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アイシードール問題から考えるカスタムブライスに対する私見

自分もカスタムを嗜む者ですが、私は製品として完成された人形に手を加えて自分好みの子を生み出す楽しみの裏には実は背徳感も持っていて、罪悪感もゼロではない。

だから私はプーリップのカスタムでは削り、盛りは行わない。ボディもよほどの不具合がなければ行わない。

それはカスタムを【させていただく】際の自分の中の一線であり、プーリップの造形やブランドに対してリスペクトと敬意を示す意味があります。

自由にドールカスタムが行えるのは、ライセンサー、ライセンシーが製品のプロモーションの一環として消費者の個人の楽しみの範囲としての製品カスタムを容認してくれているだけの砂上の楼閣だと思っています。

《数多くのカスタムドールが存在しますが論点を絞るためにここからは特にカスタムブライスに限定して取り上げます》

ブライスのカスタムが特に世界的にも盛んなのは、私が思うにCWCさんがCSR(企業の社会的責任)活動の一環としてチャリティーイベントを長年に渡って開催しており、その収益を社会貢献団体に寄付しているという側面が大きいと考えます。

これがカスタムブライスが高額で売買される理由の一つで、社会貢献的価値という付加価値も含まれています。

決してカスタム技術が優れているから、可愛いからだけが理由ではないと思います。

また、チャリティーイベント用の作品提供を公式に依頼され、そこに自分の作品が並ぶことはブライスカスタマイザーにとって名誉であり、そのチャンス獲得のためにこぞって日頃からブライスをカスタムしているのではないでしょうか?

ではその視点で日々 SNSやフリマアプリ上で個人間で売買されているカスタムブライスを覗いてみるとどうでしょうか?

CWCさんの企業姿勢に便乗して個人の利益をあげているウェイトが強いように見えるので私は少し違和感を持っています。(一部には個人でチャリティー的なスタイルで活動されている人もいると思いますが、みなさんはどう感じられますか?)

そして、さらにカスタムアイシードールの売買の問題が乗っかっていっそう複雑になっています。(そしてそれは例え正規品でも模倣品でも元のドールが分からなくなるくらいの改造が行われ、可愛さのためなら際限のない行為にも見えます)

ブライスのカスタムを個人の趣味の範囲で嗜むのは自由ですが、それを販売して利益を得るのは個人の趣味の範囲からはみ出します。

プーリップという近いけど別ジャンルにいる外野の私が苦言を呈するのはおこがましいとは思いますが、カスタムブライスが置かれている状況、カスタムのあり方、カスタムブライスを売り買いする意味を、売る方もお迎えする方も一度冷静に捉えて、ご自分のスタンスや判断基準、ドールに対する価値観を改めて考える必要があるのかも知れません。

そしてそこがアイシードール問題を消費者の側の立場から解決する端緒になるのではと思います。

まぁそもそも偽物が出回っていなければこんな面倒くさいことを考える必要はないんですが、もうアイシードールについては一発逆転の有効な手立てなしの末期状態なので、ユーザーの意識やモラルの向上で模倣品を排除していかなければ、最悪 公式イベント以外でのカスタムブライスの売買が禁止される未来もあるかも知れませんね…。

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