自称AI絵師が考える「絵柄割れ厨」という呼称について
せっかくnote設けてみたのに書きたいネタが無かったのでずっとゼロ更新でしたが…
ようやく書いてみる気が起きたのでちょっとね。
そもそも「絵柄割れ厨」ってなによ
この鮮烈なワードはここ数日で生まれた「AI絵師」を指す新たな呼称です。
…あぁそうでした、ここでは面倒なのでAI術師とかAI召喚士とか、その部分を論ずる記事でもないので、とりあえず「AI絵師」で統一させてもらいます。
で、絵柄割れ厨とは
とのこと。
もう少ししっかり説明すると、他人の絵柄を模倣してAIイラスト出力して
世間に公開している人を指しているようで、
どうやら今年の冬コミにAI絵師がアサインされたということだ発生したという経緯のあるワードのようです。(というかそうなんですけど、間違ってたら教えて)
AI絵師として「ねぇねぇいまどんな気持ち?」
これは当たり前ですが、AI絵師を代表してというよりは個人の感想です。
ちょっとイラっとするかもしれませんが、ここを読むならちゃんと下まで読んで欲しいです。
(じゃないと私がただの嫌な奴になってしまうのでw
どんな気持ちかというと、複雑です。
ちょっとここからは少し画像生成AIから離れたもので説明します。
そもそも、AIとかアルゴリズムとかそういった辺の先進技術というのは、
とても悲しいことに様々な人の"何か"を犠牲にすることで発展していくものです。
例えば、分かりやすい例だと皆さんの使っているスマートフォンとウェブサービス。
Googleは(最近そうでもないけど)有用な提案をしてきたり、面白い記事をDiscoverで紹介してくれたり、Gmailの返信を提案してくれたりなど、
便利なサービスを提供してくれていますよね。
でも、なぜそれができるかといえばあなたの個人情報を収集しまくっているからです。
特にAndroid端末を使っている方は、顕著で
「何時にどのアプリを使って、何のサイトにアクセスしたか。」とか
「何時にどこを出発して電車に乗ってどこそこへ着いた」とか、
ストーカーもびっくりなレベルで収集しています。
Googleは否定していますが、Gmailの内容もバッチリ読んでるでしょう。
たぶんGoogleが知らないことはあなたが前の晩、マッチングサービスで連絡を取った子と、何時にどんな子といちゃついたかくらいじゃないですかね?
もちろんこんなことをやっているのはGoogleだけでなくAmazonを始めとしたビッグテックはやっています。
詳しくはWebビーコンとか見てみたらいいと思います。
個人情報ってものすごく重要なもので、結果として何をもたらすか想定しきれないほど危ないものです。
それをそういった企業に握られているというのは、本来望ましいとは言えないでしょう。
それでも私は使いますけど、嫌がる人は脱Googleを図るほど。
実際そういう行動を起こす人も居るとなると、まぁまぁ議題にあげられる問題だとは思うんですよね。
とまぁ話を戻して、技術進化において誰かが犠牲に(時にそれは致命的な結果をもたらすとしても)なることは仕方が無いことなのです。
技術はそうやって進化していくものですからね。
…本来は。
"イラスト"という文化活動と感情論
話を戻しましょう。
私は こと「イラスト」分野においては、そこと切り離して考えられるんじゃないかなと体感的に思うのです。
別に美術系の学部を専攻してたわけでもないですし、
むしろどちらかといえば、技術畑の人間ですから本来なら「うるせーーーしらねーーー餌になれーーー」とでも言うのがらしいのでしょうが…。
なぜ切り離して考えられると思ったのか。
それは、イラストというコンテンツが本質としてもたらすモノ(ベネフィットにあたる部分)が感情だからです。
ほかの分野とイラストとの違いとは
基本的に私のスタンスとして
「相手側の企業がある程度まともなら、多少犠牲になっても構わない。
仮に情報が漏れて不利益を被ろうとも程度にもよるが、あるところまでは甘んじて受け入れる。それが便利を享受する対価だから。」
と考える人間です。
それはなぜか、とても便利だと思うサービスやコンテンツが得られるからです。
もちろん「便利だ」「楽できる」あるいは生産性が上がって業績が上がって「嬉しい」と思う感情はあれど、
それは副次的なものであって直接もたらされたのはサービスだけですからね。
しかしイラストはどうでしょうか。
例えば、絵師の方が書いたかわいいイラストを見たと仮定します。
それで、直接生活しやすくなりましたか?…お金稼げましたか?
あるいはそれによってより効率的な生活が送れましたか?
答えはいずれもNoなはずです。
ですが満足しましたよね?
そう、イラストは直接感情を提供しているのです。
言い方が合っているかわからないですけど、わかってくれますよね?
これがイラストは切り離して考えられるとする根拠と私はしています。
割り切れないものを提供していて、感情が大きなウェイトを占めている。
異論は受け付けますが、優しくしてください。
…ここまで書いて気が付きましたが、
イラストに限らず映画など動画にも当てはまりますねこれ。
AI絵師と一般絵師の闘争
考えれば双方ともにかれこれ1年以上争っています。
上から目線で大変申し訳ないですが、私は双方ともに理解できるよ的な
若干高みの見物みたいな感じで見てる側面もあります。
なので正直個別に取り上げれば、AI絵師も一般絵師も「あーあ」という投稿は結構あるんですよね。
で、両者ともに言いたいことがよくわかるんですよ。
AI絵師側は
現状法律に抵触しているわけではない
依拠性の有無で争うことにはなるだろう
二次創作だってキャラ割れ厨といえるだろう
AIで生み出したのだって立派な創作だ
というか絵柄だって誰かの見様見真似から始まってるんだからAIと人間は変わらんでしょ
一般絵師側は
絵柄は努力して得たもので盗まれるべきではない
苦労して得た技術をAIを使って速攻で活用され自分よりも上に行っているのは納得いかない(いいね数とか)
AIは既存の絵を結局切り張りしただけだ
挙句の果てにそれで作った画像を私に送り付けてこないで
という主張が主たるものです。
時々きな臭いのありますけどおおむね「あぁ、まーそうだよね」と
ある程度分かっている人なら納得いくと思います。
なので、今はどちらかというと一般世間の方でどういう立ち回りになるかが重要なのかなと思っています。
当たり前ですが法律が決まったらそれに逆らうことはすべきではないでしょう。
AIイラストについてどれだけ理解されるか、あるいは認識を持ってもらうかが重要なファクターになるでしょう。
端的に言うと「どちらが意見がより支配的になれるか」ということ。
その観点で見ると、AI絵師の皆さんには厳しい意見になるのですが
残念ですが今は「AI絵師」の方がちょっと分が悪いです。
上手く立ち回れればこうはならなかったでしょう。
もちろんAI絵師でも、様々な人がいることは理解していますが、
あまりに立ち回りが下手すぎました。
残念、無念、もうダメかも…。
AI絵師が自ら刻んだスティグマ
ちょっと話がまた逸れますが、実は私は見通しが甘い方です…。
去年の時点ではなんだかんだ言って皆ある程度わきまえて使うだろう。
こんな便利なツールはさぞかし世の中をいい方向にえてくれて、
きっとうまく絵師さんも組み込んだりして面白くなるなと思っていたのです。
ついでに、個人的に小銭稼ぎできたら面白そうだとも思っていました。
ですが、ちょっとしたことがあってAIイラストに深く携わることになりました。
それが今年4月末~5月上旬の話です。
どちらかというと詳しくは言えませんが、個人的ではないもので、
さらに創作活動というよりも営利活動の側面が強いものです。
結論から言うと、そこでやろうとした活動は私の方から辞めたほうがいいと進言してそのまま終わりました。
もちろん、やるにあたって投稿サイトもマネタイズができるところを洗い出したり、
あるいは売れている実績のあるジャンルなどを洗い出したりしていました。
そこで見たものはまぁ、とてもひどいものでした。
禁止された版権エロ、パクリ、児ポまがい、えげつないもの。
別にエロが嫌だとか言っているわけではないですが、その手のものが散乱していたんですよね。
界隈が界隈ですから、目に留まれば注意しに行く人もいるでしょう。
しかしそれには
犯罪ではない
絵柄に著作権はない
児童じゃないです、幼児っぽい見た目ですが18歳以上で略して幼ポです
というような対応であり、残念ですがこれがまかり通っていました。
そして、昼夜問わず、日々双方交えたリプ戦争は繰り広げられています。
実はその中に私の考えがある程度固まった原因になったリプライがいくつかあります。
直接引用したらさらされて何されるかわからなそうなので、ざっくり要約して書いておきます。
で、割とAI絵師界隈はこの論調に同調している人が多いかなと感じています。
結局のところ、実際犯罪すれすれであっても犯罪にならなかったり、
あえて一般絵師を煽りに行ったりとあえて火種をつけてるんですよ。
もちろん、一般絵師でもわざわざAI絵師にかみつきに行った人を見ています。
泥棒だと、そう呼んでいました。
しかしながら、こういった論争はいったんどちらかが折れないと収まらないんですよね。
特に法律で扱われない部分。
AI絵師は「あいつら(一般絵師)は感情論でものを語って話にならない」と、そういいますがこの状況で感情論を抜きにしろというのも酷でしょう。
実際、仕事奪われる可能性が出た時点で食い扶持なくなるかもなんですから。
こういう時にAI絵師が言う「その程度で仕事がなくなるんなら、その程度の絵だったということだよ。腕が足りなかったんだね。」
という論法は、競争原理から見たら至極真っ当な結論であって、まさにその通りです。
AIに敗北したのですから。
でもこれって相当ひどい片付け方だと思っていて、
これ他の職業の人に言ったら大炎上だろうなと思うんですよ。
例えばとある会社に勤めていてリストラで残念ながら解雇になったと。
そんな人に「まぁ切られたってことはその程度の人間だったってこった、
能力低かったんだね。おつかれさんw」
と言えますか?というのと同じです。
まぁたぶん解雇されたってことはそうなのかもしれませんが、表立って言いませんよね?
長々と書きましたが、要するに言いたいのはAI絵師は敵に回す発言が多いということです。
こんな状況ではとても、世間の方に見せた時に心証よくなろうがありません。
何気に心象って大事ですから、なにか事を決める際にマイナスに働くことの方が多いと思います。
なのでいったんこの論争を止めるには、AI絵師側が黙るのが最適解です。
でもそれをしない。
ある意味、AI絵師が自らスティグマを刻み込んだようなものなのです。
つけられた割れ厨という呼称
こんなムーブメントを繰り返してたら、それはまぁ実際LoRAで絵柄もろパクリとかしてる人もいて、
何ならそれでマネタイズまでしているわけでそう呼ばれても仕方がない面は往々にしてあるだろうなと、AI絵師サイドから見ても思わざるを得ません。
今からできることは残念ですがもうないでしょう。
少なくともいえるのはAIイラストをAIイラストして使わない分野では生きるかな…というくらいです。
〆とちょっとした小話
こんな長い文章書いたの久しぶりでクソ読みにくいですが、
もし全部読んでくれたならありがとうと言いたいです。
読みにくかったでしょう。
私はプライベートにプロではないですがお絵描きがとても上手な人がいて、
そういう人と関わっていたからこういう考えになったのかもしれません。
これからのAIイラストはどうなるのか。
有名なマネタイズサイトの一角が沈んだこともあって、
日本ではどうなるのか注視していきたいですね。
最後の最後に、絵柄割れ厨というワードについてですが、
個人的にいまいちゴロが悪く、絶妙に意味がずれていてなおかつ蔑称感があまりないんですよね。
絵柄ゴロとかどうですか?
と提案させていただきます。
流行らなくて結構です。
それでは。