ATMと自動販売機と軽自動車
ATMと自動販売機と軽自動車は重い。
そんな事わざわざ言わなくても分かってるよという声が聞こえてきます。でも、どれぐらい重いか試したことはありますか。なかなか試す機会はないと思います。今の時代、ネットで調べてみれば大体の重さは分かります。しかしながら、実感することは出来ません。私は学生時代に実感したのです。ATMと自動販売機と軽自動車は重いと。
まずはATMのお話。ATMって試しに持ち上げられるものではありません。持ち上げたとしたら警察のお世話になるでしょう。ですが、私は合法的にATMを持ち上げる機会に恵まれたのです。
学生時代にGoodwillという会社で、色々な場所に派遣され、仕事をするアルバイトをしていました。デパートの模様替えや、コンテナへの詰め込み、引越しなど、色々な現場で作業をしました。一つのことでは飽きてしまう私にとって、毎回異なる現場に行く仕事は面白く、色々な経験をさせてもらえる良いバイトでした。
ある時、現場でATMを運ぶという貴重な体験が出来ました。それは消費者金融のATMで、2階から1階に引っ越すというものでした。中身は既に出していると言うことで、盗んでも鉄の塊、邪な考えはアッサリと消え去り作業に入ります。
まずはベテラン作業員2人で持ち上げてみたのですが、それでも音を上げる重さ、我々学生アルバイトの2人が助けに入り、やっと持ち上げて運べる重さだったのです。それを、狭い階段を4人で悪戦苦闘しながら運び終えたのです。一同、ATMってこんなに重いのかと驚きました。
次に自動販売機のお話。こちらは、清涼飲料水の自動販売機、今考えると中身が入っている事を考えると相当な重さで、簡単に運べるものではないと思います。しかしながら、学生時代の無駄な熱量は果てしなく、エントロピーは増大する一方で、自我の手には負えなかったのです。
しこたま酒を煽った後に、自動販売機が家の中にあったら便利じゃね?とふと思ったのが最後、支払いはどうするのか、飲料の補充はどうするのか、そんな事は全く考えていませんでした。暫くすると友人たちと自動販売機の前に並んでいたのです。
まずは2人で持ち上げようとしましたが、びくともせず、3人で引き摺り出そうとしましたが、びくともせず。終了。自動販売機は微動だにせず我々を見下ろしていました。学生の情熱をアッサリとブラックホールに飲み込んだのです。
※運べなくて良かったです。運べていたら立派な犯罪です。皆さん真似しないようにして下さい。
最後に軽自動車の話。友人が溝にハマったタイヤを自力で車体を持ち上げて脱出したと言う話を聞いて、それなら4人なら運べるんじゃね?とふと思ったのが最後、暫くすると友人たちと軽自動車の前に並んでいました。
タイヤ部分の4箇所にそれぞれ分かれ、せーので力いっぱい持ち上げました。すると、どうでしょう、見事に持ち上がり、運ぶことが出来たのです。とはいえ、1人で運ぶことは出来ない重さ、ATMよりは重いなと経験がそう思わせてくれました。
学生時代というものは本当に無駄な事に情熱を注げるものです。法律に触れないように色々なことに挑戦し実感してきて良かったと思っています。そして、この方程式が私の歴史に刻まれる事になったのです。
自動販売機>軽自動車>ATM
これって、想像通りですね。