【WIXOSS】原子リルのすすめ
序文
柳田國男です。
ディーセレのリル、面白いんで使ってください。
貧しい神道学者、即ち亡き父を念頭に置いて2022年11月環境──いわゆるREUNION環境になった『WIXOSS』の大型大会「ディーヴァグランプリ4th」で2%という驚異的な使用率を叩き出した超大人気ルリグ、リルの話をさせてもらいます。
GP4thではルリグトップ賞をいただきましたが、いわゆる「マイナールリグでトップ賞狙いにいく」記念受験的なものとはちゃいまして、マジで「ある」と思って握って行きました。
何が言いたいかっちゅうと一年前からずうっとこのルリグを使ってきた僕の限られた語彙の中で、チャーミングで示唆に富んだゲームを提供してくれるリルというルリグの魅力を史料として書き残しておきたいっちゅうことです。
GP4thの戦績は次の通り。パッとしたものではありませんでしたが、本人の腕のせいというところはありそうです。
花代 後 ○
タウィル 先 ○
デウス 先 ×
リメンバ 先 ×
ディーヴァセレクションにおけるリル
「殲滅へ頂点へ一歩 ヒラナ」をはじめとした破壊力の高いディーセレ赤ルリグの面々の中で比較的穏やかな性分のルリグであることは敬虔な読者の皆様は既にご存じのことと思います。
その中で「コイン獲得」という個性を持ったように見えるこのルリグ。だけども、コインというリソースは手札と違って単体では機能せず、エナと違って色も何も参照できない最も情報の少ない無個性のリソース。
それを主軸にするリルは、デッキに入ったコイン技に応じた個性を持てるルリグとも読めるわけやね。
数あるコイン技の中で環境にハマるカードがあれば強い。そういうルリグやと思ってます。
最新ブースターパックREUNION DIVAで収録されたコイン技持ちのカードはは「羅原 華代//メモリア」と「蒼英姫 リメンバ//メモリア」の2種。いずれも強力やね。
今回はREUNION環境とマッチした能力を持つ「羅原 華代//メモリア」という新しい個性で可能となった構築、原子リルを紹介させてもらいます。
デッキリスト 「原子リル」 解説
このデッキのリルはコイン技により序盤の面空けの安定とトラッシュ回収による終盤の盤面安定を個性として獲得しています。その個性をベースとしてフレイスロやハルバード、グズ子といった効果得点でのゲームスピード加速とH2Oの防御性能でのゲームスピード低下を相手によって使い分けることが可能やね。
サシェを仮想敵として強く意識しとりまして、GP本戦では残念ながらマッチしなかったものの、ミニトーナメント、バトルラッシュにおいてはサシェ対面2-0できており、コンセプトはしっかり満たせていると言えましょう。
ルリグデッキ
原子のための青枠ルリグ。かつ序盤面空けの要です。
リルはオープン時1コイン、3Lvで4コインとコインルリグの中でスロースタータータイプとなっており、それが逆にアシストのコイン加算と嚙み合ってますね。
小装リル//メモリアと組み合わせて積極的に面を空けていくわけです。
続けてこの子。ナナシ・探索。
昨今では開幕ウルトラスーパーヒーローズによるデッキトラッシュを貰うケースも増えており、序盤で小装リル//メモリアやランスロットを引き込むことが容易になります。
初手に出した小装リル//メモリアが処理されてもよくなる、というのもポイント高いです。
アシストであーやを使いこなすことができるデッキにのみ与えられた特権、アタック時の回避判定による防御アシストやね。
リルはアシストが早い段階で両面Lv2になっているとコイン獲得数が増えるため、早乗りをしたいルリグです。それともよく嚙み合ってる。
ダッシュヒラナ等、タマおーらを使っての連続アタック系のショットデッキに対して強く出れるのが明確な強みとなります。
こちらのGP4th入賞デッキの中で唯一あやをアシストルリグとして採用しているデッキであるため、ホログラフを使えるのがリルの強みの一つと言っても過言ではないかもしれません。
0面防御になった時にも落ち着いていきましょう。クールなお兄ちゃんでありたいものです。
名前の通り無数の選択肢を与えてくれる女。
どれも非常に有用な効果ですが、対面次第でLv2からグロウして効果を使う必要もあるので、グロウコストが捻出できるように注意しないといかんとこはあります。
ピースは一覇一絡とCan’t Stop Pretty!です。
リメンバ//メモリアやサシェなどにエナを絞られても動けるよう、安いコストでしっかり仕事をするピースを採用しています。
メインデッキ
Lv1は小装リル//メモリアと華代//メモリアを主にプレイしていきます。Gaなど5000シグニもよく出します。
華代メモリアは自動能力で手札交換しつつ相手シグニをバニッシュできるため、Lv1時に相手シグニを全滅させ、早い段階から手札にプレッシャーをかけることが可能になっとります。
また、起動能力は小装リル//メモリアが使えない場合(キョウシュウなどで固められてるケースやLBで除去ができてしまっているケースなど)にあーやアシストのコインが溢れてしまうため、序盤で打つこともあるでしょう。
サシェ対面ではシグニアタックができず処理できなかった強力なシグニをターン終了時にどけることができる点で環境にマッチした能力を持っていると言えるでしょう。
REUNIONで追加された赤の原子シグニ、エタン。
一目見た時「弱そう」と思いませんでしたか? 僕は思いました。
オイゴナを焼くためだけの採用だと弱いですが、このデッキではトラッシュにいるだけでも複数のスマートな面空けプランを提示してくれる存在です。
例えばH2、グズ子と並んでいる盤面では
グズ子起動⇒H2に重ねてエタンをライズすることでグズ子の-3000と併せてエタンで5000ラインまでバニッシュ、H2でハンデス、舞踊の記憶リルで手札交換という動きがエナ0で実行できます。
ナナシ・ご選択で-10000した12000ラインのシグニを取る動きもよいですね。
インスピレーションを叩き込んでくるような美しいパスを生むこの新しい赤原子はさながら原子界の蜂楽廻。横顔もよう似とる。
このデッキの無数の相互シナジーの中で個性を主張し続ける素晴らしいシグニです。
使い終わった後もH2Oのライズ素材になって無駄がない点なども評価ポイントですね。
その他の原子's
羅原姫 H2O ×4
羅原 Ga ×4
羅原 H2 ×3
羅原BP, Pa, Se 各×1
「原子リル」と言われるので原子リルと言っていますが、このデッキではできる限り原子を絞っています。赤シンボルが少なくてきついからですね。
しかし原子クラス参照の効果も多く、絞ると言っても最低限必要な枚数というのはあります。この採用枚数は、僕がREUNION発売からずっと回してきた中である程度の納得を得た枚数となっております。
H2が3枚なのは「みこみこ☆きらっきら」のせいです。しかしながらみこみこが隣にいない対面では依然として強いのでこれ以上削れない、難しい部分です。
パワーマイナス付き下級シグニはあくまで選択肢になるべく投入されているという認識でよろしいでしょう。
LBで手札が伸びた時、H2OのLB登場、華代//メモリアからパワーマイナスに繋げたい時などなど、必要になるケースはそれなりに多いです。
武勇's
リルと相性抜群の「紅将姫 リル//メモリア」やランスロットなど、武勇シグニ達はやはり入ってきます。
紅将姫 リル//メモリア ×1
紅将姫 クーフーリン ×1
紅将 トリスタン ×1
紅将 ランスロット ×3
「紅将姫 リル//メモリア」は出現時にエナコストを支払うことでトラッシュのH2O、エタン、クーフーリンを出すことができます。コスト自体は高いですがバニッシュをほぼノーコストで行えるので選択肢としては悪くありません。
クーフーリンはこの武勇枚数でも十分に運用でき、サシェ対面でアタックできないシグニとして置いておくポジションにも丁度よいです。15000に取られない16000H2Oを作ったり、15000を取りにいく等、今の環境にしっかりマッチしています。1枚からライズでき手札交換にも繋がるのも強みです。
トリスタンは早い段階でリミットが8になるこのデッキで防御的な選択肢を取りたい時にトラッシュから拾うことが多いです。このターン耐えれば勝てる…!というケースのLv2枠として1枚採用。テュポーンのほうが堅さはありますが、クラスと色の兼ね合いでこちらを選びました。
このデッキの中核を担う最重要シグニ、グズ子。
他のルリグでは実質ゲーム1となるコイン3の大技も、リルは毎ターンのように使用できます。
その効果は-3000のおまけ付き蘇生。コインという相手の干渉を受けないリソースから盤面を形成できるため、ハンデスを受けても粘り強く戦えます。
手札を温存できるため、フレイスロ団長ともすこぶる相性がよろしい。
なぜデッキのキーカードが2枚採用なのかっちゅうと運用できる最低枚数だからですね。これ以上増やしてデッキのカードの種類を減らすと、それだけグズ子の選択肢が狭まって弱体化することになります。
5エナ効果得点の自動能力は極稀にですが使用します。グズ子で詰めるプランの場合は黒シンボルが大事になるのでエナを整えておく必要があるでしょう。(それでも最後はご選択で運否天賦のエナチャージになります)
このデッキには採用していませんが「大幻蟲 アロス・ピルルク//メモリア」と併せて-5000したり、「緑英姫 ママ//メモリア」を軸に自動能力を何度も使う構築ができたりと、常にリルデッキの可能性を広げてくれる存在なわけですね。
「コードハート リメンバ//メモリア」を倒す重大な役目を背負ったスペル。
このデッキは起動能力をやったら使うので「コードハート リメンバ//メモリア」が立っていると苦しいです。
それを追加コスト要求なしで取れるスペルは重要なため、採用。
もう少し投入したいところですが安定性とのトレードになるうえ、枠もないので難しい。必要な時に気合と手札交換で引いていきましょう。
蘇生選択肢's
轟炎 フレイスロ団長 ×1
大装 ハルバード ×1
コードアンシエンツ ファラリス ×1
フレイスロ以外の2人は比較的自由枠。ここを入れ替えることによって詰めプランやゲームメイクに変化を付けられる部分になっとります。
GP4thでは攻撃力を高めたほうがよいと判断しハルバード・ファラリスを投入しましたが、リルと相性の良い「大幻蟲 アロス・ピルルク//メモリア」も採用候補筆頭でしょう。
しかしながら、リフレッシュには常に気を配るよう注意が必要です。怠ればライナイ。
おわり
選択肢の多いプレイ体験を提供してくれるディーセレREUNION環境での原子リルを紹介させてもらいました。
大した結果は残せませんでしたがこのリストを握る人間が僕でなければあるいは、と思う所もあり、まだ可能性のあるアーキタイプと見ています。
全く違うアーキタイプのリルが今環境でセレモニー入賞などしたらその時私は自説を修正せねばならないでしょう。
こんな場末の記事を読んではる敬虔なカードゲーマー諸氏には語るまでもない部分もあり冗長だったかもしれません。
この怪文書を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
年末もよいウィクロスライフを。