大石泉がGreat Journeyを歌ったことを考察する

色々書きかけの文章残ってるなぁ……
はよ書いてしまわないと

さて本題。
9/15に行われたアイドルマスターシンデレラガールズ ライブ STARLIGHT FANTASY(以下LiveSF)のDay2でちょっとした事件が起こりました。
それは18曲目。曲名はGreat Journey。
歌唱メンバーは島村卯月役大橋彩香、夢見りあむ役星希成奏、大石泉役大木咲絵子。
皆の予想の中から抜けていたこの編成、思えば重要だと思うんですよね。
ということで今回はこれを考察していこうと思います。
久々の怪文書です。お付き合いいただければ幸いです。

今回のセットリストを振り返る

その前に、今回のセットリストを振り返ろうと思います。
細かい内容はまとめデータベースさんにお譲りして、概要だけ。

概ね今回の公演では、(1)原則ユニット曲でソロ曲は未披露分に限る (2)歌唱メンバーは未披露分は当日出演メンバーからできるだけオリジナルに近い陣容で、過去に披露済みのものは完全シャッフル の2原則で選ばれてたと思うんです。
過去に披露済みであればヴァルキュリアの金子さんや未完成の歴史のしきくんみのりんごのように今回も歌唱メンバーに入ってたりクレイジークレイジーやTrust meのようにオリメンが出演していても不参加という事例もありました。(フカガワ=サンとことみん、出演してたんですけどね)

翻ってGreat Journeyです。オリジナルメンバーはニュージェネレーションズの3人。今回のメンバーだと大橋さんが参戦してました。残りのメンバーはユニクスのせーなとニューウェーブのさえT。
今回のセットリストでは初披露曲以外でほとんど見なかった「人選背景に属性と既存ユニットのある」選曲かと思います。
(例えばレッドソールとクレイジークレージーは作中ユニット2組による混成歌唱でユニットに属性や既存ユニットはあまり関係なかったかと……いやトレジャーハンター組がLINK-RINGだったのはアレ意図的な人選でしょ?)

ニュージェネレーションズのCu属性・島村卯月役大橋彩香、
ユニクスのPa属性・夢見りあむ役星希成奏、
ニューウェーブのCo属性・大石泉役大木咲絵子。

それぞれ信号機トリオのメンバーでかつ属性もバラバラ。
このメンバーを揃えた事実の重さについて考えてみる。

考察

1.メンバーが意味するもの

繰り返しますが、歴代の信号機トリオユニットから一人づつという選択です。
アイマスシリーズでは信号機トリオと呼ばれる3人組ユニットをブランドの顔として起用していく伝統が初代無印の頃から続いてます。(ただしアーケード版の無印の頃は確立されてません。家庭用ハード移植となるXBOX360移植と同時に加入した美希をもってこの流れが確立したと言えるでしょう。

無印:天海春香・如月千早・星井美希/765エンジェルス
DS:日高愛・水谷絵理・秋月涼/ディアリースターズ
ミリオン:春日未来・最上静香・伊吹翼/ストロベリーポップムーン
SideM:天道輝・桜庭薫・柏木翼/DRAMATIC STARS
 天ヶ瀬冬馬・伊集院北斗・御手洗翔太/Jupiter
シャニマス:櫻木真乃・風野灯織・八宮めぐる/illumination STARS
学マス:花海咲季・月村手毬・藤田ことね/未定
ヴィアラ:灯里愛夏・上水流宇宙・サラ

各ブランドごとの信号機トリオ

シンデレラは人数が多く、また時間軸的な都合もあることから信号機トリオがいくつか存在します。
系譜として間違いないのが島村卯月・渋谷凛・本田未央のニュージェネレーションズ(以下NG)、村松さくら・大石泉・土屋亜子のニューウェーブ(以下NW)、辻野あかり・砂塚あきら・夢見りあむのユニクスの3ユニットでしょうか。
この系譜に乗っかってこないユニットでも月宮雅・岸辺綾華・衛藤美紗希のガールズパワーや早坂美玲・森久保乃々・星輝子のindivisuals、道明寺歌鈴・脇山珠美・浜口あやめの可惜夜月など該当しそうなユニットも多数あります。

ただ、NG・NW・ユニクスは他の3属性ユニットと違う点があります。

NWはシンデレラで最初に組まれた3属性ユニットでした(未央のNG入りが遅れたため。当初から中学校の幼馴染だったNWが最初にユニットとして成立)
NGはちゃんみおがメンバー入りするまで間があったためユニット成立こそ遅れますが、モバマス当初のチュートリアル組ということもあって当初から存在するユニットと言われます。
ユニクスは2018年の新アイドル組で唯一の3属性ユニット。
NWはNGと対になるような描写も多く、メンバーそれぞれを含む単属性トリオユニットが存在するなど運営として「NGの後継者」的な扱いだった時期もあったようです。
泉についにボイスがつき、将来的にさくら・亜子にもボイスを実装することで当初の計画たる「NGの後継者」としての動きも出てくるのではないかと思います。

また、ユニクス自体は2020年のVIAでボイスが揃ったあたりからNGの後継者としての立ち位置についたと思われます。実際2020年のデレステ5周年曲「Go Just Go」ではセンターに夢見りあむを、2021年のデレステ6周年周年曲「星環世界」ではセンターに砂塚あきらを配され、2023年のデレステ8周年記念Shout out Live!!!!!!!!で公演センター及び周年曲「無限L∞PだLove」のセンターポジションに抜擢されたのは辻野あかり役梅澤めぐ女史でした。OJTで経験を積ませるのはアイマスシリーズではよくあることなので、
(余談ですが周年曲センター経験者は卯月を除くNGとユニクス、それに久川姉妹と城ヶ崎美嘉のみ。しかも美嘉は2回……????)

つまり、運営の意向としては「当初の顔だったNG」「世代交代して現在の顔に近いユニクス」「将来的にシンデレラの顔となって欲しいNW」という3世代競演を意図していた可能性があります。
実際、キャストの人選もまたそうした将来顔役を担ってもらえるような人選だと思いますし。世代交代を意図していたからこそ将来的にセンターとして活躍できるよう一から育てる前提でド新人の梅澤めぐ女史を、そのサポートとしてある程度経験のある富田美憂と星希成奏をあきらりあむに起用したユニクスや顔として一から育てる前提だったであろう凛役の福原綾香やシャニマス櫻木真乃役関根瞳といった前例もあるし、大木咲絵子女史に関してもある程度将来の作品の顔役を見越しての人選だと思います。実際ライブを見てても変な音程の乱れ等は見受けられなかったですし、ある程度尖った選曲の多いデレであればキャラクター的に楽曲ジャンルとのミスマッチも起こりにくい声質かなと思いました。またさくらと亜子は多少キャリアのあるキャストを起用すれば長期の育成は必要ないわけで。(これは実装1年で周年センターを任せたせーなとみーと3年かけためぎゅしの事例からも理解できる)

改めて三世代競演を意図したとして、現状泉しかボイスのないNWは泉で確定なのは必然かなと思います。残りのNGとユニクスですが、未披露曲があってかつ属性被りのなかった卯月とりあむなのは必然かなと。

2.選曲が意味するもの

シンデレラのライブは時に選曲自体に意味を込めてくることが多いと個人的に考えてます。
有力なのはガールズ・イン・ザ・フロンティア。過去に披露された回全てがシンデレラ初・アイマス初・声優・アニメ系初とかいういわば「フロンティア」(和訳すると未開拓地)に至る回になってます。

※初披露かつアイマス史上初のドームと名のつく会場だったSS3Aヤマダグリーンドーム前橋
アイマス初のドーム使用となった6th西武ドーム(余談だがこの時は2日目のユニット歌唱最後でまさに「この先(6th Day3・ナゴヤドーム)は声優・アニメ系では誰も見たことのない景色」だった訳で)
アイマスどころか声優・アニメ系初使用となった6thのナゴヤドーム(ドーム4Daysも声優アニメ系では史上初)
(余談だがナゴドは後に計画された水樹奈々単独ライブがコロナで中止になったため今現在でも声優アニメ系で唯一の使用例らしい。また一部記述で美空ひばりに次ぐ2人目のナゴヤドームで演歌を歌った女とされる花井美春だが、ナゴヤドーム開業時点で美空ひばり女史は既に鬼籍なのでナゴヤドームで生歌は史上初となるはず。美空ひばりのライブがこけら落としだった東京ドームとエピソードが重なってる?)、
声優・アニメ系初使用かつアイマス史上初の生バックバンド演奏となった7th京セラドーム(ここは後に虹が咲で使用するため唯一ではない)
アイマス史上初のバンナム他IPとの対バン企画となる異次元フェス(ただし東京ドームではアイマス単独のM@STERS OF IDOL WORLDやバンナムフェスでの公演があったが未披露だった)
シンデレラ初のストーリー仕立てのコンセプトライブとなったSTARLIGHT FANTASY(但し一部楽曲をミュージカルあるいはオペラ調で仕上げた歌劇公演についてはミリオンの6rh UNI-ON @IR福岡の夜想令嬢パートが初回だと思う)

過去のガルフロの披露回まとめ

ガルフロ以外にも6thナゴヤDay1のガルフロ以降のセトリもJUNGOのメッセージがありそうなんだよな。
本題とずれるのでこれ以上は論じないけど。

改めてGreat Journey。
別にこの3人でNGの曲をと言われても他にも候補があるわけで。流れ星キセキでもできたてEVOREVOでもいいわけで。
でもGreat Journeyじゃなければダメだった。そこにはセトリを決めたエラいおじさんたちの意思があったのだから。

「未来コンパスが指す方へ 旅はつづく」
俺はこの1フレーズをこの3人に表現させたことにおじさんたちの意思が込められてると思う。
毎回ライブのラストにはちひろさんの定番文句として「シンデレラの歩みは止まらない」とある。
バンナム・サイゲの偉い人の意向はさておき、ライブ運営にかかってくる現場の総意としては「まだシンデレラは終わらせない」ということなんだと思う。
来年デレステは10周年。ソフト自体改修に改修を続けてきているのだがやはり各所に古さを感じる部分がある。大きなところだと最近のスマホの画面サイズ比率が21:9に移行してるのにまだ16:9で制作されている部分も多い。(ただバンナムグループの作品としては画面比率自体をわざとアップグレードせずに演出として使い倒した銀魂アニメの例があるのでわざとの可能性も否定しないが)
周辺コンテンツもシン劇やAfter20など終了する判断に至ったものも多いし、U149も近いうちの完結が作者から示唆されている。
スクフェスが10周年を機にソフトカーネルを一新した2に移行(ただし1年で終了)したこともあり10周年あたりで何らかの動きがあるとは見ているが、それでも10周年で完結を考えていないのが現場の意思だと思ってる。
(そうでなければ大石泉役に起用するのはイヴ役の松永あかねやライラ役の市ノ瀬加那のように既に実績のある声優であるはずでほぼ新人で数年ほど育成期間をかける必要のある大木咲絵子を起用するとは思わない)
稼働当初の顔であったNG・現在世代交代して顔として活動させるであろうユニクス・将来的にシンデレラの最前線を任せる顔役として育成していく方針のNWをぶつける、その場はシンデレラのこれからの意思をぶつけられるGreat Journeyしかないわけだ。
So Great Journey。まだシンデレラの偉大な旅は道半ばということ。

3.10周年に向けて願うこと

NG・ユニクス・NWを過去・現在・未来のシンデレラの顔として位置づけるのなら、何らかの形でNWを主に据えた物語が必要になってくると思う。
ちょうどミリアニがそれに近いストーリーかなとも。改めて39人のリブートとしてのミリアニ、同様にシンデレラのリブートとしてのNW主軸の物語。
既存のCP組に頼らない形で、それでいてボイスレス組の救済と掘り下げ、かなり難しい案件だと思う。
シンデレラガールズの世界はサザエさん時空で時が進まないからいつまでも年齢は変わらない。しかしながら演者さんたちには時間の進みがある。ライブ出演時にアイドル3x歳を体現するような演者さんも増えてきたし、出産育児で活動制限あるいは休止を選ぶ演者さんも増えてきた。上田鈴帆ソロ曲問題(これは稿を改めたい)もある。
ただ、シンデレラには190人のアイドルがいる。うち90人ほどはボイス未実装で掘り下げも少ないいわばブルー・オーシャン。そうでなくてもアニメ後のボイス実装で掘り下げの甘い子も20人ほどいると推測。そこを加味していくとまだ発展の余地はある。
それらを含めてトラプリのTrinity Fieldのワンフレーズが刺さってくる。
「過去も、現在も、明日もここにある」。
個人的には凛・あきら・泉でTrinity Fieldをやってほしいというのはある。
奈緒と泉を担当の一角に据えるPとしては泉に奈緒パートを担当して欲しい部分があるが、トラプリで奈緒は「現在」の象徴、一方で凛・あきら・泉の編成なら泉は「明日」の象徴なので難しいところではある。(トラプリで「明日」の象徴は加蓮だし)

最後に

今回のライブで大石泉を担当に加えてよかったと思うし泉のボイスを大木さんに担当してもらったことが将来に立って充分なアドバンテージになると思えたので俺個人としては非常に満足でした。

その結果が某武豊オタクの馬主さんのダービー勝利後の姿だったのは否定しませんが。
(シンデレラのライブ、実は参加歴2桁に達しようとするのですが、脳を焼かれペンラを振ることすらできなかったのは今回が初めてでした……。ただ無心に絆の正三角形を描くことしかできなかった7th大阪のTrinity Fieldですらまだ色々する余裕があったのに……)

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