将来の夢は公務員だった

「型に嵌ること」と「人並みのレールから逸れないこと」だけが正しいと定義付けられた中で生きることは当たり前だった。苦しかったし相当な努力もしてきた。そしてこの定義がいつか揺るぎバラバラに崩れてしまうだなんて全く思わなかった。自分がこんなにも出来損ないだと思ったのは初めてだった。高校2年の初夏、わたしの人生においての固定概念が呆気なく壊れたとき、もうわたしには何も残っていなかった。今まで築きあげてきたステータスは全て偽りで、わたしにとって初めての«迷い»だった。「みんなと同じことをする」がどれほど楽で難しいかを思い知った。

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