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(小説)Youは 出張しに 日本に行っても お姉ちゃんのことで 頭がいっぱい!(4話)

 の続きです。

月曜日の朝になりました。展示会で受け取った資料と昨日買った画集や同人誌といった重い紙ものをホテルの近くのスーパーでもらったダンボールに詰め込みました。フロントで借りたガムテープで封をして近くの郵便局から昨日書いたポストカードと一緒に窓口に出してEMSで発送しました。送料は最近上がったばかりのようで一万三千円もかかってしまいました。

 わたしはホテルに戻り、全荷物をキャリーバッグにまとめた後十時過ぎにホテルを出て千葉駅から電車に乗りました。東京駅に着いた後ジャパン・レール・パスを新幹線のホームに入るところにある窓口に見せて
「ワタシ、京都ニ行キタイノデスガ」
と手元のスマホに入っているロンリープラネットの旅行会話集の内容をまねてなんとか口にしたようなレベルの日本語で尋ねると、「東京ー京都、ひかり六四一号、十一時三十三分発」という英語で書かれた切符をもらいました。残念ながら、わたしの日本語力はそれが精一杯でした。わたしはそれを改札機に入れてホームに登って乗りました。 途中、富士山が見えたら思わず空席越しに自撮りしてしまいました。列車の中ではホテルの近くのコンビニで買っておいたペットボトル入りの緑茶を飲んだりお菓子サム・スナックスを食べたりして過ごしていました。

 わたしは午後ニ時すぎに京都駅に着きました。駅前にあるビジネスホテルバジェット・ホテルのフロントにキャリーケースを預けた後、地元の人より世界中から来た観光客の方が多くを占めているような電車に乗って奈良に向かいました。三時二十分ごろに奈良駅に着くとそこからバスに乗って、降りた後にたくさんの鹿が歩き回っている広場を抜けて東大寺に着きました。巨大な仏像とそれを覆うように作られた更に大きくて堂々とした大仏殿にただ圧倒されるばかりでした。建った当時はきっと昨日見た武蔵小杉のタワマン群ハイライズド・コンドズ以上の迫力があったのでしょうね。そこを出た後再びバスに乗って奈良駅に戻って京都方面の各駅停車に乗りました。

 そして、夕方六時前に稲荷駅に着きました。わたしは駅を出るとすぐ目の前にある大きな鳥居を通り過ぎて山を登りました。ここも狭い通路に人が密集しているところですが、他では見ることのできない、連続して立っている数え切れないほど無数の鳥居と頂上からの絶景が素晴らしかったです。山を下りるときは上りとは別のところを通るのですがそこにも鳥居がびっちり立っていました。稲荷駅からは京都駅まで電車に乗ってホテルに向かって改めてチェックインをしました。

 火曜日の朝は六時に起きて、電車を乗り継いで清水五条駅に行って清水寺に向かいました。地下にある駅から外に出て昼間だったらかなり混むだろうという道を歩いて中に入りました。まだ早いので人は少なかったです。崖の上に立つ有名な本堂からの眺めは最高でした。わたしはバスを乗り継いで、今度は銀閣寺に行き丁寧にメンテナンスされた美しい庭園の眺めを楽しみました。特に石庭は壊れやすいので手間がかかっているのだろうなあと思いました。再びバスに乗って、金閣寺へ行きました。この時間になるとだいぶ混んできました。人が多くてなかなか落ち着いてみることはできませんが、池の向こうに映える金箔で覆われた輝く建物と緑色が映える庭園と青い空の組み合わせが美しかったです。

 私は再びバスに乗って嵐山に向かいました。午後三時すぎにバスを降りてトロッコの乗り場をのぞくとたまたま空いていたので思い切って乗ってみることにしました。気持ちいい風と川の眺めが涼しく感じられました。終点に着いた後、馬堀駅まで歩き電車で嵐山に戻りました。人で込み合っていたのですが有名な竹林を見ました。その後観光客であふれている土産物店が並ぶ商店街をのぞいてから電車で京都駅に戻り、夕方五時ごろにホテルに着きました。わたしはホテルでお姉ちゃんや友人たちのために今日行ったところの絵葉書を何枚か書いて駅前にある郵便局から出しました。

 水曜日の朝七時半、ホテルをチェックアウトした後荷物を預かってもらって京都駅から電車で宇治に向かいました。駅を出たら商店街を抜けて平等院鳳凰堂に行きました。八時半の開門のときに中に入りました。木造にもかかわらず建てられてから千年以上たって今に残っていることに驚異を感じました。同時に付属のミュージアムも見て、中で展示されていた二百年くらい前の入場券を見て当時の観光事情はどんな感じだったのだろうかと想像してみたりしました。平等院を出た後は川の中洲を散策しました。橋を渡って観光案内所に立ち寄ってポストカードを買った後、途中にあるベンチでペットボトルの緑茶を飲みながら少し休みました、そして十一時頃に近くのレストランで昼食のカレーライスを食べました。駅に行くまでの間の商店街でお土産用に緑茶のティーバッグを十パックくらい買いました。

 そしてわたしは、宇治駅から電車に乗って、午後三時頃に東福寺に着き、通天橋を渡りました。楓の林をまたぐようにして作られた日本では数少ない屋根付き橋カバード・ブリッジで、橋の下はあたり一面の緑一色です。きっと十一月か十二月に来たら全部真っ赤に色づいているのでしょうか。

 夕方五時ごろホテルに戻って荷物を回収して新快速電車に乗って大阪駅で降りました。そしてわたしは地下鉄に乗り換えました。今晩一泊だけは京都を離れてなんばにあるカプセルホテルに泊まります。わたしは以前「ニューロマンサー」を読んでからというもの、興味を持って憧れていて一度でいいからこんなところに泊まってみたいと思っていました。今はもう数少ない古いタイプの入り口が透明のふたになっているプラスチック製のユニットを組んで構成されているタイプです。こんな感じのところはしばしば男性のみ泊まれますということがあって探すのが大変でした。実際に泊まってみた感想としては、値段が安かったらこれでもいいかな?と思いました。

 わたしは、チェックインを済ませた後、近くを散策しました。最初に川を渡って南に向かって歩き日本橋電気街に行きました。ところどころにパソコン用自作パーツショップや中古パソコン店があって、地元の人にとっては重宝する、あってよかった場所なんだと思いました。その中にお約束のようにアニメショップもあってのぞいてみたところつい画集を一冊買ってしまいました。電気街を出てきた北方向に進み、地下街を通り抜けて北端の出口を通りました。少し歩くと旅行ガイドなどで有名な道頓堀の戎橋にたどりつきました。日が落ちた後なので派手なネオンサインが輝いていました。この周辺の東京で言うところの渋谷や池袋のような雰囲気の雑踏を抜けてホテルに戻りました。

 木曜日の朝八時頃にホテルを出て通勤客で混み合った地下鉄で梅田駅に向かいそこから新快速電車に乗って姫路に向かいました。電車を降りた後は駅のコインロッカーにキャリーケースを入れ、大通りを二十分くらい歩いて姫路城に着きました。中に入り、急な階段を登ってたどりついた天守閣からの眺めを楽しみました。数百年も前からある街のシンボルで、昔は街のどこにいても見ることができた存在だったんだろうなぁと思いました。

 わたしは、二時すぎに新幹線に乗って姫路駅を出て三時四十分すぎに名古屋駅に着いてそこで特急ひだに乗り換えて高山に向かいました。ひだ号は電気ではなくディーゼルカーで運行されていてエンジン音が響いていました。列車はまだ真新しくススもほとんどついていないピカピカの状態でした。高山駅には7時前に到着して駅の売店でポストカードを買った後ホテルに向かいました。そこに着いてチェックインを済ませた後は駅の西側にあるスーパーで朝に食べるものを買いました。そしてホテルに戻ってポストカードをお姉ちゃんに出すために書きました。

に続きます。

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