あなたの隣の特等席
私が住んでみたいところは、あなたの隣。
他人がパーソナルスペースに居座ることを苦手とするあなたの隣が良い。
私なら、きっと気楽と思うの。
だって、いつかは一日中一緒にいたでしょう?
朝からドライブして、青空を眺めて、海を目指して、山の麓も車で走った。
また行きたいなぁ。
先日、ランチでお蕎麦を食べた時。
ついポロッと「本場のお蕎麦が食べたいなぁ」って言ったら「時間があればね」なんてはぐらかされた。
時間、取ってくれるのかな。
お店、休んでくれるのかな。
まだまだ自力で稼げない私に、「ま、お前は稼ぎが無いから無理だな」と続けた。
その意地悪が意地悪でないことを知っている。
私が奮起するといいな、って思ってるから。
私が幸福になることを望んでいる。
自分のそばにいる人たちが、今よりより良い状態になることを。今より幸せになることを望んでいる。
あの人が諦めた幸せを、皆が手にすることを望んでいる。
結婚は推奨していないけれどね。
「好きな人って、実際の距離感も含めて好きってことだと思うんだ。週末しか会えないっていう距離だったり、夜しか会えないとかの身体の距離のこと。四六時中一緒にいたら、絶対ぶつかる。結婚するってことは、お互いを嫌いになるチャンスを迎え入れてしまうってことなんだ」
そういう横顔を私はじっと見つめた。
「お互いがお互いの自由を奪って、相手を嫌いになっていく。そういう時期が来たことを実は知らずに選択しているんだよな」
共通の知人の別れ話を教えてくれていたのだけれど、なんだか私に言われているような気になって言葉に詰まる。
私があなたとの距離を詰めすぎてるってことかな、とか。
私と離れたいのかな、とか。
色々思うところはあるけど、私が焦ってはいけない。私が害のない人間だと思わせなければ行けないんだ。
今まで沢山失敗して、遠ざけられてきたから。
この人に。
私が今まで失敗してきたことがあなたを深く知るための出来事であったと思いたい。
ここからが、私とあなたの本編。
まだまだここからよ!
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