引きたいのはそっちじゃない
・6分の1のハズレ
ちょうど秋から冬に変わろうとしている季節の頃。何年か前によくある大手の電気屋で、コーヒーメーカーを母と娘の3人で買いに行った時の話。
入り口の定員さんに
「ご来場者様限定サイコロくじやってるんでどうぞ~」
と声かけられてやったんです。まぁよくありますよね。
そのサイコロくじってのが、バスケットボールぐらいの大きさのサイコロを振って、出た目によって景品が変わるってやつだったんです。
1は大当たりでコップや手帳やらを選べる。
2~3はサランラップかティッシュ箱。
4~5はトイレットペーパーかクリアファイル。
6はハズレ。
こんな感じだった気がします。
私「これってもう6分の5は当たりじゃないですか。すごいですねー。」
店員さん「そうなんですよー持って帰っちゃって下さい。」
なんだかお茶目な店員さんと話しながら始まったサイコロくじ大会。最初は娘から。
「子供ってこうゆうのよく当たり出すよね」
って言ったらホントに1が出て、
「おぉー!さすが子供の無欲パワー!」
とか言いながら、母もサイコロころころして、3が出てサランラップ貰って、わーい。そして私がサイコロを手にしたその時。
ピ―――ン
....嫌な予感がする。
(出すんじゃねぇかな。”6”。)
コロコロコロコロ。。。。。。
”6”なんです。えぇ。
黒くて丸いのが6つ並んでるんです。何度見ても。
(こうゆう時だけ勘って当たるよね)
いや、サイコロ振る前はほぼ当たりなんだから出すわけないだろって思ったけども。
もう笑うしかない。しっかりフラグ回収致しました。
娘と母は6分の1の当たりだったとしても、その当たりを引いてくるタイプの人なんですけど、私はなぜか6分の1のハズレを引いちゃうんです。(実際色んなガチャポンやら抽選でテレビとか肉とか色々当ててる)
母「あら~。日頃の行いかねぇ~。」
私「...だからねぇ~(苦笑)」(心当たりしかない)
娘「だいじょうぶよ!ママの分までミサが当たるから。」
ありがとう。6分の1のハズレも悪くないなって。娘を産んでよかったって。人の事フォローできる子にいつの間になったんだろうか。ほんとにちょっとした事でも娘から心の栄養を貰えて私は幸せだなって。(大げさかよ)
一緒に笑ってくれた優しい店員さんから、ハズレ賞のポケットティッシュを貰って、帰りの車で「6分の5は当たりなんだよー!」とか言いながら、3人で笑いながら帰った。買って帰ったばかりの新しいコーヒーメーカーで淹れた珈琲は優しくて私好みの味だった。いい買い物したな。
世の中に私みたいなタイプの人いると思うんですよ。
「そっちじゃねーよ」って薄い確率引いちゃう人。でも、その分ちょっとした当たりでも普通の人よりも嬉しいが多いと思うんです。小さな事でも喜べる大人になりたいよね。私もなりたい。
母いわく、期待しない方がよく当たるらしいけど、それで言ったら私は毎回期待しまくってる事になる。(強欲かよ)
その年が明けて神社に新年のお詣りへ。恒例のくじ引きやって、娘は大吉なのに私が大凶引いた時は、
「だからなんでだよっ!吉ぐらい引けてもよくない!?」
ってちょっと大きめな声で言った。
忘れた頃にやって来る反転の引き。
これは治らない病気らしい。
6分の1のハズレ 完
最後まで読んで下さって、本当にありがとうございます。
他にも反転の引きエピソードあるんですがそれはまた今度。