信頼度の高い条件となります。

前提

人気先行馬の定義

まず、「前走の人気」と「前走の着順」を比較して、競走馬を下の3種類に分けていきます。

①人気先行馬
 前走で人気よりも着順が悪かった馬
 (前走人気 < 前走着順)
  ⇒ 例)前走3番人気で5着だった

②実力通りの馬
 前走で人気と着順が同じだった馬
 (前走人気 = 前走着順)
  ⇒ 例)前走5番人気で5着だった

③実力先行馬
 前走で人気よりも着順が良かった馬
 (前走人気 > 前走着順)
  ⇒ 例)前走5番人気で3着だった

上の3種類の馬を比較すると「①人気先行馬」が最も回収率が高くなります。


人気先行馬の回収率が高い理由

この理由は非常にシンプルで、

「前走3番人気(単勝5.0倍)で5着だった馬」 と
「前走5番人気(単勝10.0倍)で3着だった馬」

がいた場合、どちらの馬を買いたくなる人の方が多いでしょうか。

どちらかというと「前走5番人気(単勝10.0倍)で3着だった馬(=実力先行馬)」を買いたくなる人の方が多いと考えられます。

前走で人気に応えた馬は、今走でも人気に応えてくれるのではないかと感じてしまいますし

前走で人気を裏切った馬は、今走でも裏切るのではないかと感じて無意識に評価を下げてしまう人も一定数存在すると思います。

しかし実際は、前走で人気に応えたかどうかと、今走の結果は何の関係もありません。

つまり、前走で人気に応えた「実力先行馬」は今走で人気になりやすく、回収率が低くなります。

ということは、その逆である「人気先行馬」は今走で人気になりにくく、回収率が高くなります。

分析対象データ

今回は、2014年以降の中央競馬で、障害競走と新馬戦を除いた全レースを対象に分析を行います。(約10年分)

(データ詳細)
期間:2014/1/1~2024/4/14
障害競走:除く
新馬戦:除く
デビュー戦の馬:除く
今走、出走取消/競走除外:除く
前走、出走取消/競走除外/競走中止:除く

データ分析

約10年分のデータ分析

上記の約10年分のデータを対象に、「①人気先行」「②実力通り」「③実力先行」の3つのグループに分けて単複回収率を集計した結果が下の表です。

結果を見ますと、「①人気先行」が最も回収率が高く、「②実力通り」が最も回収率が低いという結果になっています。

実は、「②実力通りが最も回収率が低い」という傾向も毎年それなりに現れるのですが、これについて深掘りしていくと話が脱線してしまいます。

そこで今回は「②実力通り」の馬も「人気に応えた馬」と言えるため、「③実力先行」と同じグループに含めて回収率を再集計します。

その結果が下の表になります。

結果を見ていただきますと「①人気先行」は、それ以外に比べて、単勝回収率では6.2%、複勝回収率では2.4%高くなっていることが分かります。

約5年分の年別データ分析

次に、同じ条件で約5年分の年別データを集計した結果が下の表になります。

2024/4/18 時点

結果を見ますと、単勝回収率/複勝回収率ともに毎年安定した傾向が確認できます。

この結果から、「人気先行馬の回収率が高い」という傾向は、信頼できる傾向だと判断します。

前々走も含めたデータ分析

次に、「前走も前々走も人気先行馬」であれば、さらなる回収率改善が期待できるため、その分析結果をご紹介します。

約10年分のデータ分析

上記の約10年分のデータを対象に、「前走、前々走人気先行」「前走のみ人気先行」「上記以外」の3つのグループに分けて単複回収率を集計した結果が以下となります。

結果を見ますと、「前走、前々走人気先行」が最も回収率が高く、「上記以外」が最も回収率が低くなっていることが分かります。

約5年分の年別データ分析

次に、同じ条件で約5年分の年別データを集計した結果が下の表になります。

2024/4/18 時点

結果を見ていきますと、全体としてかなりキレイな結果が出ていると言えます。

私は、確率収束の早い複勝回収率を重視しているのですが、赤枠の2019年と2024年では結果が逆転しています。

しかし、それ以外の4年間ではしっかりと傾向が出ていますので

「"前走、前々走人気先行"が最も回収率が高く、"上記以外"が最も回収率が低い」という傾向は、信頼できる傾向だと考えています。

データ分析としては以上です。

最期に

今回は、前々走のデータを含めた場合の分析結果もご紹介しました。

私の場合は、前走だけ参照した場合と、前々走まで参照した場合とを比較すると、そこまで大きな差は無いかなと思っており

傾向の安定している前者を、競走馬の評価条件に採用しています。

ただ、どちらもオススメできる条件となっていますので、ご参考にしていただけると嬉しいです😄


コメントでいただいた質問回答

コメントで、ダート×牝馬の回収率について質問があったので追記します。

2014年1月1日~2024年7月31日の約10.5年分のデータ(牝馬限定戦は除外)を使って、人気先行馬を種別と性別ごとに集計したのが下の表です。

もともと、ダート×牝馬は回収率が低いのですが、やはり人気先行馬に絞ってもあまり回収率は高くありませんでした。(赤枠)

ただ、青枠の「人気先行馬×ダート×牡馬」は高い回収率を示しているため、高く評価して問題ないと思います!(青枠)

以上となります。

読んでいただいた方、ありがとうございます。

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