普通って何? | 自分の『ありよう』を相手に押し付ける言葉
こんにちは。妻と子供が里帰りして2か月ぶりの一人暮らしです。久々の余暇(アフター5)の過ごし方について色々と考えを巡らせています。
そんな話を何気なく同僚にしたところ、『1人になると暇すぎて苦痛』という聖人を発見しました。笑 彼曰く『いつも掃除や子供の世話をしており、家族が居なくなると手持ち無沙汰』とのことです。ちなみにこの前、原木椎茸をお裾分けしてくれた彼です。一人暮らしに勇足の自分が恥ずかしくなっちゃいました。彼の爪の垢を煎じて飲みたいと思います。笑
はじめに
以前のnoteでも少し触れた記憶があるんですが、私は『普通』という言葉を使わないようにしています。何気なく『普通は〇〇しない』とか『普通こうだよね』とか発してしまいそうですが、グッと堪えてます。
というのも『普通』という言葉には『べき論』的なニュアンスが含まれているように感じるからです。私の周りにいる人の『あり様』を相手に押し付けるような感じでしょうか。私が考える『普通』に万人が当てはまらないのが普通でしょう。笑
ふつう【普通】
いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること。他と特に異なる性質を持ってはいないさま。 「―の状態」
そこでこのnoteでは、『普通』という言葉について私の考えを紹介したいと思います。
ここがヘンだよ日本人
15年くらい前から仲良くしているフランス人の友達がいるんですが、当時学生だった私はいつも際どい質問を浴びせられていた記憶です。彼女は、日本に住みはじめて感じた違和感について『何故何故?』と周りの日本人に投げかけるのが常でした。
何故、日本人は酔っ払って路上で寝るのか
何故、日本人はトイレの話ばかりするのか
何故、日本人はセックスの話を全くしないのか
昔、『ここがヘンだよ日本人』という番組があったんですが、まさにあんな感じでした。もう20年近く昔の番組になるんですね。笑
《Wikipediaより引用》ここがヘンだよ日本人
多数(主に100人)の外国人出演者が日本で生活する中でいろんな感じた様々な疑問を指摘し、日本人パネラーと討論をかわしていく。
その友人からの問いかけに対して一瞬詰まる自分がいたのも事実です。当たり前だと思い込んでいる風習に対して、改めてその理由を聞かれるとなかなか答えられないものだなぁと感じていました。
彼女の疑問に対して、『日本人にとってはそれが普通だ』と返したところで何も説明になっていません。お互いが知っている事実に基づき、きちんと説明する必要があります。論理的な説明をしなければ、『よくわからん』か『もういい』の素っ気ない返事の2択でした。笑
そんな訳で、彼女の質問はワタシのプライベートに変な緊張感を与えていました。笑 だって『普通はこうだよね』という内輪の暗黙の了解が全く機能しないんですから。
もし相手がタイの王様だったら注意するか?
『普通』という言葉を聞いて思い出すエピソードがもうひとつあります。
10年以上前のローカルのバラエティ番組。私はYouTubeで観たんですが、有吉弘行さんと他の芸人さんが以下の議題についてやりとりするというモノでした。
番組スタッフのアシスタントディレクター(AD)が失礼な態度だったら注意するかどうか
『普通注意するでしょ』という意見に対し、有吉さんが『相手がタイの王様でも注意するか?』と返したのが印象的でよく覚えています。
この場合、『文化が異なる人に対してどのように説明するか』という前述の視点に加えて、『偉い人に対して同じ主張ができるか』という視点も含まれるかと思います。
有吉さんのその発言の意図は私にはわかりません。が、『普通〇〇だよね』と言いそうな時にワタシの頭の中にタイの王様が出てくるようになりました。笑
お互いの相違点を認めた上で、共通する部分を擦り合わせる方が建設的
『普通』という言葉から距離を置くことで、多様性に対してオープンになっていく印象があります。これはあくまで個人的な見解です。
学生時代に英語の先生がこんなことを言っていました。
文化など考え方が異なる場合、お互いの相違点を認めた上で、共通する部分を擦り合わせる方が建設的
これは対外国人に限った話ではないと思っています。1日の中でいろんな人に関わりますが、基本全ての人が千差万別でしょう。『普通』という言葉を相手に押し付けずに常にフラットにいられたらと思っています。
さいごに
『普通』から少しズレますが、この言葉をご存知でしょうか。
常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである。
Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.
我々が拠り所にしている常識は彼に言わせれば偏見です。前述の『普通』もある意味偏った見方なのかもしれませんね。それではまた。