ゴジラとクイーンと私。

キラ子です。

土曜日は映画館に入り浸りました。ちょうど見たい映画が2本、9日に同日公開されたのと、タイムスケジュール的にもばっちりだったのではしごしました。アニメ版ゴジラ3部作の最終章である「GODZILLA 星を喰う者」(以下、アニゴジと略します)と「ボヘミアンラプソディ」です。

「GODZILLA 星を喰う者」舞台挨拶が楽しかった!

さて、アニゴジですが……舞台挨拶のライブビューイングもあるというので当日にもかかわらずチケットがとれたという段階で世の中の盛り下がり具合をつくづくと噛み締めました。内容はもう案の定というか、ダークネス虚淵ワールドでしたね。最初から最後までハードだった。あとすごい○○だった(皆さん好きな二文字を入れて下さい)。

私は声優好きでもあるのでそっち目線の感想としては、

いつもの宮野真守

いつもの櫻井孝宏

ウッキウキの杉田智和

て感じでした。あと、ちょい役ですが鈴村さん出てきましたね。寒色組大歓喜。ですがプリンセスはあまりアニゴジを見ない気がする……。

リアルでは周囲に宮野さんのファンが多くて凄く言いづらいんですけどね。私、実は宮野さんが苦手で。アニゴジも、ゴジラだから三部作頑張って映画館で見たんですけどやっぱり宮野さんは宮野さんだなーと思いました。誰と当たってもやることが何一つ変わらないレジェンドレスラーみたいなものだと思えば腹も立たないのでいいんですけど。

そういった好き嫌いは抜きに三部作振り返ってみるに、一番ぐっときたのは第二章の諏訪部さん演じるガルグのセリフでした。Fate/Zeroでも、まどかマギカでも、Thunderbolt Fantasyでも語られる綺麗事では済まされない英雄論についてあの声で語られるとね……。それを諏訪部に語らせるか! と。氷帝200人を束ねるキングじゃなくて、赤い外套の弓兵的な意味で。ゴジラ要素の全然関係ない部分ですけどね。

でも「シン・ゴジラ」、凄くよかったじゃないですか。映画館で4回見ちゃいましたからね。その直後にアニメ版ゴジラやるって発表されて、脚本は虚淵玄!って聞いた瞬間、ああ鎧武みたいになるんだろうなとは思いました。だいたいあってた。第一章の回想の時点からもう絶望しかなかったですしね。

これ「ゴジラ」とかいわなければ全然評価も違ってたと思うんですよ。ゴジラをオマージュした別の怪獣映画であればまだ……。

と、この歯切れの悪さから察して下さい。とりあえずタイムスケジュール的には大丈夫だけど見るかどうか迷ってた「ボヘミアンラプソディ」を迷わず見ることに決めた私の行動から……察して下さい。いやまあ、世の中にはもっと胸糞悪い、意味のわからない作品はたくさんありますからね! 

そして舞台挨拶なんですけどやっぱり宮野さんは宮野さんでした。監督の裏話とか聞けてよかったです。花澤さんも可愛かったですね、年相応に。櫻井さんもかっこ良かったので、満足です。あと櫻井さんが「第三章はじまるまで僕があやしいと思う人はいなかったと思うんですけど」と言ってたのが最高でしたね。(会場から「ないない」と総ツッコミが入っていました。)

「ボヘミアンラプソディ」フロントマンに振り回されるギタリストはだいたいいい人。

向こうのトレーラーすごくかっこいい! 日本版と見比べても、やっぱりこっちのほうがいい。

クイーンは昔から好きなんですよ。遡ればその昔、FMでやっていた布袋寅泰の「ミュージックスクエア」という番組で教えてもらいました。そこでは毎週のように、布袋寅泰の音楽を形成したであろう洋楽の名曲が流れていました。レッド・ツェッペリンもELOもエルビス・コステロもデビッド・ボウイも、この番組で知りました。クイーンもその一つです。ラジカセがあったのでカセットテープに録音して、自分の部屋でずっと聞いていましたね。

要するに布袋寅泰は私に洋楽ロックを教えてくれた偉大な先生なのです。でもあの時代、皆そうだったんじゃないかな。ギタリズムシリーズは全部大好きですし。

ちょうど時期的には、フレディ・マーキュリーが亡くなる前後でした。病が公表されたのは亡くなる前日だったんですよね。新聞で読んで、その翌日に亡くなったとまた新聞で知り二度びっくりした記憶があります。記憶違いかと思って調べ直した間違ってなかった。しかも当時は不治の病とされていたエイズが原因の肺炎だと。ただ、ネットがない時代ですから、子供だった私はそれがなぜ引き起こされるのかよくわかっていませんでした。薬害エイズ問題ももそのあとの話ですし。当時はバブルの残り香もあり、物騒なことといえば湾岸戦争くらいのもので、それも海の向こうの出来事って感じ平和を享受している時代でしたよね……。

と前置きが長くなってしまいましたが、とにかくクイーンです。何せ偉大なるバンドの足跡を2時間強にまとめるので、いろんなことが駆け足でした。だけど時代に即したファッション、髪型のすべてが懐かしい。映像資料も豊富にある時代ですからね。フレディがガールフレンドと知り合って、普通に恋愛していくのでおや?と思いましたが、そこからが怒濤の展開で、え、えぇ……!? となりました。なんというかもう、ご馳走様でした

年齢制限もなく、そしてまだ世界においては宗教的にもセンシティブなものも孕むためいろんなところがフンワリと暗示されてゆきます。ただそれはともかくとして表現者としても突出した才能を持っていたフレディ・マーキュリーが好き放題すぎて、ギターのブライアン・メイを始めとする他のメンバーがめちゃくちゃいい人でした。「アンヴィル 夢を諦めきれない男たち」もそうでしたけど、フロントマンが天才過ぎると、周囲は振り回されてやがて聖人化していきます。結果、許しのハードルが下がりまくるのです。

クイーンは親日家なんですよね。映画の中でも、フレディは部屋着に派手な襦袢をまとい、部屋に日本の絵画をかざり、お寺でもらうお札まで張っている(柱に)。ちょくちょく出てくる日本アイテムをチェックするのが楽しかったです。

あと。愛猫家のフレディは有名でしたから、自宅のあちこちに猫がいます。またこの映画に出てくる猫ちゃんたち、皆可愛い! 1/4くらいは猫映画といってもいいのではないか。口元もぷっくりしていて演技上手。猫だから、演技している自覚はないだろうけど。

とにかく楽しい映画でした。もうちょっとこれが欲しかったな、とか思うところはないわけではないけども。たとえばデビッド・ボウイと共演した「Under Pressure」とか流すならボウイ出してほしかったよ! とかそういうのを挙げたらきりがないんで削られたんでしょうけど……。

日本の映像もバンバン入ってますね。

ちなみに最後のライブシーンは、実際の映像もYoutubeにあがっているので映画を見た後に答え合わせをすると楽しいです。ピアノの上に置かれている紙コップまで再現してやがりますからね! ステージセットの大きさ(やたら高い)、マスコミブースのいたるところまであますことなくそのままです。映像資料があるのは強い。もちろんメンバーの衣装もパフォーマンスもそのまんまです。むしろ演者のプレッシャーも相当なものですよね。映画を見た後にまたこうして映像で見ると、ブライアン・メイにいい人のオーラが出ていますよ。もはや後光がさしているといってもいい……仏のように見えます。なんの変哲もない白いシャツだし。なおフレディは白いタンクトップ。白揃え、いいですね!

その後のことについては映画では本物の写真とテキストだけで触れられます。なお最後にできた「友達」、ジム・ハットンのその後を調べるとまた凄くて泣きました。Wikipedia見て泣いたの初めてだわ。

とまあ、そんな感じで見事に口直しができたのでした。あっ口直しとかね。あれですよ、ライブビューイングのスイッチングが下手すぎて苛々した口直しです。寄りのカメラずっとピント合わないままだったし……。辛かった。

だいたい私のキラキラ消費というのはこんな感じですよ。ええ、全部お一人様で過ごしました! 自分でスケジュール決めて動けるのって最高です!