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祖母が旅立った話

それは今年の春のこと。

94歳の母方の祖母が、空へと還りました。

亡くなる1ヶ月前に脳梗塞で入院し、意識はあったのですが食事などは取れなくなっていました。一緒に暮らしていた母の妹弟が会いに行った時は、声は出せなかったものの二人の言葉をしっかりと聞いて頷いていたそうです。退院できそうと言われた矢先のことだったのでショックは大きいですが、最後は苦しむことなく眠ったまま逝ったのだろうとお医者さんに言われたそうです。

兄と一緒に最後のお別れをしに行きましたが、とても穏やかな、綺麗なお顔でした。


胃から直接栄養を取れるように手術をしていたそうですが、そうなると大変なことも増えますよね。自宅での介護は負担も大きい。もしかしたら子どもたちのことを思い、最善のタイミングで旅立つ事を本人が望んだのかもしれません。
寂しいけれど、やっぱりおばあちゃんは凄い人だと思いました。

愛の湧き出る源泉のような人。

もの凄く自由な心を持っていてユニークな発言をするタイプなんですけど、それ故に誰もが愛さずにはいられない人だった。
だから私は、愛の源泉だなって思っていました。


人から愛を引き出す人。

他人を愛するとか優しくするって、実はそんなに難しいことじゃないと思うんだけど、他人からその人の内側にある愛や善の部分を引き出すって難しいじゃないですか。


でもそれができる人だったんですよね。
もう才能かもしれない。

昭和のはじめに生まれ、戦争を経験し、平成〜令和まで。頭脳明瞭で最後まで自分らしく生ききった偉大な人。


偉大な人とは、何か大きな、歴史に残ることを成し遂げた人とは限らない。人生の中で出会った縁のある魂を、愛の循環に巻き込むことが出来る人こそが偉大な人だと思う。


おばあちゃんの孫として生まれて来れたことは、私の誇りです。


ずっと大好き。
ありがとう。

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