好きとはどんなものかしら〜 推しの王子様 🤴第5話感想
ザ・王道。あ、ジ・王道、か?
初見時には正直あまりぴんとこなかったんですけどね。改めて観たら、まあ見事なまでに。
そうか、そうきちゃうのか。
主人公2人はお互いを想う気持ちに自分では気づけない。それぞれを想う側からのアプローチは、だからストレートには届かないんだけれど、違う角度で主人公2人の気持ちを揺らす。そしてやっと自分の気持ちに気づき始めた2人は、けれど大きくすれ違うことになる…。
わあ、なんて王道!
ラブストーリーの展開としては、とてもわかりやすい“起承転結”の“承”たるお話でした。
冒頭の「好きってなに?」から始まる、ペガサスインクのメンツの語りの可愛いこと可愛いこと。それを目を丸くして聞いてる航くんのさらに可愛いこと。杏奈ちゃんに「好き」と言われて、自分の中に結びつける感情や記憶が見つからなくて困ってるんだけど、それは大切なことなんだろうなってことだけはわかってるんですよね。だってみんながあんなに一生懸命教えようとしてくれてるんだから。研修課題にまでされちゃうんだから。
そしてそして、アリスくんの意図せぬアシストが功を奏して、とうとう航くんは「好き」を見つけます。
自分の中の名付けられずにいた感情に呼び名がついた瞬間。航くんの見せた全力疾走からは、その時の気持ちがどんなものだったかがはっきり伝わってきました。熱くて、抑えきれなくて、でも苦しいんじゃない、どっちかと言えば喜びに近い気持ち。
そのエネルギーはそのまま、杏奈ちゃんのストレートな言動にも宿っています。「好き」と伝えても「返事が欲しいんじゃない。私が言いたかっただけ」。それがまるまる本心じゃないとしても、もう黙ってることはできなかった、したくなかった。ずっとずっと想っていて、思いがけずに再会できて、今はこんなに近くに居られる。だったらなんで伝えずにいるの?…後のことは後のこと。その無鉄砲さは若さの特権で、でも思いっきり正しい。今のところ、このドラマの中で一番強いのは彼女だと思います。
問題は、なまじっか“オトナ”な2人。
全然素直じゃありません。
泉美ちゃんは杏奈ちゃんの行動を知って動揺する自分を見ないふり。航くんにときめいたのは大好きなケント様にそっくりだからなだけで、「好き」とは違うんだとあくまで自分の気持ちを認めない。…たしかに認めてしまうのはかなり勇気のいることですけどね。なんせ自分は社長で先生で「お姉さん」なんだから。
そして、みっちー。
今回の展開でよく分かりました。みっちーも泉美ちゃんも、お互いのプライベートはほとんど知らないんですね。「極上の」口説き文句(だと思って使ってるんですよねあの台詞?)も〈音速の掌底打ち〉も見事に躱される様は、如何に泉美ちゃんにとって彼が〈そういう対象に入らない〉位置にいるかの表れで、でもそれでも良かったんですよこれまでは。ケント様以外なら自分が一番近いところに居られたんだから。泉美ちゃんが自分の知らないプライベートを航くんと過ごしたと知るまでは。
知ってしまって、つい。抑えきれずに確かめにいく。「これは俺との賭け=俺とのゲーム」なんだよね?
あくまで自分と泉美ちゃん、2人のゲームなんだと。自分が今までいたはずの、自分だけが占めていたはずの、場所が揺らいでいく。ゲームの分岐点、プレーヤーの選択次第で取り残される“最初に出逢うキャラ”のように。
「こういう人、いる!すっごいフツーの人」
「こういうスイッチ、初めてかもな」
ラジオでディーンさんがお話されてたことがようやく見えてきました。たしかに。こんなディーンさんのお芝居、観るのは初めてかもしれません。
不安に揺れる瞳、言葉にならずに飲み込む息。
いちばん見入ってしまったのはシナリオ会議のシーン。思わず口にしてしまった「長年の」思いを芽衣ちゃんに突っ込まれた、そのあとです。
無表情。固まったとはこのことだとしか言えない顔。
あの、ぴくりとも動かせない(動かない、じゃありません動かせないんです)表情のコンマ何秒かに、みっちーのフクザツな感情が丸ごと浮かんでいて、ああもう。「…だよねー」となんとか続けた後も、会議の最後までみっちーはどこか違うところを見つめています。自分の想いの強さに自分で驚いて、戸惑っているような。遠目のカメラ位置にもそう伝わる、佇まいの情感。ディーンさんのお芝居の細やかさにずっと目を奪われていました。素晴らしかったです。
さて、素直になれないオトナ2人の会話は、やっと素直になれたかと思った若者を傷つける結果となって、お話は少々拗れていくようです。
「雨降って地固まる」のもまたラブストーリーの王道ですが、固まる地は果たしてどこなのか。
みっちーにはそっと「アリスくんと生きる道もあるのだが」と囁いてあげて、明後日を待ちたいと思います。
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#Runaway
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#ピカリンのピカはピカチュウのピカ
#壁ドンってどうしてもお互い寄り目になるよね
#縦の糸はあなた横の糸はわたし揖保乃糸は素麺