自作アプリKIOKUだけで東京大学五月祭の謎解きキャンパスラリーを作ったら、1500ユーザー突破し、しかも初出展にして体験型部門2位を受賞した話
アプリ「KIOKU」とは?
この記事をご覧ください!
本記事中に登場する「キオク」・「キオクリスト」の説明を読んで把握していただけると本記事がより分かりやすくなるはずです。
東京大学五月祭とは?
五月祭は、毎年5月中旬に東京大学本郷・弥生キャンパスで開催される学園祭です。
日本最大級の規模を誇り、例年2日間で15万人もの来場者が訪れます。
(五月祭公式ウェブサイト→https://gogatsusai.jp/97/visitor/)
輝かしい成果
ひとことで言うと、大盛況!
①開催前400台だったユーザー数が1500を突破
②一時AppStore67位
③五月祭総選挙(来場者投票で魅力度の高い企画を決定するもの)体験型部門2位
出展企画「スマホで謎解きキャンパスラリー」の概要
五月祭公式ウェブサイト企画詳細ページ
形式
「その場所に行かないと投稿を閲覧できない」というKIOKUの機能を活用して、「指定した場所に行かないと謎が表示されない」というかたちの周遊型謎解き企画を作り上げました。
キオクを開ける(謎を表示する)ために合言葉の入力が必要となる設定を行い、1つ前の謎の答えがその合言葉となるという構造によって、ラリー形式を組み立てました。
紹介文
事前PR
五月祭常任委員会が選定する「おすすめ企画」の1つとなり、五月祭の公式アカウントにて「家族×遊び 企画3選」という特集に組み入れられました。
また、東京大学新聞五月祭特集号の「おすすめ企画」の9企画の1つに選ばれました。
企画参加の流れ
1. 受付に来てアプリをインストール
2. スタッフからアプリ・手順の説明
3. 難易度の異なる2つのコースのうちから挑戦する方を選択
4. 1問目のカギを開くための合言葉をスタッフが口頭で伝える
5. 1問目のカギが開き、1問目の画像が見られるようになる
6. 1問目を解く
7. 地図画面が示す2問目の場所に行き、1問目の答えを合言葉として入力
8. 2問目のカギが開き、2問目の画像が見られるようになる
9. 2問目を解く
10. 地図画面が示す3問目の場所に行き、2問目の答えを合言葉として入力
11. これを最終問題まで繰り返す
12. 「ゴール」の場所(受付)に行き、最終問題の答えを合言葉として入力
13. クリア画面とエンディング画像が表示
14. アンケート回答後景品抽選に挑戦
用意した2つのラリーコース
コース①「やさしめ編」
謎解きの難易度低(いわゆる定番ばかり)
5問
受付より北のエリア(弥生キャンパス・工学部エリア)
コース②「むずかしめ編」
謎解きの難易度高(最終問題でどんでん返し)
受付より南のエリア(安田講堂エリア・赤門エリア)
6問
2コース共通事項
小学生でも解けるよう難しい知識を使わない(英単語や漢字すら不要)
1問目とゴールの場所は受付
企画側の人員
準備は開発チームメンバーのうち東大の院生の2人で行いました。
当日運営についてはこの2人の友人7人と開発チームメンバーの残りの3人、計12人で、常に受付に4~5人がいる状態となるようシフトを組みました。
企画者の前日までの準備
下見・謎を埋め込むスポットの選定
本郷・弥生キャンパスを歩き、謎のキオクを埋め込む場所(つまり来場者が謎を解く場所)を決定しました。混雑する当日でも参加者が落ち着いて謎を解けるように、かつ電波の問題が発生しにくいように、広場や建物の裏側など来場者が殺到・滞留しないことが予想されるスポットを選びました。
作問
詳しくは、次に公開する記事にて!(公開後リンクを下に貼ります)
問題・ヒントの画像の制作
画像制作ソフトを用いデザインを行いました。
キオクの作成・キオクリストの作成
制作した画像を使って各スポットのキオクを作成し、それらをまとめたキオクリストを作成しました。
これでもう企画自体は実行可能になります。
説明資料・チラシの制作
受付場所で参加者に手順を説明するときのための資料と、建物の壁に貼るためのチラシを制作し印刷しました。枚数としては全体で120枚程度です(うちチラシが80枚)。
景品の選定・発注・受取
クリア達成者への景品を用意しました。
目的は、①途中で離脱することなくゴールまでプレイしてもらうことでアプリの利用時間・体験の増加、②参加者アンケートの回答収集、の2つです。
経費と実用性と魅力の観点から、モバイルバッテリー40個とタッチペン付きグラファイトペン100個(計77,000円)に決定しました。
企画者の当日運営
企画開始前
建物の壁にチラシを貼ったのみです。謎が埋まっているスポットに何かを設置することもなく、参加者用の筆記用具やスタンプや回答用紙の仕入れも要りません。各スポットの人員配置は全く要りません。
企画実行時間①新規受付
受付に来た参加者に、アプリをインストールしてもらい、手順を説明し、送り出すのみです。
企画実行時間②景品抽選
ゴールでもある受付場所へ帰ってきた参加者のクリアを確認し、参加者アンケートの回答をお願いし回答完了が確認できたら、抽選へ移ります。抽選方法はgoogleの「1d6」です。サイコロの目がいくつのときにプレゼントと設定し、参加者にダイスロールボタンを押してもらいました。狙ったメリットは、①くじの紙や箱の準備が不要、②同時に複数の抽選が可能、③普通のくじ引きよりも新鮮で面白がってくれる、④公平性の明示、の4つです。
企画終了後の撤収
壁に貼ったチラシをはがして捨て、景品の空き箱を捨て、説明資料を持って帰るのみです。力仕事は全くありません。
結果
数字と考察
・2日間での獲得登録ユーザー数 1108
これは企画の参加者が1108名であるということではなく、その倍以上の数千人規模であると推定されます。参加者グループの全員がインストールするわけではなく、誰かのスマホを一緒に見るという方法を取る場合が多数を占めるためです。
また、事前の広報などの効果により、前日までに事前にインストールした状態で受付場所に来る謎解きファンも一定数いたので、五月祭を通しての獲得ユーザー数は1108よりもう少し多い数となります。
参加者からいただいた声
チュートリアルがなくても操作しやすくて見やすい
あと何m、と表示が出ているので迷いやすい私でも目的地に辿り付けました。楽しかったです。
昨年の駒場祭でも参加しましたが、位置情報の不便さはほぼ感じず周遊謎解きを楽しめました。オリエンテーリング(山や公演で地図を見てスポットを巡る遊び)にも活かせそうなアプリですね!
スマホ使い慣れていないおばさんでもできた
悩むことなくゲームをすすめられた。GPSの反応も良かった
(参加者アンケートから抜粋)
反省
混雑時は受付場所のインターネット環境が悪くなり、アプリのインストール・読み込みを断念する来場者が一定数いました。wi-fiのモバイルルーターを準備し接続を推奨しましたが同時に10人も接続されるとそれも遅くなり、完全な解決には至りませんでした。激しい混雑が予想される建物を受付場所とする場合には相応の対策が必要です。
iPhoneの一部の機種で、インストールできてもユーザー登録ができない事例がいくつかありました。原因を究明しアップデートで改善します。
想定以上の大繁盛により景品の消費がかなり早くなり、「売り切れ」が発生しました。
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