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葬送のフリーレンにおけるダブルミーニング

ふと、フリーレンにおける要素でダブルミーニングに気づいた。
要素とは以下の事柄である。

  1. フリーレンの旅の目的は『天国(オレオール)を目指す』こと
    もっと具体的に言えば天国でヒンメルと対話すること。
    もっと知れば良かったという後悔、ヒンメルを知りたいと願う気持ちが動機になっている。

  2. 『ヒンメルならそうする』と示唆する
    ザインを仲間にした時など事あるごとにヒンメルならそうすると告げるフリーレン。
    死者の幻影を見せるアインザームを討伐する過程では、幻影として現れたヒンメルに対して「ヒンメルならそう言う」と告げている。
    界隈では軽くミーム化する程度に作中で頻発され、フリーレンのヒンメルへの理解度を示している。

  3. ヒンメルとはドイツ語で『天国』を意味する言葉
    Ever17で習った言葉。

  4. 勇者パーティーの旅程を辿る
    天国を目指す旅程は、そのまま勇者一行の旅路である。

これらの要素を繋げた時、見えてくるものがあった。

そもそもフリーレンは勇者一行の旅路を辿っているとは言いつつ、腐敗の賢老クヴァールや断頭台のアウラなどを筆頭とした魔族たちを討伐したり、困りごとを抱えた人々の依頼を引き受けたりと、活動内容はまさしく勇者一行のそれである。
魔王という分かりやすいシンボルが無いだけで、世が世ならそれでも勇者と称えられてもおかしくない活躍っぷりだ。

クラフトの像が残っていることからも分かるように、この世界では英雄は一人ではない。
恐らくフリーレンが旅を終えた時、フリーレンもまた英雄の一人として数えられるはずだ。
既に勇者一行のフリーレンという肩書はあるが、フリーレンが代表されるものではないので一旦置いておく。

もう言いたい事は分かると思うが、フリーレンは天国(オレオール)を目指していると同時に、天国(ヒンメル)をも目指している。

ヒンメルならどうしたのかを考え、ヒンメルを模範として勇者的行動を示し、ヒンメルが通った道をヒンメルの立場で辿っている。

作品のテーマに沿っていると言えばその通りなのだが、この意味に気づくとなんとなくフリーレンがどのような結果に辿り着くのか、どういったエンディングを迎えるのかがふんわりと分かってきて、今後より作品を楽しめるのではないかと思う。


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