車が道路を走らなくなる時。
毎朝子供が幼稚園に行く時、一緒にバスの待合所まで行っている。
幼稚園バスが迎えに来るのだ。
バスを待っているときに、目の前を走る車になんだかノスタルジーを感じた。
いつかこれ、全部なくなるのかもしれない。
僕は白線の内側に立っていた。子供2人と妻と。
車線と僕たちを隔てるものは、何もない。
あるのは線だけ。
いつ車が突っ込んできてもおかしくない。
というか、そういう事故はたまにニュースで聞くことはあるが、報道されていないだけで、あちこちで起こっているのだろう。世界規模で見れば毎日それで多くの人が死んでると思う。
普通に考えて、危なすぎる世界。
最近は、駅のホームと線路の間に壁のような物ができているが、そういうものがない中で、普通に車が数メートル前を走るとこに立っている。
これから十数年。
「昔は、車が人の目の前を走っていたんだ。
しかも、人間が運転していた。年寄りもだ。
免許さえ取れれば誰でも運転できていた。
もちろん、それで毎日事故が起き、多くの人が死んでいた。
悲惨な事故は頻発していた。
それでも、人は車が必要だったから車にのっていた。」
そんな時代が来るのかなと。
いつか来るのだろうけど、そんなことを思いながら目の前を走る車に違和感を覚え、未来から今の目の前の現状に、わずかなノスタルジーを感じた。