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ハイボール濃いめでお願いします#9限りなくブラックに近いピンク後編

Mは和泉と皆に隠れてワッショイする日々を送っていましたが本人の口からまごうこと無き真実を聞かされた人々(バイト先のメンツ)は祝福よりも聞かされた時の心境を語りだしました。

「正直引いたわ、聞いた瞬間から焼酎の味がしなくて聞かなきゃよかった」
「冗談にしちゃー笑えないけど、本当だからもっと笑えない」
「スリーサイズオール100〇〇(バイト先の店名)の峰不二子をMがモノにしたのか、俺は今日という日を忘れないね!!」
「あ、良かったんじゃない。シフト早めに出しといてね、アタシ来週休むから」

前略どっかに行った父さん、世の中はいつまでたっても世知辛いです。

兎に角にもMと和泉が結ばれ穏やかな日々が流れていたんだが平和は長く続かなかった。
太平の世を乱世に導く女性が現れた、その名はムッチャン。
彼氏持ちにもかかわらず初日から男性従業員に忍び寄るテクニックを繰り広げるが、言い寄られた男たちは無敵艦隊スペイン代表並みにスルーを連発。

被害にあった男たちは調理場の一角でシンポジウムを開催した所、彼女は遠い惑星から来たビジュアルなのでコードネームを「エイリアン」と名付た。

被害者の会の方々は事を公にしなかったが、この事が大惨事を招いた。

和泉の家に就業後、酒を買い込んで皆で宴を開催し朝日が顔を出す頃に雑魚寝していると寝付けないメンツがペッテイング紛いの会話を聴いていた。

「ねーいいでしょ?」
「ダメだって」
「なんで、ちょっとだけしようよ」
「ダーメ、寝よう」

声の主たちはMとムッチャンだった。
後日談だが二人のやり取りを家主兼Mのハニー和泉も聴いていた。

皆さんお察しの通りMは未知との遭遇を経験していた。
平たく言うとムッチャンと1つになった過去が露わになった。
雑魚寝でペッテイングトーク事件の前だとタレコミで判明!!
大胆不敵な異星人はハリウッドより奇なり、覚えておけスピルバーグ。

携帯電話を見られたのか、問い詰められたのか詳細は解らないがMの浮気はばれたが修羅場は免れた。

ドラマや映画のシナリオならキャスティングミスで速攻没になるゴールデントライアングル(三角関係)は終幕したけどMと和泉の話し合いは決行され、反省の誠意をみせてと彼女が言えば男は力いっぱいの土下座かと思いきやMは違った。

わざわざ区役所から茶色い紙を貰って来てテーブルにそっと置いた。
石田純一ばりの伊達男なら絵になるけど、何故Mがそんな物を、まだ二人とも学生なのに……言わずもがな、茶色い紙の正体は婚姻届。

苦肉の策は功を奏したはずもなく和泉の怒りに拍車をかけ、話し合いは丸く収まらず、業を煮やしたMはテーブルに五百円玉を豪快に打ち付け

「じゃーな」と言って部屋を後にした。

何だか格好良いようで格好悪い捨て台詞と去り際。
しかも打ち付けた五百円は借りてた昼代ときたもんだ。
この事は後々語り継がれる鉄板ネタとなり爆笑を各地(僕が行く飲み屋)で起こしたが、これには続きがある。

部屋を出たMはバイクを止めていたマンションの駐輪所で数分前の勢いは無く和泉に電話し低姿勢で謝っていた。

許してもらったMはその後も和泉との交際は続き和泉の冷蔵庫には二人の署名済みの婚姻届が張られていた。

浮気の戒めっだった紙は二人の別れで役目を終えた……

だったら少しは切なく終われたんだが婚姻届は正式な使われ方をした。
そう、二人は晴れて夫婦となり今では子供までこしらえ幸せな日々を過ごしている。

初の二部構成これにて終了です、ご拝読ありがとうございました。








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