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フラスタを初めて出したのでまとめておく
2023/9/9,9/10に開催されたTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Shout out live!!!において
僕主催で神谷奈緒役松井恵理子さんへのフラワースタンド企画を立ち上げ、無事完了にこぎつけました。
その時の経験をもとに、今後フラワースタンド企画を立ち上げる人の手助けになればと思いこのnoteを記すことにします。
なお、本note中では旧Twitter現XについてはTwitterで統一表記します。また、施設命名権を利用して正式名称と別に公称を設けている施設については原則として正式名称で記載します(バンテリンドームナゴヤでなくナゴヤドーム、福岡PayPayドームでなく福岡ドームなど)。
◯はじめに
今回の企画では皆様にご協賛いただいてイラストを外注し、地場のお花屋さんにフラスタの制作をお願いしました。また、バルーン類は特に使わなかったです。
同じように今回のデレマスShout out Live!!!に初めてフラスタを出された方で、イラスト内製の上でソロで出された方の手記が上がってますのでこちらもご参照ください。
こちらではSakaseru様にご依頼いただいたとのことですが、地域によってはSakaseru様によるフラワースタンドは配送エリア外となっているようです。
(概ね東京都内と神奈川・大阪・愛知県の主要都市、あとさいたま・千葉・所沢・京都・神戸市内のみ対応のようで。愛知県内でも名古屋市内と常滑市、それと何故か江南市以外は配送不可となってます。所沢は西武ドーム絡みだろうし常滑はAICHI SKY EXPO開業で依頼が多くなったんだろうなぁ)
東京ドームでののぼり企画(※東京ドームではフラスタが設置できないのかフラスタ楽屋花不可で代わりにのぼりを出す案件が多い)やフルグラフィックシャツ・法被企画でも流用可能な部分が多いと思います。適宜読み替えてもらうと助かります。
○必要なもの
・パソコンとソフトウェア関係
正直な話、一番必要なのはイラスト制作ソフト(Adobe Illustratorがあると便利)とそれが不足なく動くパソコンだったりします。
あとは情報管理用にExcel(これは互換ソフトでOK。Googleスプレッドシートでも問題はないと思うんですがお金や個人情報を扱うことがあるのでローカルで扱ったほうがいいかなとも)、支払用にクレカと銀行口座(できればゆうちょ・銀行の両方)でしょうか。
実際のスタンドの制作はお花屋さんがやりますが、ボードの方は主催が手配してお花屋さんにお渡しすることになります。
後述しますが、ボードは特殊紙を使用する必要があり、なかなか手配が難しかったりします。
そもそもサイズ的に家庭にあるようなプリンターでの出力も難しいです。
レギュレーションや実制作物に左右されますが、耐水紙でA3出力は最低条件になります。
なので、基本的にはボードは専門業者に依頼して出力する必要があります。
そしてだいたいの印刷所はただ印刷するだけなら結構多岐にわたるデータ形式で受けてもらえますが、くり抜きや箔押しなど特殊加工が必要になるとAdobe Illustratorで制作されたPDFファイルかAdobe Illustrator生データファイルでの入稿が必要です。
加工指示を別レイヤーに作成する関係上、CLIP STUDIOやSAI、Adobe Photoshopなどで作成されたデータだけでは入稿ができないのです。
・お金とそのやり取り
また、お花屋さん・ボードの印刷所への支払は銀行振込ないしクレカ払いが基本です。
なので、クレカと銀行口座は両方必要です。
今回の事例だと、お花屋さんへの支払は銀行振込、印刷屋さんへの支払はクレカでした。
業者さんは基本的にその所在地にある銀行に口座を所有しています。都内や大阪ならメガバンクの三井住友・みずほ・三菱東京UFJのどれかが多いだろうし、愛知なら三菱東京UFJや名古屋・愛知銀行あたりが多いと思います。福岡なら福岡銀行か西日本シティ銀行のどちらかが基本ですし、他の県も大体県内に本店を持つ地方銀行を主取引銀行とする事が多いですね。今回お願いしたお花屋さんは三菱東京UFJ銀行に口座をお持ちでした。
手数料的にはネットバンキング登録したゆうちょ銀行の口座があるとすごくいいかと思います(他行宛振込手数料が165円で済むので。ちなみに地銀から振り込むとネットバンキングでも440円取られる……(福岡銀行・3万円以上の場合))
集金を銀行振込にて対応するなら、ネットバンキング登録した口座が必須です。
また、一時的に全額を立替えられるだけの金銭的な余裕が必要です。海外P向けにPassMarketやPeatixで支払いを受ける場合、支払日はイベント終了後となります。絵師さんへの謝礼はさておきお花屋さんや印刷屋さんへの支払は納品前に来るので結構キツイです。(フラスタ1本4万とかするんだよなぁ……)
・Twitterのアカウントとメールアドレス
協賛者の募集にはTwiplaを使うのが一般的です。また、協賛者様への連絡にもTwitterを利用します。
なのでTwitterのアカウントがなくてはお話になりません。
また、お花屋さんとのやり取りは電話とメールになるのでこちらも必要ですね。
最近はTwitterの制限の多さからDiscordを併用する主催者さんも増えてきました。Discordアカウントはあると便利かなと思いますが、個人情報を扱う場合は使用しない方が良いのかなとも思います。
・やる気と愛
単純に企画を成し遂げるにはやる気と愛が必要かなと。
愛に溢れた完成品はいいぞ。
○準備
だいたいライブ開催及び出演者発表から遅くても1週間程度の間で決めなければならないのは以下の項目です。
・ざっとしたコンセプトの決定
・絵師さんの確保
・お花屋さんの仮押さえ
それぞれの項目ごとに書いていきます。
・ざっとしたコンセプトの決定
この段階ではまだモヤッとしたイメージでも大丈夫です。
少なくとも絵師さんに大体のイメージを伝えられる程度で大丈夫かと。
・絵師さんの確保
自分でイラストを描けるなら話は別ですが、自分でイラストを描けないならまず絵師さんの確保が必要です。
コンセプトまで伝えられたらよいかと。
・お花屋さんの仮押さえ
これがなかなか難易度高いんですよね。そもそも初めてのフラスタだとツテなんかないし。
今回の僕の場合、アイマス界隈でなく48界隈にツテのある友人にAICHI SKY EXPOでの納品実績のあるお花屋さんを紹介してもらいました。
とにかく、必要なのは「会場に搬入可能」なお店だということ。搬入できないお店に頼んでも意味はないですね。次回ユニットツアーとのことですが、同種ツアーのミリオン6th UNI-ON AIRやシンデレラ5th Serendipity Paradeは福岡県(福岡市・北九州市双方あった)や石川・宮城・静岡などSakaseruさん非対応エリアも多かったのでここ要注意ですね(10/3にツアー詳細が発表されフラスタ楽屋花不可と公式アナウンスが有りました)。今回の会場AICHI SKY EXPOにしても名古屋市内のお花屋さんでも有償配送ないし不可となる事例はありそうですし。(なので店舗紹介を依頼した時点でAICHI SKY EXPO納品実績のあるお店と条件付けさせてもらいました)
次に、できればアイマスやAKB・坂道・ラブライブなどのライブに納品した実績があるとお話が早くなると思います。
まずはお花屋さんを調べて公式サイトの問い合わせフォームから日程と大体のレギュレーションをもとにできるかどうかを確認して大丈夫そうなら仮押さえしておきます。
その時にコンセプト等をざっとお伝えしておくといいかも。
○募集
お花屋さんと絵師さんが確保できてざっとしたコンセプトが固まったらいよいよ協賛者の募集開始となります。
基本的にはTwiplaを使います。
身内数人でやるならLineグループでもいいと思いますが、不特定多数の協賛者様にご協力いただくならTwiplaを使うほうがいいと思います。
立ち上げ時点では以下の項目を絶対に記載してください。
・どのイベントなのか
・誰宛てなのか
・一人あたり金額の概算見積もりと支払い方法
・連絡用に主催者Twitterのフォロー依頼
・ある程度の日程の提示
・金額の見積もり
目安としては仮押さえしたお花屋さんのフラスタのお値段と配送料金(これらはカタログ価格で大丈夫)、絵師さんへの謝礼、パネル代の合計で大体5~7万前後になると思います。
協賛者40人で頭割りして1500円ほどでしょうか。
あとは協賛者さんの集まり方と各種見積もりを見て調整してください。
協賛者さんが多く集まり過ぎると予算が余ったり金額の割に手間がかかったり協賛者様のボードが細かく見にくくなったりとトラブルの原因にもなります。上限人数も検討しておくといいと思います。
(特に、ライブ初参加となるアイドル絡みだと協賛も増える傾向にあるようです。初舞台だから仕方ないね。)
・支払い方法
大きく分けて3種類あります。
1)PassMarket・Peatixなどのチケット販売サイト
2)銀行振込
3)PayPay送金
4)現地集金
それぞれ一長一短あります。後で比較をまとめます。
主催者の財政事情と参加者さんの参加のしやすさを天秤にかけてどちらを選択するかはおまかせします。
個人的には、主催者の財政事情が許すならPassMarketやPeatixを利用するほうがいいと思いますが。
・連絡用のTwitterフォロー
連絡にはTwitterのDMを使用します。が、TwitterのDMはスパム防止のため現在フォロワー同士でないとやり取りできない制限がかかってます。
なので、主催者のTwitterアカウントをフォローするように明記しておいてください。あとは参加表明をみながら主催者側からも適宜フォローするといいと思います。
・日程の提示
これはお花屋さんとの打ち合わせが必要なことですが、こちらがお花屋さんに支給する部材(パネル類や小物類)は事前に引き渡さねばなりません。
最終的には、お花屋さんの提示する納期前日には届くようにパネルや小物の発注が必要になるので、募集締切はその1週間~10日程度前になるかと思います。
◯支払い方法の比較
支払い方法は大きく分けて3種類あると思います。
1)PassMarket・Peatixなどのチケット販売サイト
2)銀行振込
※本noteではゆうちょ銀行を銀行に含めます
3)PayPay送金
以下に使ってみての感想を含めて比較をまとめます。
1)PassMarket・Peatixなどのチケット販売サイト
フラスタ企画の協賛金集金として比較的ポピュラーな方法。海外Pだと自国の銀行から日本国内の銀行への振込が難しいのでほぼこの手法に限られると思います。
メリットとしては海外P様からの協賛を受けやすいこと、クレカ決済が可能なので協賛者様の手間が省けることですね。また、PassMarketを利用する場合購入者アンケート機能を利用することでTwitterのDM利用による参加者情報の確認が不要になるメリットもあります。
逆にデメリットなんですが、最大のデメリットはイベント終了後5~10日しないと協賛金が手元に入金されません。入金される協賛金額も全額ではなくチケット1枚毎の販売手数料と振込手数料が減額された額しか入金されません。
フラスタや予算オーバー分の協賛品やプレゼントに充当する分がまるっと主催者立替となるので手元資金と相談して採用を決めてください。
2)銀行振込
主催者個人の銀行口座へ振り込んでもらい、協賛者様からDMで情報をもらって突き合わせて処理する方法です。
メリットとしては協賛金が全額手元に残ることですね。支払をそこから行えばいいので主催者による金銭立替はパネル発注時のクレカ請求程度で済みます(これも銀行振込での対応可能なのでゼロにできる)。金額の大きくなるフラスタや絵師さん謝礼を立替えなくていいのは主催者としては非常にありがたいですね。
デメリットは意外と手間がかかること。主催者がインターネットバンキングに登録していないと毎日のように記帳しに行かないといけないという……(なので集金口座はインターネットバンキング登録してオンラインで振込詳細を確認できるようにしておくのは必須です)。また、協賛者側も手数料負担や振込のためのATMへの移動など負担が生じます。
また、主催者の個人情報(銀行口座番号と口座名義として本名)を提示する必要があります。(主催者が任意団体なり法人なりの口座を有してそちらを支払口座に指定している場合を除く)
3)PayPay送金
今回の企画では使いませんでしたが、最近フラスタやドームののぼりや打ち上げ企画等でたまに上がってきたやり方ですね。俺も最近の企画で初めてそんな機能があることを知ったぐらい。
参加者視点で言えば結構簡単だし主催者視点でも手間そんなにかからないし、主催者の個人情報を出す必要もないしで結構楽なんですが、最大の問題点は参加者さんがPayPayのアカウントを持ってないと使えないということ。なので、PayPayだけというのは難しいのかなとも思います。
4)現地集金
ライブ当日に現地でお金を集める方法です。
主催者協賛社共に手数料はかかりませんが、支払はすべて立替になりますし当日とんでもない負担がかかるので絶対に避けてください。今回のAICHI SKY EXPOのように屋内ロビーでの開場前待機が可能ならまだしも、ナゴヤドームや福岡ドームのように屋内待機だと近隣商業施設を利用する必要があるケースもあるし、西武ドームや甲子園球場など屋内待機の可能な場所がほとんどないケースもあります。また、ドームライブとなれば5万人近い客が一箇所に集まります。場所の確保は困難を極めます。
5)まとめ
上記を比較した結果、主催者の財政事情を考慮して銀行振込とチケット販売サイトのどちらを使うのか決めていいと思います。
◯デザイン
Sakaseru様にご依頼するにしろ地場のお花屋さんに制作依頼するにしろ、基本デザインは自分でやる必要があります。
そのうえで、必要な部分は外注しましょうということになると思います。
・基本デザイン
そもそもフラスタ展示不可の会場(東京ドームなど)もあるし、展示可能でも寸法や機器類に制限があるので、まずはライブのフラスタに関する規定を理解してから作業開始となります。
その上で、お店の既存の実績品とか、過去のライブで自分が協賛したりあるいは出してあったりしたフラスタをもとに、自分が決めたコンセプトと組み合わせてざっとしたラフデザインを描きます。
この時点では裏紙でもなんでもいいし、道具も鉛筆だろうがボールペンだろうがなんでもいいです。
ある程度人に見せられるクオリティまで仕上げてお花屋さんとTwiPla募集ページに上げます。(それでも草彅画伯も真っ青レベルだったけどな俺の場合)
![](https://assets.st-note.com/img/1695020931051-7u2Q9TGkCy.jpg)
あとはこのデザインでお花屋さんと調整していきます。メールだけでなく実際に電話も必要なのでご注意。
お花屋さんがOK出すと見積もりを出してくれます。
・イラスト
大体の場合、公式のイラストやゲーム画像のスクショをフラスタに用いるのは禁止事項です。
なので、イラストを入れたければ誰かがイラスト化する必要があります。
今回の企画では、知人の絵師さんに依頼をしました。
依頼したのが6/26で、この時点で修正やボードへの加工期間を見込んで7月中に成果品が上がればいいこと、A3サイズでの出力を想定してほしいこと、相応のお礼は出すということで依頼しました。
絵師さんからOKをもらえたので、ポーズと衣装の指定をしてあとはイラストの仕上がり待ちと。
途中何度かラフ下書きをもらい(その度に悶絶しては協賛者の一人を巻き込んで落ち着かせ)、最終成果品は7/26にもらいました。
◯集金と実作業
大体ここまでが7月中の作業でここから8月の作業でした。
・ボードの作成
上記のイラストや協賛者様のお名前、そして何より大事な出演おめでとうのメッセージ。
そうしたものを詰め込むためのボードを作っていきます。
最初はお花屋さんの方で印刷して作ってくれるのかなと思ってたけど打ち合わせ時点でこっちからの支給と判明(ホント知識0で企画したな俺)。普通紙に印刷してハレパネ(片面に糊付けしてあるスチレンボード)に貼ればいいかなと思ってましたが。
これは別メーカーのものですね。ハレパネってプラチナ万年筆さんの商標だったんだ。
閑話休題。
フラスタを出したことのあるフォロワーさんがいたので話を聞いたところ、「自分で加工するよりきれいに仕上がるし配送までしてくれるから業者に頼んでる」とのことで。
そこでご紹介頂いたのがこちらのPrio様。
そちらの納品事例を見てたらフラスタパネルでの納品事例が多数あるわけですよ。納品事例を確認しながらフラスタ向けだと普通紙ではなく耐水紙の使用事例が多く、また耐水紙の使用を推奨する事例もあったことから「あ、こりゃあかんわ」ということに。
そのため、仕様を変更して耐水紙印刷でPrio様に印刷からパネル貼り付け・納品までお願いすることにしました。
カットラインも無料で作成できるとのことでフラスタ企画の場合結構お願いしている事例もあったんですが、今回は自分で作成することに。
ちょっと凝った名刺を作る関係で(特殊加工こそしないものの2つ折りだったり画像切り出しの関係とかで)でIllustratorのサブスク契約をしてたんで手元にIllustratorだけはあるんですよ。
上のイラストボード2枚はA3ヨコサイズ(420mm×297mm)の出力テンプレートに貼り付けてカットラインを作成。下のメッセージボードは協賛者様のお名前と背景色(奈緒のイメージカラーを採用)、奈緒といえばソロ1stシングルの曲中にある「虹色橋」イメージより背景に虹を描いて……となりました。
(余談ですが、この虹、曲線を描いて線を太くし、コピペでずらして一本一本色を変えただけという……)
フォントはイラストがCute方向に振り切っちゃってたのでそれに合わせて手書き風フォントを選択。アオハライドとかアクタージュとかのロゴで使ってたイメージで。あーアクタージュ、原作無しで復活しねぇかなぁ
このボード、文面ができるのは集金作業が終わってからだったりします……
(協賛者様とボードへの名前の希望が確定しないと作成できません)
もし、あなたの手先が器用でA3インクジェットプリンターとA3ラミネーターが使用できるなら、ボードの自作もありかなとは思います。
(A3サイズのインクジェット専用紙に印刷し切り抜いてからラミネート加工)
・お金の作業(1)集金日程を決める
まずは集金日程を決めます。
お花屋さんからパネルなどこちらから支給するアイテムについて納期の連絡を受けていると思うので、これが集金日程の決定に必要なポイントになります。
あとは銀行振込を主体とするのか、PassMarketなどを主体とするのか、支払をカード等で自分で立て替えて後日精算にするのか、協賛金で直接払うのかで若干話は変わってくると思います。
協賛金での支払とするなら、ポイントは一番の大口となるお花屋さんへの支払日程。少なくともお花屋さんへの支払期限よりも前に集金が完了している必要があります。自身で立て替えるならこの制約は無視できます。またこの場合、支払い方法は銀行振込とPayPayのみとなります。PassMarketなどチケット販売サイトを利用すると入金がイベント終了後となるので対応できません。知らずにやって痛い目見ました……
もう一つ注意したいのは給料日。一般企業は25日に設定している例が多いのですが、締日と元請けの支払の関係で月末や20日、あるいは頭の方に設定してあるケースも少なくありません。人によっては週払いで毎週◯曜日に支払いという人もいます。
週払いはさておき、少しでもライブ期間中に使えるお金を増やすために、早めに集金を済ませておくといいかなと思います。
これらを元に、集金日程を決めます。
まず集金の締切日ですが、必要なのは支給品の納期。この日までにお店に支給品(パネルや必要ならバルーン・模型・その他装飾物)が届かなければなりません。物流遅延も頭に入れて前日着とすると発送は2日前になりますね。
(地方ライブだと+1日~2日は見てください。特に沖縄公演や北海道公演で発注業者がヤマト・日本郵便以外を指定する場合、飛行機に乗らないので4~5日はかかります)
これに印刷所の原稿締切日を加算して原稿制作期間・確認時間を見越して最低でも印刷所の原稿締切6日前ぐらいに締切を設定する感じになると思います。今回の事例だと支給品納期が28日だった(と思いこんでた)ので、20日を支払最終締切にしました(実際は25日納期だったので、お花屋さんに確認し了承いただいて25日に印刷所に原稿入稿、28日パネル納品としました)
また、お花屋さんの入金締切がこの日程よりも前で、かつ協賛金で直接支払う形をとる場合、集金締切はお花屋さんへの支払い期限前に設定する必要があります。
集金開始日は多少余裕を持ったほうがいいのかなと思います。特に銀行振込を設定するなら1週間以上見たほうがいいかなと。
クレカがあれば24時間対応可能なチケット販売サイトと違って銀行振込の場合平日8時から18時以外は手数料を取られさらに深夜は休止となるATMも多いです。
・お金の作業(2)集金金額を決める
また、この段階でお花代とパネル代、必要なら絵師さん謝礼を積算して必要な金額を出しておきます。この段階で参加者さんが何人いて、この金額を頭割りしていくらになるのかを計算しておきます。この頭割りした金額を500円単位ぐらいで丸めて一口分の金額と設定します。
ただし、あまりにも一口単価が少額になりそうなら値上げした上でノベルティや楽屋花・出演者様へのプレゼントという形にしたほうがいいかもしれません。
Peatixだと決済手数料がチケット1枚99円+売上の4.9%、PassMarketでも売上の3.564%かかります。Peatixなら1口500円で募集しても実際に自分の手元に入るのは一口370円前後になってしまいます。これはもったいない。
銀行振込なら協賛者様手数料負担となりますが、双方とも同一銀行でネットバンキングという特殊条件のない限りは最低でも100円、下手したら300円400円の手数料を負担していただくことになります。
その辺の塩梅も考慮して金額を決めてください。
不足しそうなら複数口の協賛もありだと思います。
・お金の作業(3)集金の準備
ここまで作業ができたら、チケット販売サイトの登録を行います。
また、銀行振込で集金を行うなら、ネットバンキング登録を済ませておきます。毎日記帳に行くのは面倒ですし。
そこまでできたら、送付文をメモ帳アプリか何かで作成します。
また、PassMarketだと購入者アンケートでアカウントとボードに記載する名前を確認することが可能ですが、振込やPeatixやPayPayではそうした機能がありません。また、振込の場合本名名義のまま振込をするケースも多く誰の振込なのか把握できないこともあります。
なので、入金後個別DMを送ってもらって確認をするようにしてください。
(最低でも振込名義・振込金額・ボードへの記載名義の確認は必要です)
・お金の作業(4)集金開始のご案内
集金開始日になりましたら、TwitterのDMを利用して集金開始のご案内文を送ります。
しかし、個別に送信するとあっという間にTwitterのDM送信制限に引っかかります。サブスク登録で緩和されるとは言え、それでも1時間に20件がいいところです。
なので、グループDMを作成して送ることが最近では主流のようです。
なお、このグループDM、登録者相互でブロックをかけている場合作成に失敗するようです。
協賛者さんを複数グループに分けてそれぞれにDMを送ることを考えてください。
DM送信後数日たって入金確認が取れてない協賛者様には再度DMを送るなど、柔軟な対応をお願いします。
・お金の作業(5)支払い
主催者個人で立替・協賛金から支払いのどちらにしても支払いの作業が存在します。
お花屋さんに関しては事前にお花屋さんから日程の提示があると思いますので、期限内に振込で支払う形になると思います。
最近では別銀行でも即時処理となるようですが、即時処理とならない事があるようです。できるだけ期限前日までに処理を済ませておきます。もし期限当日になりそうなら先方に翌営業日付になる可能性があることをお伝えしておきましょう。15時以降の処理は翌営業日付になることがあります。
パネルなど購入品はクレカ処理がほとんどだと思います。与信残高に要注意を。購入品をお花屋さんに直送するなら代引き不可、振込払いの場合は入金後発送というケースがほとんどなので注意ください。
・集金締切後
集金を締め切ったら、協賛者様の希望する名前を書いたボードやイラストボードを作成します。
ボード自体のデザインは集金と並行して行って構わないと思います。僕は集金完了後に行いました。
集金が終わり、協賛者様の名前を全員分書き終わったら、一度JpegなりPNGなりで書き出してDMで送って確認してもらいます。
名前の順番は主催者さんの気分でいいと思います。今回は口数別に参加表明順でした。
問題なければ、パネル発注の上で印刷所の方に入稿して実作業は終わりです。
・お金の作業(6) 余剰金の扱い
今回の僕の事例では実際に掛かった金額に対し協賛金額が少なかったので残額自己負担で余剰金は出なかったんですが、参加した案件には余剰金が出た事例もあったので軽く触れておきます。
集金開始時点でお花屋さんやパネル屋さんの見積もりをもとに一口あたりの協賛金額を決めていると思います。しかしながら、集金開始時点で既に余剰が出ることが確定していることもあります。
(例えば、絵師さん謝礼やPassMarket手数料等諸経費等含め予算76000円なのに80人近く集まったので一口1000円の上限80人で締めた場合ですね。この場合入金だけで80000円近くなります)
こうした場合ですが、だいたい扱いとしてはこのような形を取ることが多いです。
1)楽屋花も贈る
余剰金額とお花屋さん次第ではあると思いますが、楽屋花も出すのも一案です。概ね5000円~10000円のものになるでしょうか。
このサイズだとヤマト他での配送も可能になるので、フラスタを出したお花屋さんが対応不能でも別のお花屋さんを頼ることもできそうですね。
(ただし、納品時間帯には注意を。時間指定がかかっていることが多いです)
2)寄せ書き
オンラインでメッセージを募って寄せ書き本を作成して贈ることもありです。
こちらで製本して配送までやって4000~5000円程度のようです。
3)プレゼント
余剰金額をもとに演者さんへのプレゼントを購入して贈るものです。
個人的にはセンスが無いのでやりたいとは思いませんが。
4)ノベルティ
缶バッジやポストカードなど、今回使用したイラストをもとにしたノベルティを製作して協賛者様にお渡しするものです。
大きさや用紙・納期にもよると思いますが、缶バッジが1個40~50円、ポストカードが1枚20円程度でしょうか。これに袋が別途でだいたい100枚入250円程度見てください。
一式で5000~10000円程度になるでしょうか。意外と掛かるんだなこれ絵師さんが別なら承諾を取りましょう。
◯イベント前後
・前日まで
お花屋さんが手配品の用意を済ませて実制作に入るのが2~3日前ぐらいからです。
そのくらいに最終的な打ち合わせが入るので対応します。
もしお花屋さんにご挨拶に伺おうと思うならアポを取っておきます。
・前日
搬入日です。だいたい午後ぐらいから搬入指定となっているのですが、お花屋さん任せで搬入立会は不要です。(そもそも1社で20本とか納品があるとかなんで立会なんてやれたらすごい)
搬入後お花屋さんから現地写真をお送り頂くので、DMで協賛者様に共有するといいと思います。
まれに現地不参戦でも企画には参戦する方がいますので、そうした方にはこういう形で還元してください。
他の主催者さんがどうされるのかは知りません(というかほぼほぼやってないと思います)が、僕はこの日の夕方お花屋さんに地元の手土産片手にご挨拶にお伺いしました。
だいたい対面無しで電話メールと銀行・宅配業者を介してのみのお仕事でしたが、一度ぐらいお伺いしてご挨拶ぐらいしておくのが礼儀かなと思いまして。
以前勤めていたコンサルでも担当者さんがこっちに来たり相手先本社の近くに行ったりと機会があれば元請けさんにご挨拶にお伺いしてたので、ライブで近くまで行ったついでにご挨拶に上がるのは自然な流れでした。
・当日
僕の方は当日は渡すものもないので協賛者様にお会いしてお礼を言うことに専念してました。
ただ、他の企画では余剰金が出た関係でノベルティを製作して配布する事になったため、その引取を受けたり、プレゼントがあるならプレゼントボックスに入れたりといった作業が必要になります。
ノベルティを製作する場合、両日現地チケットが取れなかったあるいは体調不良で遠征不能などの理由で当日渡せない事例が出るのでその場合の処理方法を確認しておく必要があります。
ノベルティ配布は早めに現地入りして対応するほうがいいと思います。開場1時間前には結構人がいるので場所の確保が難しいです。
また、現地参加不能な協賛者様向けに写真を撮影してDMで送付しておきます。
・終了後
早めに会計報告と謝辞をDMで送って企画終了となるかと思います。
ライブ終了翌日に報告が出せればいいのですが、副業の関係で難しいケースもあると思います。
(実際、自分が会計報告を出せたのが14日木曜なので……11日は夕方戻ってそのまま副業(夜勤さんです)だったという……)
自分の場合、最後にフラスタ企画をまとめて文章化し以降のアイマスやウマ娘等のライブイベントでのフラスタ企画での参考になればという思いもありこうしてまとめました。
副業の合間の執筆でほぼ執筆に1ヶ月ほどかけましたが。
◯最後に
当日はいろんなコンセプト・いろんな愛に溢れたフラスタが並んでました。(自分ではカウントしなかったもののお花屋さんいわく80本は出てたとのこと。6thナゴヤドームでは120本超えだったとも)
中には出演者宛だけでなくシンデレラバンド宛のものや愛知県出身アイドル向けのものもあり、相変わらず愛の方向が斜め上な同僚たちに感謝ですよ。
イラストを担当した時雨朱鷺也☆さん、実制作を担当していただいたフラワージョワさん、パネル製作をお願いしたPrioさんはじめ協力・協賛いただいたPさんたちに厚く御礼を申し上げる次第です。
このnoteが、今後誰かのフラスタ企画の役に立てばいいと思います。
最後に現物写真で締めにします、
![](https://assets.st-note.com/img/1696491061917-GppyJsjC9w.jpg?width=1200)
◯追記
2024年のSTARLIGHT FANTASYライブでSakaseruさんのクラファンサービス「minsaka」さんを利用した事例があったのでユーザーサイドで見た感想を簡単にまとめておきます。
個人的には他店利用であってもminsaka利用はかなり魅力的ですね。
・メリット
参加表明と同時に入金可能なので払い忘れがなくなるのは大きなメリットでした。
企画者さんによっては支払いスケジュールをDM等で流してくれない事例も多く、払い忘れキャンセルがたまにあるんです……
また、企画側としてもかなりメリットは大きいです。特にSakaseruを利用してフラスタ制作をお願いする場合、フラワースタンド代を負担しなくていいのは大きかったです。
また、minsakaさんのルール上、出金のためにきちんと会計報告を打つ必要があるので、そのあたりは非常によかったです。
・デメリット
フラスタの制作を他店に依頼する場合、手数料が高くなります。
PassMarketが売上の3.564%に対してminsakaは売上の10%。60000円を集金すると手数料額は約2100円と6000円+振込手数料となります。但しSakaseruでフラスタを制作すると手数料は銀行振込手数料のみとなります。