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明日の夜行バスで京都に行こう9(鞍馬寺 奥の院参道)

こんにちは、こんばんわ。aoi kawaです。

鞍馬寺の本殿金堂に辿り着き、無事拝観できたものの、時はすでに16時。
日照時間を気にして奥の院参道(山道)を進むか否か迷った私は、西洋人2人がつかつかと進んでいく姿を見て、参道へ足を踏み入れる決心をしました。

正直、今まで日中でも2,3人しかこの参道で人を見かけることが無かったので心強かったです。

ところがどっこい、それすぐにどころではなくなる私。

彼らと私の歩幅が違いすぎる!

私なりに早い速度で山道を上っていたのですが、二人の話声がどんどん遠くなり、背中は消え、気づけば薄暗い山の中に一人。

あの時ほど足の長さを羨んだことはありません。

あんまり急ぎ過ぎて再度体調を崩したら危ないと思い、諦めて一旦落ち着き自分のペースに切り替えることに。

この日は元々曇りがちな日だったためか、同じような薄暗さが続いており、すぐに暗くなる様子はありませんでした。
また、自分が行きたいポイントを把握していたので、緩急をつけて進むことにしました。

木の根道、背くらべ石あたりまでくると後は下りが多くなっていく気がします。

別の惑星に来たみたい。

さらっと見つつ、満足して貴船方面へ下り始めると木々の方から音が。

え、怖い怖い。

と思ったらなんとケーブルカーで一緒だった一人旅の男性が現れました。
横道があったのです。
こちらが白っぽい恰好をしていたこともあり、向こうも幽霊を見たようにぎょっとしていました。

私の歩みが遅いのが申し訳なくて、カメラのファインダーを覗いているふりをしていると、ささっと追い越していってくださりました。

さらば。旅の健闘を祈る。
(恐らく、どちらかというと祈られてる)

一人で歩みを進めていると、不動堂が出てまいりました。

下り道に突然現れる広々とした平地にどこかほっとしつつも、のどかで静謐な雰囲気。

静かに山水も流れています。

私、まったく霊感とかあるわけではないのですが、この辺りから奥の院まで本当に神秘的な雰囲気が強まっていくなぁと感じます。
涼しくて、空気が軽い感じが堪りません。

少し進むと義経堂。

奥州で亡くなった源義経の魂が、幼少時代を過ごした鞍馬に還ってきたとして、祀られているそうです。

以前、義経堂に訪れた時にバラの花が一本お供えされていて、ロマンチック~と感動しました。
そうそう、ここも来たかったんだ。

すみません。
バラで少し思い出したことがあって、話が少しそれます。
最近観たテレビ番組のことです。

その番組では日航機事故で亡くなった歌手・坂本九さんを追悼するために御巣鷹山へ向かうオーストラリア人の方を密着していました。
仕事をリタイアしたので余裕ができて来日したのだそう。

慰霊碑近くのお花屋さんに相談して、慰霊碑には日本の文化に合わせ菊の花束を、そして個人の慰霊碑には自分の国の風習にならい一本のバラの花を供えていました。
故人に敬意を示すために海を越えてきたんだと思うとジンとくるものがあったのですが、今思えばかつて義経堂で見たバラも誰かのストーリーがあったのかも。

話が戻りまして、また山道を進んでいくと、とうとう辿り着きました。

奥の院・魔王殿。

この佇まい、本当にかっこいい。すき。

お堂の中には石でできた椅子が並べられており、少し休憩させていただきました。

さぁ、ここが終わると後はひたすら貴船方面へ降りていくのみ。
魔王殿を振り返りつつ、浮世離れした空気とは少しずつおさらばです。

この時、遠くの方で低い雷の音が聞こえてきました。
まさに空が鳴っているという感じ。

幸い暗い山をさまようことは避けられましたが、雷雨がきちゃうとそれはそれで大変だと思い、再び速足モードに切り替えます。

この時、被災して救助を呼ぶときはこの番号を伝えてくださいという看板がでてきて、さすがサポート体制がしっかりしてると少し気が抜けかけたのですが、スマホを見ると圏外でした。
やはり自分の身は自分で守らないとですね。

個人的にここからの下り道も好きで、少しずつ現実に戻っていく感じがします。

知っている空気の重さが戻ってきて、ずっと静かだったのに賀茂川の力強い水の流れる音が聞こえ始めるんです。

今回も川の流れを耳で察知して、貴船までもう少しだと安堵しました。

最後の方の道は木々の葉の密度も濃く、谷間ということもあり暗く感じましたが、山を抜けると空の明るさは出発時と大して変わりませんでした。

急に足元が土からアスファルトになって変な感じがする。
途端に貴船神社に向かう観光客が増えてきて、この自然と隣り合わせの華やかな雰囲気も恋しかったぜとようやく緊張感をほぐすことができました。

貴船神社まであと少し。

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