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ハイボール濃いめでお願いします#8限りなくブラックに近いピンク前編

何の気なしに夕方のニュース番組を見ていたら、お見合いパーティーの番組がやっていた。
失礼を承知で言うが、顔にモザイクがしてあるげど、それでも解る風采が上がらない方たちのパートナー探し。
一人の男性が頑張って女性と仲良くなったが別の女性からのアプローチに舞い上がり結局二人に愛想を尽かされていた。
若いうちに遊ばずに歳いってから遊ぶとタガの外し方を間違えるに似た行為に「良い経験したんじゃない」と僕のやさしさが顔を出したけど彼には届かなかった。

見てくれのいい若い男の二股は女性からは非難轟々だけど男心に共感を得る部分が無い事は無い。
見た目で判断するなと言われてもビジュアルありきの人生だらけで万年三振だらけの奴もホームランを打つことがある。
けどそれは、ド真ん中のストライクじゃなくてクソボールが多数である。

まさかのダマテン、場は静かに荒れた

時はリーマンショック全盛期、僕は昼と夜のダブルワークをしていて貧乏暇無しの最前線で戦っていた。
居酒屋のバイト先で仲良くなった大学生と仕事終わりに麻雀するのが週末のルーティーンとなり雀荘帰りに朝日を浴びるエセ雀士だった。

麻雀仲間のMはビッグフェイスの持ち主で、中学の美術の授業で等身大の自画像を描くのに配られた画用紙に顔が入りきらない逸話がある。
顔のエピソードは他にもあってラウンドワンに常設されてるボーリングピンの着ぐるみを着て満面の笑みで撮った写真を見ず知らずの女の子に見せたらキモイと言われた実績があり、僕の知り合いで後にも先にも笑顔を拒絶された人物はMしかいない。

そんなMの恋愛は惨敗の歴史を歩んでいるが、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるの確率で成就させた過去もあり、僕も彼の恋愛遍歴の1ページを目の当たりにすることになった。
あれから10年以上経ったが、今考えても実に迷惑な話である。

Mは和泉と言う見た目も中身も重たい女性と交際しだした。
見た目の重さは皆さん御存知のカロリーの過剰摂取だが中身はそれ以上のヘビー級で、調理場にて馬鹿話で盛り上がっている僕らを見て自分の悪口を言われてると勘違いする被害妄想を標準装備し、皆で飲んでいて帰り道にどこかに行っちゃう放浪癖も持ち合わせている。

そんな和泉との交際をMはバイト仲間兼麻雀仲間の僕らにも極秘ミッションの如く三ヶ月も隠密にしていたが仕事終わりに飲んでいたら自分からカミングアウトしだした。
どんくさい事この上ない彼がワンクールも秘密を保持していた事にオーディエンスは賛辞を贈ったが予想だにしない事実に我々は驚愕した……

To be continued.





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