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裸木

裸木ののびたうれがふれた
冬の透明な指板とフレットに
約束されている音を
奏でるには
分枝した数だけの鍵が必要になる
でも
わたしのうでは小さいから
その長大な鍵盤をいちどにたたけない
しかし
いちどにたたけないから
わずかに重ねた音のちいさな響きは
とどかなかった音に共振してゆく 
あなたに緑色の休符がおとずれるまで

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