親戚に娘がキャバ嬢になったことを自慢された頃の話。
キラ子です。
先日ぼんやりとネットで調べものをしていたら、凄い広告が目に入りました。
「昼の仕事未経験でもできる!可愛い社長秘書になって稼ぎましょう」
うわあ。
一応「フリーターやキャバクラからの転職OK」と書かれていましたが、ようするに昼の仕事をしたい水商売の女性をターゲットにしている広告なのです。しかし私が実際に目にした耳にしたこういう夜職からの転向組は、相当頑張らないといけない気がします。
朝起きるとか決まった時間出社するとか、書類を手続きにのっとって処理するといったごくあたりまえの業務を「こんなに大変な仕事なのにキャバ時代より給料が安いなんてやってられない」と言って戻ってゆく人も多いですね。でもそうしているうちに歳をとって夜でも稼げなくなり……という、負のスパイラルです。
「水商売で働いている女性に社長が絆されて入社させた結果、仕事をしない姫状態なのに男性社員はデレデレになり女性社員が皆反発し、結果職場が崩壊した」という話もよく聞きます。友人の派遣先であったんですけども。部署の全女性社員(10数人)が一斉退職とか、普通に外聞が悪いですよね。社長になると気が大きくなるのでしょうか。飲みに行った先の女性を「自分のところで働かせてやるよ」なんて言って連れてくる社長、けっこういるみたいですね。私も過去にありました!
もちろん水商売をやっている方でも要領よく、いい感じの男性と結婚して幸せを掴む人もいるんでしょうけどね。人はその瞬間の「楽」に流されやすい生き物です。私の親戚にも一人いるんですが……今日はそんな切ないことを書いてみます。
といっても嫌いな親戚の話なので、簡単にいうと悪口です! どうせ向こうはこんなネットの片隅は見ちゃいないでしょうから大丈夫、大丈夫。イナ○の物置に乗った気分で読み流して下さい。
親戚の彼女は私より3つほど年下で、昔から乱暴で、歳が近く同性だからという理由で一緒に遊ばされていましたが、本当に嫌でした。彼女の親というのもなかなかの吝嗇家で、彼女とその兄に据え置きのゲームを買い与えながらも「電気代」として、毎月二人のお小遣いから500円を差し引いた額を渡していました。私の母は、そんな親戚のことを当然あまりいい感じには思っていませんでした。そのケチケチ度合いは親戚付き合いにおいても発揮されていたからです。
彼女はあまり治安のよくない地元の中学へ進み、見事にヤンキーに染まりました。少し家から離れた、自分の名前さえ漢字で書けば入れる高校に進学したものの、2年半ばで中退。彼女の母親は
「辞めるくらいなら行かせなければ良かったわ。学費が勿体なかった」
と言う始末です。このあたりで私の母はもう付き合いを控えようと思ったそうです。思ったのにやめられなかったのは、母の勤務先のビルの下で中退した彼女(未成年)がヤンキー仲間と煙草を吸うなどの行為に走り、その都度親に文句を言ったり揉めたりしていたのです。それでもやめないのだから、あれは母への嫌がらせだったのかもしれません。田舎で唯一のヤンキーが集まれそうなたまり場(ショッピングモールがある)だったからというだけかもしれませんが……。
そんな彼女も18歳になり、無事、たまり場を卒業し水商売への道へと進みました。私はまだ大学生で、アルバイトに励んでいたのですが、法事のときに彼女の母に給料を聞かれました。5万くらいと答えたと思います。
彼女の母は言いました。
「うちの○○ちゃん(彼女の母は自分の娘をそういう呼び方をする)は月に40万稼いでくるの。キラ子ちゃんは大学へ行ってるのに、5万しか稼げないのね」
完全に小馬鹿にした態度でした。
えぇ……。
そもそも、大学生ですからね。「大学まで行かせても○○ちゃんより稼げなかったら意味がないわね」的なことも言われました。負け惜しみだとは思いますが、イラッとしましたね。この間も書きましたが、私のアルバイトは最低時給でした。土日に一所懸命働いてもそれが限界なのは当たり前で、前夜も仕事をしていたのか、法事の最中に酒臭い息を吐きながら居眠りしている彼女(※未成年)の親に言われたくはありません。ついでにいうとその法事はそんな親戚の仕切りで行われたのですが、花がいわゆる仏花じゃなかったので不思議に思っていたら、先日お店であった彼女の誕生日に貰った花を流用したのだ、とこれまた自慢げに彼女の母に言われました。コストカット上手とでも言いたかったのでしょうが、道理でしおれかけているはずです。というか、せめて黙っていてほしかった。スイートピーとカスミソウが供えられた法事。来た他の親戚もドン引きでした。
私も馬鹿負けして、というか何かを言い返す気力もなくなり、あとでそっと母にだけ報告しました。母は
「今40万稼げていても、いつまでもそんなに稼げるとは限らないのにね」
とだけ言っていました。
あれからまあ、10年以上経過している今は、向こうも私と母に会いたがらないみたいですね。理由は知りませんけども。
親戚の情報によると、彼女は、30歳を前にキャバクラをクビになったか、辞めたかしたそうです。数年前の情報では、実家暮らしで地元の工場でパートしているという話でした。あの母親が無職の娘を無償で家に置いておくわけもないですしね。吝嗇もそんな風に好転することはあるんだなと思いました。
結婚したとは聞きません。が、相変わらず低い地元の最低時給から考えるに、たぶん今の私の月収を上回っていることはないでしょう。田舎ですしね。むしろ、落ちるところまで落ちなくてよかったというべきでしょうか。田舎すぎて落ちる底があまり深くないのが幸いしました。まかり間違って東京に出てきたりしていたら本当に新宿と大久保の間あたりで以下略、になっていてもおかしくなかったでしょう。
そもそも私の親戚ですから、顔だってたいして良いなんてことはありません。学もなく、顔もよくなく、若さだけを武器にそのときは闘えても、その先がどうなるかなんて少し頭を使えばわかることです。
稼げるときに稼いだ後の処し方を失敗するとこうなるという典型例だと思いました。水商売だけじゃないですよね。「WEBの知識0だ(し学ぶつもりもない)けど、プロブロガーになって稼ぎます!」とか言ってる人にも知ってほしい話です。若くてちやほやされるのは今だけで、ネット上でしか知らない相手の面倒を一生みようと思ってる人なんていないわけですから。
ちなみに彼女の兄はその点堅実で、高校の工業科で資格をとりまくって地元企業に就職し、結婚して離婚してもう一度結婚して子供も生まれ、相変わらず車高の低い車で出歩いているみたいです。典型的なマイルドヤンキーですが、「子供がいる、家庭がある」というだけでキラ子の親族の中での評価は私より相対的に高いです。かなしい!