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奇妙な温室での研究1
奇妙な温室があります。その場所はまだ教えることはできないのですが、みなさんのよく知っているところにあるということだけ、明かしておきます。
この温室ではいろいろな研究がされています。多くは「平行植物」の研究です。現在行われている研究の一つをご紹介します。
平行植物の遺伝子を持ちながらも現実世界の植物との違いはすぐには見つけられない、いわば交雑種があります。α-730と名付けられたこの植物は、時計草のような見た目をしていますが、実際に時間の経過に合わせてめしべが回転し、開花からぴったり24時間で粉になってしまいます。ちょうど液体窒素につけた花が粉々になるように。ごくわずかの空気の揺らぎで砂時計の砂が落ちるように砕け消滅してしまいます。
これの時刻を操作することはできないかという研究をしています。開花と同時に特殊な気体に封入することで、ある程度の変更が可能になりました。今後、それを自由に操作することで地球上に棲息するα-730が太陽フレアによる磁気の乱れの影響も受けず、電力にも頼ることなく、正確な時刻を告げられることを目的に、今日も、不思議な実験が行われているのです。
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